「Keisuke Hara - [Diary]」
2005/12版 その3


2005/12/21 (水)

Warped Passages (日常, science, books)

今朝は「プログラミング演習」。 引き続き、ラマヌジャンのタクシーナンバー問題。 学生の間にかなりの実力差があるので、 いつも課題の設定に困る。 今回も、i と j の三乗の和を次々出力するだけの5行ほどのプログラムだけ書いて、

% ./a.out | sort -g | uniq -d | less
なんてのを提出されても、A+ をつけるべきか、D にすべきか悩ましいので、 一応クギをさしておく。 生協食堂で昼食をとり、 続いて午後は「情報理論」。

amazon から届いていた本。 "Warped Passages"(Lisa Randall). 話題の天才理論物理学者、 リサ・ランドール が書いた、理論物理学、特に余剰次元超弦理論の一般読者向け解説書。 日本でも優れた女性の科学者は沢山いると思うけど、 こんな風にスター化されないのは、良いことでもあるような、 良くないことでもあるような。 もう一冊、"Freakonomics" (S.D.Levitt-S.J.Dubner). さらに、生協で買った本。 「偶然を飼いならす」(イアン・ハッキング著/石原英樹・重田園江訳/木鐸社刊)。



2005/12/22 (木)

吹雪 (日常)

京大での確率論シンポジウムの最終日に朝一番から参加… のつもりで早起きして雪の散らつく中バスに乗ったが、 その内にどんどん雪が激しくなり、 道路はあっと言う間に厚い雪に覆われ、 窓の外は横なぐりの吹雪。 雪まみれになって、 一つ目の講演に20分遅刻して時計台記念館の会場に到着。 最終日である以上に、この雪のせいであろう、 参加者はかなり減っていた。 昼食は百万遍の近所の格安定食屋「ハイライト」で餃子鍋。 午後の最後の二つの講演を聴いて、 バスで帰宅。 今週の疲れのためか、寝床に倒れ込むと二時間ほど寝てしまった。 夕食は近所のバーで。 京都の雪は、夜には大体おさまった模様。

(今年は珍しく明日の祝日が本当に休みで)明日から大学は冬休み。 リトルウッド先生のアドバイスに従って、 私も明日からきっかり二週間、完全に仕事と数学から離れる予定。 読書とチェロの練習で暮らすかな。



2005/12/23 (金)

一冊目、「偶然に騙されて」 (日常, books)

今日は昨日ほどではないが、 冷たいことには変わりなし。 窓から見える屋根屋根には白い雪が積もっている。 昼まで寝床で読書。 最近の日常のあわただしさに読みさしてあったり、 積ん読してあった本を消化の計画。 一つめは "Fooled by Randomness" (N.N.Taleb). 洋書はどうしても読むのが遅くなるのが困る。 流石に午後は寝床から出たものの、することは読書のみ。


Blogger (info)

このページの移動先を真剣に考える暇もなく、 消滅の期限も近付いてきたので、 あわててBlogger に移動することにしました。 腰掛くらいになるのか、継続するのか様子見です。 今年度一杯はこちらとあちらの両方で同じ内容を更新しながら、 Blogger の試験運用をします。



2005/12/24 (土)

課題図書 (books, 日常)

今朝も寒い。八時起床。 しばらく寝床で読書して、朝食は珈琲。 食事を作るのもしばらくお休みで、 今日も近所の手駒を使い昼夜ともに外食で済ませる。 クリスマスイヴとは言え、 NORAD のサンタ追跡を観るくらいしかすることがないので、 読書がどんどん進む。

"Fooled by Randomness" (N.N. Taleb)、読了。 普通に書けば 4分の1くらいに圧縮できそうだし、 その内容もほとんど既に知っていることではあった。 しかし、残りの4分の3の冗長さが面白かったし、 既に知っていたこととは言え色々なことが、 自分とは違う個性の中にまとまって存在しているのは興味深いことである。 とても頭のいい友人と雑談しているような感じの読後感。 これを読むと、偶然とうまくつきあって、 市場と人生において少しだけ、 賢く生きられるようになるかも知れない。 あとの課題図書は画像のような感じ (画像は 引越先 でだけ御覧になれます)。 木箱は近所のワイン屋さんでもらったもの。



2005/12/25 (日)

第二、第三冊 (books, info)

第二、第三冊目。 「風々院風々風々居士」(山田風太郎、森まゆみ(聞き手)/ちくま文庫)、 "Freakonomics -- A rogue economist explores the hidden side of everything" (S.D. Levitt-S.J. Dubnerl).

そろそろ、引越先の こちら にブックマークなどを移動していただけましたでしょうか。 RSS リーダをご利用の方は、 引越先右の LINKS の Site Feed (atom.xml) をどうぞ。

明日の更新はお休みします。



2005/12/26 (月)


2005/12/27 (火)

鴎外の二番目の奥さん (books, 日常)

「風々院風々風々居士」(山田風太郎/聞き手森まゆみ/ちくま文庫)、読了。 話したままを書いていてほとんど編集していないのか、 山田風太郎がいかにも老人らしく同じことを何回も話しているのがおかしい。 「鴎外の二番目の奥さんが綺麗だった」など、5回くらい話してるんじゃないか。

メインマシンのノート PC がどうもお亡くなりになったようだ。 しかし、バックアップ教を布教しているくらいの私である。 週一以上の間隔で保存しているバックアップから、 以前に使っていた予備のノート PC に復元し、 ほとんど元の状態にすぐに戻せた。こんなときのために、 古いノートPCの方はほとんど同じ環境をそのままにおいてあったのだ。 惜しいのは、壊れたタイミングが最悪で、 メイラの最新バックアップが一週間前だったことだ。 これ以上頻繁だと作業が危険の起こる確率と被害に見合わないし、 しかしメイラが壊れると大変だし、このバランスが悩ましい。

最近、どれくらい邪悪なのかと思って、噂の Gmail を秘かに試用している。 確かに邪悪だ。しかし、とても良く出来ている。



2005/12/28 (水)

「ブックガイド〈数学〉を読む」(岩波書店)が増刷決定、との報せ。 十分の一しか参加してないけど、やはり嬉しい。

"Freakonomics" 読了。 なかなか面白かったが、 経済学の勉強になったような、ならなかったような。

今日が仕事納めの忘年会だそうで閑そうにしている執事と、 先月分の執事給与の端数を賭けてチェス。 30分のギロチン。白番、ルイ・ロペス(シュタイニッツ防御)。 また時間切れで負け。 色々模索しているものの、どうしてもギロチンの指し方が分からない。 もう勝てる気がしなくなってきた。


2005/12/29 (木)

第四冊、第五冊目 (books, 日常)

第四冊目、「天の声・枯草熱」(スタニスワフ・レム著/沼野・深見・吉上訳/国書刊行会)。 第五冊目、「哲学ファンタジー」(レイモンド・スマリヤン著/高橋昌一郎訳/丸善)。 以上、二冊を読書。 特に事もなしの年の瀬。 夕方、近所のワイン屋に年末年始用の買出しに行く。


親の影響 (books, thoughts)

"Freakonomics" は、 ミクロ経済学と言うよりむしろ計量社会学とでも言う感じで、 そのある種のえげつなさが興味深かった。 例えば、親は子供に何が出来るか、どれだけの影響を与えられるか、 という統計的な研究、とか。 膨大なデータによる回帰分析によれば、 概ね、親の子供に対する影響は子供に接する前に決まってしまっているそうだ。 例えば、 家に沢山の書籍があることは子供の学校の成績と大きな相関があるが、 親が子供に本を読んであげたり、 さらには美術館に連れていったり、TV やゲームを禁止したり、 と言ったことは、 子供の成績にほとんど影響を与えない。 つまり、家に沢山の書籍がある親は、そもそも、 より高い知能を持ち、より豊かで、 より高い教育を受けている可能性が高い。 そしてそれが正の相関の原因なのだ、と。 親が子供に何をしてあげるか、ではなく、 親が既に何であるか、が子供に対する影響のほとんどだ、 と言う結論は、 誰もが心の底ではそう思っていながら、 真正面から言わないことになっているタイプの事実である。 そういうことをあらためてきっちり示されると、 スリリングであると同時にちょっと嫌な気持ちにもなる。 もちろん、この著者はさりげなく、 この嫌な気持ちを救う心遣いも見せている。 この本は今、翻訳されるとすごく売れそう。



2005/12/30 (金)

予言 (日常)

東京で働いている T 君が大阪に帰省していると言うので、 一緒に飲みに行く。 年末らしく、今年の世相を要約し、 来年の世相を色々と予言。 T 君の予言は「谷垣が首相になる」、 私の予言は「サルトルが再流行する」など。

いよいよ明日で shudder サーバはサポート終了、 以降自然消滅。 こちら へのブックマーク等の変更をお願いいたします。



2005/12/31 (土)

大晦日 (日常, books)

ようやく 2005 年も終了。 毎日、Moleskin のダイアリーにつけていた日記を読み返すに、 インプットの一年にしようという計画通りではあったが、 パッシヴどころか苛酷な一年だったようだ。 いやあ、ほんとうに厳しかった。本当です、遊んでたわけじゃありません、 ホント。 さらに特筆すべきこととしては、 イギリスにいたり帰ってきたりしたせいもあるのか、 新しい人々と直接会ってお知り合いになれたことで、 これは人付き合いの悪く出不精でもある私には珍しい。 世の中には才能豊かな面白い人や凄い人が沢山いますねえ…

例年通り、今日の午後実家に帰って、大晦日だけ一泊してくる予定。 往復の車中の読書は、スマリヤン「哲学ファンタジー」の残り、 そして、積ん読を処理するつもりなのにまた昨日新たに購入してしまった、 ポパー「果てしなき探究 ― 知的自伝」(上・下)(森博訳/岩波現代文庫) のつもり。 和歌山の実家は意外と遠いので、もう一冊くらい持っていった方がいいかも。

いよいよ今日までで shudder サーバはサポート終了、 以降自然消滅します。 blogger へのブックマーク等の変更をお願いいたします。 なお、これまでの日記は こちら にバックアップされております。




この日記は、GNSを使用して作成されています。