1999 July. 前期 (Arcana 18)

「秘法十八」に戻る トップページに戻る
過去のお言葉

July 21th (Wed.)

君が代を国家として歌ってもいいし、 日の丸を飾りたければ飾ってもいいが、 そもそも職務ですらないことを、 「そうしなさい。そうしなければ駄目です。 そうしないとクビにします」 って命令されたら、温厚な僕だってきっと断わるんじゃないかなあ。 でも、本当にそう言われたら、 基本的に軟弱な憶病者の僕だから、 「もちろんやらせていただきますとも」と即答するんだろうか。

午後から大学へ。 確率論ゼミで学生の院試対策のため阪大の問題などを解く。 代数などが出たら問題の意味さえ分からない所だが、 ほとんど解析の問題なので、かなり易しい(少なくとも僕にとっては)。 今受ければ阪大基礎工、受かりそうだな (面接で落とされたりして(笑))。 学生の M 君もまあまあ解けていたので、一安心。 その後、暗号ゼミ。公開鍵から秘密鍵を見つけるオラクルがあれば、 それを使って素因数分解が出来ると言う確率的アルゴリズムの 成功確率の評価の話。

July 22th (Thurs.)

無理矢理に朝早く起きて、BKC へ。学生委員の業務で、 定期試験で何かトラブルがあった時のための待機。 朝九時半から夕方六時まで。 トラブルというのは具体的に言うと、 すなわちカンニング行為発覚である。

夕方から教授会。 やっぱり一年間は無理だった。 というわけで、来年四月から半年間の外留の権利を得た。 行き先はまずはイギリスの Warwick あたりから、かけあってみよう。

JPCA Email Open。運良く二勝目をあげた。 かなり危なかったのだが、こちらがメイト寸前で気が緩んだのか、 クイーン・ハントにひっかかってくれた。 さらにクイーンを捨てて頑張る手があったと思うが、 投げっぷりの良い人らしく投了してくれた。 ビリから二番のレイティングにしては頑張ってるな、私。

July 23th (Fri.)

午前は膳所でチェロのレッスン。 ようやく課題曲を与えてもらって、感涙。 ちなみにスメタナの「モルダウ」をチェロのソロに編曲したもの。 なかなかいい曲だが、重音(二本の弦を一度に弾く)の連発が難しい。

午後から大学へ。秘密会議の後、 「確率・統計」の400枚近い答案を採点。受講者ってこんなにいたのか…

最近、素麺が主食になりつつある。 暑くて温かい御飯を食べる気にならないのと、 素麺を茹でるのがあまりに手軽なので、 ついつい食べてしまう。 素麺、豆腐、納豆と妙にヘルシーなものばかり食べている今日この頃。

July 24th (Sat.)

これから二週間のハードスケジュールに備えて、 今日はゆっくりと休むことにする。 自宅でチェロを弾いたり、本を読んだり、ぼーっとしていた。 明日、大学に休日出勤して色々と準備を整えて、 26日(月)から 29日(木)までは九州大学でサマーセミナーに参加、 30日(金)から1日(日)まで東京に滞在して某A社などで仕事、 3日(火)から7日(土)までは確率論ヤングサマーセミナーの幹事。 というわけで、次回更新は再来週8日(日)になります。 おそらく、色々ネタを仕込んでくると思うので乞う御期待。

三田の I 大先生が Warwick の E 教授に連絡を取ってくれ、 大歓迎であるとの返事をもらった。 T 師匠と一緒に書いた論文などで僕のことを知っていてくれたようだ。 というわけで、来年四月からの滞在先はイギリスの Warwick Mathematics Institute になりました。

July 25th (Sun.)

午後から大学に行き、雑務を色々と片付ける。

通勤中に らじ君お勧めの「ダーシェンカ」(チャペック)を読む。 ほのぼのとして幸福な気持になれるいい本でした。 人に教えてもらった本がいい本だと何だか嬉しいものです。

こういう本はできれば文庫でなく綺麗な本で所有しておきたいなあ、 と昔の本フェチの虫が騒いだりもする。 しかし、一方では膨大に本を所有しているのは、 「とても恥ずかしいことだ」という気持ちもあって、 何かきっかけがあると、ほとんど全部処分してしまおうか、 と思うのだが、なかなかそうはうまく行かない。 その最大の理由は、いい図書館が近所にない、 (というより、日本のどこにもない)ということなんじゃないかな、と思う。 いい図書館さえあれば、 多分自分が持っている本は全部処分してもいい。 家には小さな本棚一つに、限られた蔵書が100冊もあれば十分だ。 そういうのも愛書家と同じくらい、いやらしいとわかってはいるんだけど。

では次回更新は再来週の日曜日8日です。またの御贔屓を。

はっ。 ひょっとして、自分の蔵書を全部、近所の図書館に寄付すればいいのか! (すごいひらめき)

July 26th (Mon.)- July 31th(Sat.)

26日(月)から29日(木)まで九大でのサマースクールに参加。 個人的には大変に勉強になった。 しかし、おそらくスクールの対象であるはずの大学院生などは まったくちんぷんかんぷんだったのではないか、と思う。 また、懇親会で京大を退官された W 先生が珍しく饒舌に 研究の動機などを話されていたのが印象的だった。 夜の部では予想通り、 一日の休みもなく毎夜飲んでいた。博多は何でも美味しいし安い。 何日目かに九大の近所の屋台で飲んでいたら、 取材と称して撮影などされてしまったが、 ひょっとすると「花山」という店名でサーチすると、 どっかに泥酔した数学者達の写真が出てるかも。

30日(金)から1日(日)までは東京に滞在。 某A社でちょっとだけ仕事など。


冒頭へ戻る
「秘法十八」に戻る