1999 June. 中期 (Arcana 18)

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過去のお言葉

June 14(Mon.)

出張の疲れでよく眠った。出張中の習慣で目が覚めたのは朝早く、 午前中は一週間ぶりにチェロを弾いたり。

午後は一週間のうちにたまった仕事をあれこれ。 なんだか滅茶苦茶に雑務があるなあ。 夜から某A社の仕事など。

非常に多忙なので、 しばらく日記の内容はその日の出来事メモ程度になると思います。

June 15(Tues.) - 16th(Wed.)

15日(火曜)。午後から講義。フーリエ変換の話。 その後、夕方まで秘密会議で、 さらに数学科の A さんとサマーセミナーの打ち合わせなど。 夜から朝方までまた仕事。

16日(水曜)。昼頃、大学へ。昼休憩の間に学生との面接が入っていたのだが、 当該学生は現れず。 暗号のゼミの後、確率論のゼミ。 確率論のゼミは四年生の M 君と二人でやっているのだが、 最近 M 君はクーポンコレクター問題にこりはじめ、 来週はその漸近問題についての最近の論文を読んでくれるそうだ。

クーポンコレクター問題とは。
あるお菓子は中におまけの野球選手のカードが一枚入っている。 このカードは全部で n 種類あることがわかっているのだが、 お菓子を買って中身を開けるまでどのカードかわからない。 そこで問題。この n 種類のカードを全部集めるには、 どれくらいお菓子を買わねばならないだろうか? 例えば、その期待値はどれくらいか、といった問題。 誰もが一度は子供時代に経験のある問題だが、 案外深い数学的内容を持っている。

June 17th(Thurs.)

午後から大学へ。今日は梅雨なのに何故か久しぶりの雨。 研究室でずっと仕事。 夜は某プロジェクトのミーティング。 帰宅8時半頃。

ちょっと前くらいのこと、 チェロの先生に良いチェロと弓の出物があったら教えてくれ、 と言ってあったのだが、 昨夜電話で日本人作家のチェロを試奏にこないかと連絡があり、 明後日の土曜の朝に行くことにする。 しかし、お値段は、うーむと唸ってしまうような値段。 というのも、確かに高いが無理をすれば (相当無理をすれば、ぎりぎり)買えなくもない、 という微妙な所をついてくる値段なのである。

買ってしまうと、 今年はもう清貧を絵に書いたような生活になるだろう。 弾いてみて惚れこむようなことがありませんように。

June 18th(Fri.)

午後から大学へ。 朝まで起きていたので、ちょっとふらふら。 「確率・統計」の講義。 正規分布の二乗の和がカイ二乗分布にしたがうことの証明を 二通りでやって、推定理論の入門にはいった所で次回に続く。

その後、学系会議と人事会議。

多忙のため、今日もやったことのメモのみ。

June 19th(Sat.)

午前は膳所のチェロの先生の所に、チェロと弓を試奏に行く。 日本人の作家が作ったという新作のチェロは、 明るい色をした非常に綺麗なもので、音も音量、音色、響きとも全然違う。 弓はどれでもあまり変わらないかと思っていたのだが、 それぞれ試奏してみると、フランス人が作った柔らかい音の出る弓と、 日本人が作ったもっと芯のあるシャープな感じの音がする弓の違いが、 素人にもはっきりと分かってちょっと驚いた。 結局、先生に楽器屋に電話してもらって、 チェロと弓三本を自宅に一週間持って帰らせてもらうことにする。 一週間、じっくり弾いてみて、どうしてもこれと思ったら買おう、 とのココロだが、 あまりに今までのものと違うので弾いている内に元に戻れなくなるのは必至か。 うーん、こまった…

午後から BKC へ。 カルフォルニア大学の肥田先生の「フェルマーの最終定理と志村・谷山予想」 の一般講演を聞くため。 肥田先生はワイルスのフェルマーの最終定理解決でも重要な働きをした 肥田理論で有名な数学者。 非常に面白くて、興味深い話だった。 たった三時間ほどでなんとなくワイルスの証明の流れが分かったような 気にさせてくれるところが流石。

夜は肥田先生の講演を聞きに久しぶりに BKC にいらした I 大先生と、 数学科の A 氏、K 氏とともに山科で飲んで帰宅。

June 20th(Sun.)

昨日飲んで早く寝たせいか、朝6時に目が覚めてしまった。 酒を飲み過ぎて寝ると、朝早く爽快に目が覚めるという現象は、 私だけのものですか?

午前中は期末試験の問題を作成し、午後はチェロを試奏する。 一つ気がついたのは、新作の楽器はやはりなんだか弾き難いということ。 まだ楽器が音を出すということを知らないといった印象。


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