本機は日本未発売モデルです。みょーな名前のモデルですが、その実体は、これまた日本未発売の ThinkPad350系の低価格バージョンのようです。
日本国内では滅多にお目にかかれないマイナーなモデルです。
ThinkPad350をベースにした低価格モデルという位置付けですが、基本的には全く同一モデルというのが実情のようです。
余談(というか私事)になりますが、今回掲載分より新居(^^)/での撮影となりました。
実家に比べると収納(というか保管(^^;)スペースは余裕たっぷりですが、小遣いに余裕が無くなってしまったので、収集ペースは超スローになりそうです。
キーボード面全景。
トラックポイントのボタンは小さめで違和感がありますが、操作性はまずまずです。
キーストロークはやや浅い感じで、日本で設計されたモデルとはかなり印象が違います。
パネルを閉じた状態です。
ThinkPad510Csとよく似た雰囲気ですね。
IBMのエンブレムが左側にある点に注目。
(殆どの機種は右側についており、左側に付いているモデルは少ないです)
エンブレムの表記は「PS/NOTE 425」となっています。
IBMの文字の色から気がつく方もいらっしゃるかと思いますが、本機はモノクロSTN液晶モデルで、カラー液晶モデルとして425Cという物も存在するようです。
BIOSセットアップ画面の一部です。
CPUは486SL(25MHz)、ビデオチップはCT65530(512KB)となっているのが判ります。
ハードディスクは換装した状態となっていまして、本機のオリジナルのドライブは80MB(!!)となっています。
インジケータ部分です。
右側には電源(正確にはサスペンド)スイッチと、天面にネームプレート貼付用のくぼみがあります。
ご覧のとおり筐体表面はザラザラになっています。
本体右側面の状態。
前面寄りから、フロッピードライブ(当然ながら2モード)、モデムジャックが配置されています。
ちなみに反対面には何もありません。
フロッピードライブは、ディスケットの取り出しがし易いように、ドライブベゼルにあわせて筐体にも凹みがついています。
背面の状態です。
開閉式のコネクタカバーが中央にあり、その左側には PS/2ポート、右には電源ジャックがあります。
電源入力はDC15Vで、DC側プラグは中央のピンの径が太く、互換性が低いです。
電圧仕様から
701C用が近いのですが、プラグが合わないです。
プラグの径からは
730TEのものがはまりますが、電圧仕様が違っていて使えなかったと思います。
背面のコネクタ部分。
上段左からシリアルポート、中央にリセット、右に主電源スイッチ、下段左からパラレルポート、CRTコネクタが配置されています。
ThinkPad350Cでは、電源ジャックの下辺りに
PCカードスロットがありますが、本機ではコストダウンのためか省略されています。
このため、拡張性は極めて限定されたものとなっています。
底面です。
中央やや右寄り手前がバッテリーパック格納部カバー、左後寄りがメモリー及びモデムスロット部のカバーです。
特に工具は無くても開閉ができます。
バッテリーパック格納部。
入手した本機ではバッテリーパックがありませんでした。
(添付されていたものが廃棄されたのか、元々添付していないのかは不明)
ご覧のように、モデル番号とシリアル番号の表示は、このバッテリーパック格納部を覗き見ないと確認できません。
メモリースロットとモデムスロットの状態。
メモリーソケットは72pSIMMタイプで、本機では確認していませんが、同系の ThinkPad350Cで汎用の32MB(FP/NP)の認識・稼動実績があります。
(この画像で装着されているのは8MB-SIMMです)
取り外したモデムカードです。
このモデムカードには
IBMのパーツ番号とおぼしきコードが振られていないことから、サードパーティー製パーツの可能性があります。
(低価格モデルなので、そもそもモデムは標準搭載していないのでは?と推測しています)
スペックはデータ 2400bps/Fax9600bpsのようです。
修理とHDD交換の為に解体した際に撮影した画像です。
HDDはオリジナルの Maxter製80MBを搭載した状態です。
上部筐体の状況。
ヒンジの基部が壊れてしまっている、いわゆる「首折れ」状態でしたので、この後、エポキシパテで補修しました。
本機は非常にサービスマン泣かせな作りで、筐体上部を取り外すには液晶パネルまでバラさないとできないというややこしい構造になっています。
CPU部分のクローズアップ。
搭載 CPUは先にも述べましたが 486SL-25MHzで、CPUの換装によりアップグレードは事実上無理です。
メモリはオンボードで
4MBとなっていますが、よく見ると空きランドがあることが判ります。
ひょっとすると
8MBモデルや、部品調達上、小容量D-RAMにでも対応できる様に設計されているのでしょうか?
CPU Intel486SL-25MHz
RAM 4MB Max.36MB(公式には20MB)
HDD 80MB(他にもいくつかの容量のモデルがあった模様)
LCD 9.5"モノクロSTN
VGA C&T 65530 V-RAM512KB
こんなモデルを持っている人は殆ど居ないと思いますが、簡単にまとめますと・・・
- 首折れが発生しやすいので、早めに修復すると良いです。
修復時には、ヒンジの位置ぎめを正確かつ慎重に。
(私はここで手を抜いたので、組み立てに大変苦労しました)- メモリは汎用のSIMMでいけると思いますが、バックアップバッテリーの格納位置と干渉しやすいので、背の低いSIMMであることが必須条件です。
なお、CPUの仕様上、16MB以上に増設できます。- HDDは E-IDE未対応と思われます。内ネジで17mm以下のドライブが組み込みできます。
- 入手時に電源の有無を確認しておきましょう。
私は引越しの際に紛失してしまいましたが、ThinkPad350Cの電源を共用しています。- 解体が非常に面倒で、首折れ状態だと更に厄介なので、米国IBMのサイトでメンテナンスマニュアルをダウンロードしておきましょう。
基本的な仕様や注意点は、ThinkPad350と同一です。
(2000/03/05 記)