シャンティ ディアーナ モクシャ





     バガヴァン シュリ サティア サイババ
      
      タイ タイ タイ タイ タイ タミイ・・・
      あやつり人形の、「こっけいな」芝居をごらん。
      ああ・・・人よ。過去と現在と未来、
      すぎこしかたと、これからの先の長い長い話を聞きなさい。
       
   彼は、始め牢獄のように、暗い母胎の、どろどろのぬかるみに動めいていた。
      彼は、悲鳴をあげてこの世に生まれ出た。しかし・・・。
   周囲には、ほほえむ顔と、さんざめく祝宴があった。
      
      「何という悲劇よ。また生まれてしまった。」
      彼は、それと知って声高く泣きつづける。
   しかし・・・。人々は赤児をあやし、笑わそうとして、笑ってみせる。
      
      彼は、汚物にまみれころげて、日を過ごす。
      
      恥ずかしいとも、露おもわずに、赤児は、立っては転び、転んでは立ち、
      日がないちにちをふざけまわる。
      
   遊び仲間と、飛んだり跳ねたり・・・様々の技や商売を覚え、
      胸厚く、丈高く、たくましく、年ごとにずんずんと、成長する。

   相手を見つけ、愛をささやき。バラ色の虹が、かかる・・・
   聞き慣れぬメロディを口ずさみ・・・。珍しい酒を、がぶ飲みする。
      
      男と女の人形をこしらえたもの、
   幾百万とない人形をこしらえたのも、それはブラフマン。 
      しかし・・・人形は、そうとは知らず、人形遊びを喜んでいる。
   ティム、ティム、ティム、
  
      このマーヤという人形は、聖牛のように、鼻の孔に鈍性の縄がついている。
      肉欲と、怒りはさそりの無知・・・奴隷の背中をぴしり、ぴしりと叩く。
      
      他の人形が、身をふるわせて彼の前に立ち止まると、
      彼は喜んで、ニタニタ笑う。彼は他人に苦しみを与える。
   だが、自分には、これっぽちの苦しみにも、耐えられない。    
      
   彼は、誓い、叫び、手を振り。血ばしった目で苛立ち、いきまく。
   なんともはや、見事な見物よ。怒りの悪魔に乗り移られて・・・      
      
   彼は文字を綴り、書き、がり勉する。なぜそうするのかもわからずに、
      狂気のように、走り回って知識をあつめる。いやおうでも、腹をふくらませる為に。
         
   ああ・・・あなたは、おかしな小さい人形を見たか。
      おなかにやたらと、本を詰め込んで、妬も深い目を向けるのだ。
      学者人形に会う時には。

   彼らは、誇らしく叩いて見せる。なにを。自分の背中を・・・。 
   美とたくましい筋肉と活力を。だが・・・。ひとあしごとに、老いは忍びよる。      
      
      彼の顔には、しわがより、ヨタヨタ歩いて目をしばたく。
   子供達は、叫ぶ。「おいぼれ。まぬけ。」「おいぼれ、まぬけ・・・。」
   彼は、喘ぎ、歯ねけの口を歪める。骨もガタガタだわさ。

   最後の時まで恐れおののく、擦り切れたぼろ布のような身体をして、
   ああ・・・。マネキン人形よ。喘いでも、嘆いても、無駄なこと。
   最後の日は何時か来る。

   ああ・・・鳥よ。羽を震わせて、皮膚と言う鳥籠から巣立っていく。
   からっぽで、硬くなり、うつろで、突っ張って。
   ああ・・・。速く退けてくれよ。ぶくぶくと腐臭がする。

   体は生みの親の五大に帰り。人形の望みは、灰と化す。
   なぜ、泣くのだ愚か者よ。人形の一人が、満員の舞台で倒れたとき。

   叔父さん。いとこ。叔母さん。友達。
   泣き泣き。行列をつくって戸口へ続く。マーヤー人形は、親、兄弟を忘れてしまう。
   神の御名、真実の「救い主」よ。

   ああ・・・人間よ。弱々しい、葦に寄りかかるのはよしなさい。
   くさめでもしようなら、うす皮のボートは、水に染み込み、
   あなたは、川の中で溺れてしまう。

   人形は泣き、眠り、目覚める。
   見えない御手が、糸を引くとき。手は神の御手・・・。影に立つ神の御手。
   しかし、彼は言うのだ。「わたし わたし わたし」と。

   ダルマ、カルマは、赤い糸。強く引いたり。緩めたりする。
   そうとも知らず。人形は、威張って歩く。舞台の上を縦横に。

   人形はこの世を永遠と思っている。愚かな 体ぶった人形よ。ピカリと光った。
   ああ・・・。神が幕を閉じたもう・・・。自慢しても もう、おしまい。

   ああ・・・。人間よ。あなたは、蟻と蛇と鳥の間を歩き回った。
   さあ、有余せず永遠の至福への道を求め見つけなさい。

   幸運のひとよ。いまやっと・・・。
   サイ、クリシュナに逢ったのだ。サイは来たのだ。サイと親しみなさい。
   自分がなにか。なぜか。どうしてか。を知るために、

   小ざかしく、耳ざわりのよい、幾百万のことば。
   「ことば」は、あなたの飢えた胃袋を満たしたか。
   「ことば」を捨て、魂に、「 燈 」をともしなさい。
   束縛から、まぬがれ、走り回りなさい。

   この歌は 人形を歌った歌。
   この歌は、彼を悲しませ、賢くさせる。知っているのだ、私は。
   だが、彼は さあ・・・。サティア サイ ナートの素晴らしい奇蹟を見なさい。
   そして・・・。自分自身を知りなさい。