1999 Jan. 後期 (Arcana 18)

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過去のお言葉

Jan. 21(Thurs.) - 24th(Sun.)

東北大に確率論関係のシンポジウムに行っていました。 仙台は比較的、あたたかかったです。 今回の講演は他人の論文のレビューだったので、 気楽な気持でいどんだのですが、 イントロで激しく質問を受け、結構大変なことになってしまいました。 講演の場でうかつなことを言うのは危険であることを再確認。 他、全体的には内輪の勉強会といった雰囲気が強く、質問も活発で、 なかなか良いシンポジウムだったと思います。 昔、確率論ではこういう勉強会的な性格のシンポを四月に定期的に やっていたと聞きましたが、なかなか良いアイデアだと思います。

土曜に仙台から東京に移動。夜に Web 関係の打ち合わせをして、 東京に一泊。日曜の午後に京都に帰る。 どうも風邪をひきつつあるような、 ちょっと不穏な体調。

Jan. 25th(Mon.)

午後から BKC へ。試験監督を二つと、 夜から不毛な会議三時間。九時半帰宅。

RSA が MPU に熱揺動を用いた真正乱数発生機を組込む案を 提唱しているとか。 Pentium 3 とかに入るのだろうか。 そうだとすると擬似乱数に頭を悩ます必要はなくなるか…

予想通り風邪を引いた。仙台か東京で拾ってきたらしい。

今日の読書。「論語」。 「論語」にはどうも変なところがたくさんある。 「八人の男がいた。だれそれとだれそれと、、、だれそれ」 とだけ書いてあったり、一体何の意味があるのだろう。 「論語」は「公案」のようなものだと思って読んだ方がいいのかも知れない。

Jan. 26th (Tues.)

正午から二時間ほど会議。 来年度の講義のシラバスを書いたり、 レポートの採点をしたり、雑務をこなす。 夕方からまた二時間ほど教授会。

本格的に風邪をひいた。 ふらふらになりながら、帰り道で食材を買って、家に戻る。 身体が温まるかと思い、饂飩を作る。 昆布と鰹ぶしでだしをとって、鶏肉とあげを具にし、 九条葱と七味を多めにふって食べる。 暖房を入れないと寒いし入れると乾燥して咳が出るので、 お湯を沸かすことにして、ついでに鳥ガラからスープストックを作る。 野菜をごろごろと入れて、たまに思い出した時あくを取りながら、 ぐつぐつと煮続ける。暖房しなくても二部屋は暖いし、 空気も乾燥しなくて一挙両得(?)

チェロとコントラバスを混同している人っていますね。 あんな大きいもの持ってどうやって習いに行くんですか? と聞かれたので、色々説明していると向こうがコントラバスと 勘違いしているらしいことに気付いた。 コントラバスは大体等身大の大きさで、立って弾くやつですね。 あ、でも三条通りであれをかついで歩いて行く人を 見たことあるなあ。

Jan. 27th (Wed.)

風邪は悪化。午後から BKC へ。 実験の採点会議。その後、雑務をいくつかこなして帰宅。

ところで、育英会の奨学金ってのがありますね。 奨学金を借りるモデル家計というのがあって、 それによると何とサラリーマン家庭のモデルの収入は、 (つまりこれ以上だと奨学金を与えないという線引きは、) 年収 1000万円 を軽く越えることが想定されている、 ということを最近初めて知った。 年収 1000 万以上もある家計で何故一月たかだか数万円の 奨学金が必要なのか、疑問に思った。 このモデル家計の年収の引き上げが「良いこと」だと評価されている らしく、次の改正では 1300 万円くらいになるらしい。 無利子とは言え、返す必要のある奨学金だし、 それだけたくさんの人に機会があるということだから、 目鯨を立てるほどのことではないのかもしれないが、 なんだかちょっと驚いたので。

Jan. 28th (Thurs.)

風邪がますます悪化。今日が山か。 熱はあまりないので、そう苦しくはない。 学校に用事もあったのだが、自宅療養する。 ずっと寝ているわけにもいかないので、 東北での講演の報告を作ったり、翻訳原稿のチェックをしたり。

Jan. 29th (Fri.)

昨日で峠を越したのか、風邪がかなりおさまってきた。 ずっと家に込もっているのもかえって良くないかと思って、 三条の Cafe Riddle へ行く。 パイナップルを使った熱いデザートをいただく。 風邪に効きそうなお菓子で美味。 しばらく Whittaker-Watson の解析の教科書をぺらぺらと読んだりして、 暇をつぶして帰る。

京都は夜から雪。 底冷えのする京都の夜に雪が降る。

Jan. 30th (Sat.)

引き続き自宅静養。 ずっと自宅で本を読んだり、 チェロを弾いたり。

森先生の「地球儀のスライス」を読む。
森先生らしいテイスト(綺麗な感情、とかね)への好みと、 いつものキャラクタが出てくる楽しみを抜きにすれば、 残念ながら平凡な短篇集では。僕としてはあまりお勧めしないです。 ただ「石塔の屋根飾り」だけは 黒後家蜘蛛の会に出ていても不思議はないくらいの 出来だと思います。 ただし、これは森先生の創作ではなくて実話だそうですから、 評価するわけにはいかないかも。

また、これは個人的な問題だが、僕は自分のことを「僕」と 呼ぶ女の子が苦手なので、「気さくなお人形、19歳」 は辛くてなかなか読了できなかった。 そういえば、 かつて自分を「僕」という女の子がかなりいた時期があった。 十五年から二十年くらい前だろうか。 その後、すっかり下火になったものと思っていたのだが、 最近また時折出会いますね。

ところで、 このモデルであろう、高坂れんむ嬢もピンクハウス着て、 小林寺拳法するんでしょうか(笑)

Jan. 31th (Sun.)

まだ風邪はだらだらと残っているような怪しい体調。

ずっと家で翻訳のチェックをしたり、 本を読んだりして静養していた。 次の日曜から始まる入試採点の嵐の前の静けさ、か…

全く数学者相手への質問ですが、 原点出発の拡散過程の単位球面への Hitting Distribution が、 球面上の一様分布に対して絶対連続であることの 必要十分条件って何ですか? 非常に基本的な問題だと思うのだが、 何人かの確率論研究者に尋ねてみても解答は得られなかった。 調和解析の方面のテクニックで簡単にわかるのかもしれないが、 確率論の言葉使いではかなり扱い難い問題なのかもしれない、 というのが僕の直感です。

肉体的に弱っているせいか、精神的にも少し状態が良くない。 東北で講演が思うようにいかなかったせいもあるかな。


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