名前を考え始めたのは、比較的早かったと思う。去年の冬(妊娠5ヶ月)頃から二人であれこれ話し始めて、Tackyが字画に関する本を買ってきた。
男の子ならば、卯之助(Tacky)、朔太郎(僕)、女の子ならば、音々(僕)がいいかな、なんて言いながらあれこれ考えていた。 そのうち、男の子ならばTacky案、女の子ならば僕の案を採用しよう、ということで双方の合意ができた。 しかし、「音々(おとね)」については字画上あまり良くなくTackyの賛同も得られなかったので、「音」を使った名前をいろいろ考えようとしていた。 その頃、我が家のCDプレイヤーでは、Lauryn Hillのアルバムがよくかかっていた。この中に、彼女の息子に捧げられた曲"To Zion"というのがあって、「ザイオンっていうのも、なかなかいいな」と思ったことを覚えている。 でも、漢字で「在音」じゃあんまりだし、ジオンじゃガンダム(?)だし、シオンじゃハスキー・ボイスのミュージシャンだし・・・。 で、イオン(ION)はどうだろう?と、ふと思ったときに、もう僕の頭には「○音」の○に何を入れるか、ということだけに焦点がしぼられていた。 ●"音"の字を使う
その頃、いろいろ書き出してみた名前には、こんなものがあった。 琴音、以音、依音、唯音、詩音・・・。 そして、字画も悪くなく形の収まりも良く、意味も"Sound Junky"(?)「音楽依存症」という、ささやかな親の期待を込めて「依音(イオン)」と命名することになったわけだ。1999年2月3日。節分。妊娠6ヶ月。この日の朝に名前が決まり、なんだかとてもスッキリしたのを覚えている。 それ以降、お腹の中の赤ちゃんの性別はわからなかったけれど、依音という名前だけは決っていて、二人ともお腹に向かって(出産の瞬間まで)「依音」「依音ちゃん」と呼んでいたのである。 依音誕生後の最近「"依音"って、どういう由来でつけたの?」と聞かれることがたまにあるのだが、「Lauryn
Hillって知っている?」というところから話を始めなければいけないのは、ちょっとツライ場合もあるので、即座に「"Sound
Junky"ってこと」と言うと、怪訝そうな顔をされることもある。
里の母親は、最初「イオンちゃん」となかなか言えなくて「イヨちゃん」になっていた。
某芸能人カップルの赤ちゃんが紙音(シオン)という名前だ、と聞いたのは、実際に依音が産まれてからだった。 |