○じじともんちの旅日記96
  GG & MONCHI's travel diary 1996


96.9.20-22 山口一周旅行記(合作)

第1日目:岩国市 錦帯橋〜岩国城〜(秋吉台泊)


天候不順。
台風接近の報の中、前歯の治療を終えて福山東ICから一路岩国へ。
本社勤務になったら叔父に治療してもらうから、簡単でいい。というのを
「こんな歯をいい加減な治療で済ませたのでは歯医者の良心が許さない」と
女医さんに説得され、信頼してようやく本格的な治療を始めたばかりで、今回の異動。
少し鈍く痛む歯を感じながら、多江子を乗せて高速を飛ばした。(byじじ)

途中で様子がおかしいじじ。睡魔に襲われているらしい。パーキングで運転を
交替して一路秋芳町へと。悪天候ではあったが、岩国城から見下ろす眺めも
濃霧ではっきり見えなかったが、とりあえず満足のいく一日だった。
じじよ、ご苦労であった。(byもんち)

もんちが飛ばした時間をちょっと昼すぎまで戻してっと。
錦帯橋は石組の土台の上に木で作った3つの大きな半弧からなる美しい橋だった。
入橋料(!)とロープウェイ・岩国城のセット券大人820円を払って橋を渡る。
霧雨の中、朝慌てて持って出た大きめの傘を2本、二人でさして、
もんちは大騒ぎして買ったニコンのF50D一眼レフを持ち、
僕は去年の新婚旅行以来出かける時は忘れずに持って出るソニーのハンディカムを首から下げて、
互いを撮りながら岩国城へ登るロープウエイへ。
発車時間まで、20分程の待ち時間。
乗り場の親切なおばちゃんの勧めに従って、「しろへび」を見にいく。
いわゆる「アルビノ」ではあるが、世界でも岩国にだけなんと自然に生息するのだという。
人家の近くの土蔵とか石垣の間にとか住みついているそうだ。
昔から吉を呼ぶ使いの神様として大切に扱われたことで、「しろへび」だけが
固有の群れを形成し、同種間の交配を繰り返し現代にまで種を維持しているのだと、
展示室のバックに流れる学術ビデオが言う。
環境を完全に制御された大きめの飼育室の中に4匹のしろへび。
元はあおだいしょうの突然変異だから、結構長い。赤い眼。
なぜか子猫がたくさん居て、これがかわいい。
ようやくロープウエイに乗り込んで、もやの中を岩国城へ。
岩国城に飾ってあった刀の「鍔」(つば)を「これなんて読む?」と尋ねると
まさに予想通り、間髪入れず「わに!」という答えが返ってきたので。
つぼにはまって悶絶。笑い死にしそうだった。
帰りのロープウエイの待ち時間では、「おもしろい顔」競争。
もんち先生にはかないません(^^;。

持っていった山口観光ガイド本で見つけた秋吉台の国民宿舎「若竹山荘」へ
車中からPHSでTEL。
「岩国からなら3時間はかかりますよ」という管理人さんの見通しを大幅に下回って
2時間で19時に着。前払いで6400円/人(2食付)。
清水義範の短編を思い出すような夕食を食べて、入浴。「ひと夏のプロポーズ」
最終回を見てゴロゴロ。隣のいびきが五月蝿い2Fの61番「若竹」。(byじじ)


第2日目:秋芳洞〜サファリパーク〜千畳敷〜青海島鯨墓〜(萩泊)

目覚めると快晴。山波には朝霧が漂い神秘的な雰囲気(を味わったのはもんち)。
朝食後すぐに秋芳洞へ。
若竹山荘のすぐ近くに鍾乳洞への降下エレベータがあるのでそれに乗り込む。
1240円/人。80m地下まで潜ると一年中気温に変化がない世界。17度C。
「東洋一」を謳うだけあって確かに実に見事な鍾乳洞。
中に電車が走る東欧の鍾乳洞の写真を図鑑で見たことがあるので、きっとかの地では
それはもっとすごいのかもしれないが。
とにかく広い。それと中を流れる水のきれいなこと。石灰岩の層を通過することで
浄化作用があるのかもしれない。なんと、一の淵と呼ばれる入口付近の小さな滝壷では
天然(!)のニジマスの魚影が肉眼でみえる。それも何匹も。これには感激。
「すごいね」<じじ>
「そうね。天然ものはおいしいのよ。」<もんち>
「・・・」<じじ>

気をとりなおして、サファリパークへ向かう。
以前、和歌山のアドベチャーワールドのサファリパークへ行ったことがある。
この時はバスに乗っての見学だったが、今日は自分の車に乗ったまま。
ジュラシックパークのり。(もちろんJPの方が現実のサファリパークからの着想だろうけど)
象にサイに熊。チータにライオンに虎etc。そして目玉のホワイトタイガー。
虎が水に浸かっているのまで見ることができた。虎って猫科だから水は嫌いかと思ってた。
実に楽しい経験。天気も最高。CR-Vのサンルーフを開けてビデオを撮ったり
(係員には怒られたけど)熊に周りを取り囲まれたり(人なつこいのだそうだが)。
車を降りると今度は動物とのふれあい。象に人参をあげた時の感触と、キリンの舌触りは
忘れられない。象の鼻は本当に人の指のように器用に物をつかむ。キリンの舌は...
ものすごく長い。ライオンとか肉食系の動物の舌はざらざらしていると聞くが(確認不能!)
キリンのそれは長くてすべすべ。ビデオにしっかり録ったので、
いつかはキャプチャーを買って是非とも取り込んでここに掲示してみたいものだ。

次の目的地は千畳敷。日本海に向けて開けた小高い丘の草原。まさに千畳あろうかという広さ。
もんちとゴロ寝。本当に気持ちよい。真っ青な大海原に白い波。右手に見える青海島以外は
海と空のみ。ただ一つの難点は強烈な風がふきすさぶこと。ツイスターもさもありなん。
それは強烈。なんといっても中電日置(「へき」と読む)風力発電所あるくらい。
あの映画「スピード」のラストシーンの背景に出てきた何十機という風車が2機。
その風も僕にはとても心地よいものに思われた。あの台風に妙な興奮を覚えるのと同じ気分で。
もんちは閉口していたが。

最終目的地の萩へ向かう途中で、青海島に立ち寄り鯨墓に参拝。
江戸時代鯨漁で鳴らしたこの地方の人々が供養に建てたお墓とのこと。
海沿いの家波の中にひっそりとたたずむ小さなお寺の境内(といっても猫の額程度)
にそれはあった。お寺に上がって線香をあげる。落ち着いた気分になり、眠気も和らぐ。

あとは一路萩へ。
あまりの疲労感と現金が残り少なくなってきたので、やむを得ずカードで決済のできる
萩グランドホテルへ宿をとる。和室2人で13500円。部屋も広くてきれいで、当然
大浴場も完備。ゆったり寛げたことを考えると結局安く済んだと思う。
萩の夜も更けてきた。今日はこの辺で。おやすみなさい。(buじじ)

第3日目:萩城跡〜松蔭神社〜笠山〜津和野〜三次市凰源寺〜(福山着)

今日も快晴。
まず萩城跡。明治時代に解体(もったいない!)してしまって、現在では石垣のみ残る。
指月公園。入園料200円。萩焼をおみやげに購入してから笠山へ。
おみやげといえば、夏みかんの皮を砂糖煮した「萩乃薫」。これは美味。
日本海を左に見ながら国道191号線を北上して世界で二番目に小さい(一番は何処だ?)
火山と称される笠山へ。展望台からの眺めは絶品。穏やかな海に美しい島が点在。
そこだけを見ていると日本とは思えない雰囲気。萩観光の超穴場。こんな美しい所があるとは!
そのふもとにある明神池もおもしろい。池とはいえ塩水が溜まっているので海水魚が住む。
それを狙って鷹(鳶?)が十数羽集まって、時折水面へ急降下して魚採り。見ていて飽きない。

海沿いの道を離れ一路津和野へ。
山口県のガードレールはなんとオレンジ色。夏みかんを象徴しているらしい。
それが、白い普通のガードレールに切り替わるとそこから島根県。この瞬間まですっかり
勘違いしていたのだが、津和野はなんと島根県だった!萩・津和野とか言うのに。
いわゆる萩津和野線が工事中だったので、国道315経由9号線で津和野入り。
朱色の大鳥居をくぐって山あいの町へ。そこが小京都津和野。
時間も遅くなってきたので、車のままで町を巡ることにする。
途中で車を止めて、津和野に来たらこれをみなけりゃという
白壁の下を流れる堀割に優雅に泳ぐ鯉をバックに写真を撮ったり、ビデオを回したり。
そんなことをしながら、ぐるぐると2周したらすっかり津和野を堪能した気分になった。
あとは帰路。途中で淺野内匠頭の妻である瑤泉院の遺髪がまつられているという
三次市の凰源寺(いわゆる三次淺野家の菩堤寺)に立ち寄って福山へ向かう。
これで、赤穂・広島・三次と一通りの淺野家関係名所訪問は(福山在住中)完結。
関東住まいになったら今度は笠間時代の淺野家旧跡を訪ねるのが目標。(byじじ)

満ち足りた旅行であった。満足満足(^^;。


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