「これからの環境論」  渡辺 正 goodbetterbest
出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
日本評論社 4-535-048322005/1/201600全1巻

えー、本を推薦すると言いましても、内容とかあらすじを書いてはいけないのです。
ネタばらしはご法度、法的にも道義的にもよろしくありません。そしてなによりも、わざわざこんなホームページに書く意味がないじゃないですか
じゃあ、読書感想文ならいいのか? といえば、そりゃそうでしょうけど、小学生や中学生の夏休みの宿題でもあるまいし、美しい心に感動したとか、作者はなにを言いたいのかなどと書いてもあまり意味がないように思います。
というわけで、私の推薦する本のコーナーでは本を読んでボケ始めた私の頭に浮かんだ妄想を書くことにしている。
なんだそりゃ! よけい意味がないじゃないか!

なんて言われそうだが、それが私の考える付加価値である。
付加価値どころか、マイナスだなんて声が聞こえたが、とりあえず無視して次に進むことにしよう。

hinomaru4.jpg 今、ほとんどの人は自分の子供たちが大人になったとき、あるいは孫たちの時代は地球が滅んでしまうのではないかと心配していると思う。
テレビでもラジオでも新聞でも、そして最先端でもっとも信頼性のあるというかないというかインターネットの世界でも、ガラスの地球を救え、温暖化で南極の氷が溶ける、南洋の小島が沈むと悲観的、破滅的、末期的な話が飛び交っている。
こんなことばかり聞かされていると誰だってもう人間に明日はない、子供たちの時代には強烈な酸性雨が降って建造物は溶解し植物も枯れててしまうだろう、紫外線は人びとをみな皮膚がんにしてしまうだろう、海水面が静かにしかしだんだんと上昇し今に東京湾の埋立地はすべて海面下となり、やがて関東平野も海面下になると思う。
まじめな人だけでなく、競馬やパチンコをしている人も、酒ばかり飲んでいる人もみんなそんな恐怖を感じているに違いない。
いえ、恐怖を忘れるために競馬とかパチンコをしたり、酒を飲んでいるのかもしれない 

ところで私も環境管理にちょっとだけ関わっているんです。
公害防止とか廃棄物処理など本当に泥臭い仕事でして、むずかしい環境についての学問などは・・・ちっとも知りません。
まあ、私の周りについて言えば、環境は良くなっているのでしょうか? 悪化しているのでしょうか?
最近、煙突からの排ガスのデータを改竄していた会社の話が報道されてました。
改竄(かいざん)とは、数字を書き直したりすることをいいます。
改善(かいぜん)とは、ものごとをよくすることを言います。
ついでに言えば、捏造(ねつぞう)とはウソをつくことで、南京虐殺があったとか、従軍慰安婦がいたとか、百人切りがあったと報道することを言います。
そういうマスメディアは報道機関ではなく捏造機関といいます。
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少し前には排水のデータを改竄していた会社が報道されました。
そして廃棄物の不法投棄なんてしょっちゅう報道されてます。
いやあ、これは環境がドンドン悪くなっていることの表れでしょうか?
でもね、
東京オリンピックつまり1964年頃はどこの町にも煙突がたくさん立ち並び、黒い煙、色のついた煙をもくもくと吐き出していました。
煙突の多い街が発展している証拠と言われたくらいです。
排水で川の魚が死ぬだけでなく、川の水の色が変わり臭いがしたりとそれはけっこうすごかったですよ。
もし今の人がそのような公害というものがどんなものか見たいというのなら、中国に行くとたくさん見られます。空気も悪臭があり咳き込んだりします。
中国の七色の川というのが良くインターネットに載っていますが、すごいですね。
空にかかる虹ではなく、地上で七色の水が見られるなんてシアワセ
廃棄物の話をしましょう。今から40年といわずほんの20年前だって廃棄物なんていたるところに捨ててありました。
packer.gif 不法投棄ってのはそんへんに廃棄物を捨てるのが法律で禁止されたから不法投棄なんであって、法律で禁止されてなければ不法投棄ではありません。
歴史のある工場ならどこでも敷地内に廃棄物を埋めていたはずです。だってそれは合法だったから
自分の所有の土地に埋めるならまだ許せます。そんなもんではありませんでした。雑木林とか道路沿いの土手の下、高架線路とか道路の下、駐車場、朝起きたら自宅の庭に壊れたテレビや冷蔵庫が捨ててあったなんてことがざらにあったのです。
畑に行ったら、誰かが古い畳を何十枚も捨ててあった、田んぼにバイクが捨ててあった、まったくはらわたが煮えくり返ります。
法律も整備されて、監視も厳しくなり、そういったとんでもないことはだんだん少なくなりました。
マニフェストなんて交付するのが決められたのは1997年のこと、それまでは廃棄物のルートも量も把握できてなかったのです。
最近、土壌汚染対策法なんてのができましたし、どこそこで地下水汚染が見つかった!井戸水にシスナントカカントカが含まれているぞ!などと報道されることもあります。
コワイデスネ〜
でもそれらは間違いなく昨日今日の汚染ではありません。
土壌汚染とか地下水汚染というのは環境基準が決められたから、それ以上を汚染というのであって基準がなければ汚染はない。
みなさん地下水汚染なんていうと工場が悪い、へんな仕事をしていたのだろうとお思いでしょう。でも市街地の汚染の多くはクリーニング屋ですよ。ドライクリーニングで使う溶剤がその根源です。
でもじゃあクリーニング屋が悪いのか!といえば、またそうともいえません。フロンだ有機塩素系だとか猫の目の行政指導によってクリーニング屋さんも大変だったのですよ。
誰が悪いか悪くないかはともかく、土壌汚染も地下水汚染もほとんどが20年以上前のものであり、それが今問題になったと言うことに過ぎません。
PCB
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なにしろ、日本というのは先送りという手法が大好きな国で、私が成人した頃に大問題であったPCBには何も手を打たず、延々と30年間ただ所有者の善意に期待して保管し続けていたのです。
とんでもないことです。
でも行政、国を責めてはいけません。
悪いのは国民です。
PCBを早期に処理しようとすると、処理工場ハンターイ、焼却しようとするとダメダーと国民はわがままなのです。
結局、子孫とまではいえませんが、子供の代にしわ寄せしただけという感じです。
悪いのはあなた!
そういやあ、最近アスベストの話題で持ちきりです。静かなる時限爆弾なんて優雅というか風流な表現をされています。
いったいアスベストって今になって危険性が分かったんでしょうか? なことありません。
私が高校生のときのアルバイトっていいますと車の修理屋です。私が難しいことができるはずがありません。仕事は分解したエンジンを洗ったり、ライニングの交換でした。
ライニングて分かりますか? 当時はドラムブレーキで、これはタイヤと一緒に回っているブレーキドラムの内側にブレーキシューを油圧で押し付けて摩擦で車を停めるのです。ブレーキシューにライニングが真鍮のリベットとか接着で固定されていました。ブレーキをかけるたびにライニングはドラムに押し付けられ摩擦で減り、車検のときに張り替えるというのが普通だったのです。
このライニングがアスベストだったんですよね。減ったアスベストはどうなるのでしょうか? もちろん粉となり大気中に飛び散り、そして道路沿いの人々の鼻と口から体に入ったわけです。たぶん交換作業をしていたオバQ少年の体にも入ったことでしょう。
1970年頃にその危険性がわかり、アスベストのブレーキは別の材質に替えられました。そのようにアスベストが危険だよなんてことはもう40年も前から分かっていたわけで、今更騒ぐのはなぜなんでしょう?
そのときに使用が禁止された用途もありましたが、使用が禁止されなかった用途もありました。なぜ使用を禁止しなかった製品分野があったのでしょうか? それは行政と業界の責任ですよ。でも、アスベストが危険だと報道されて、じゃあどうするんだと突き詰めなかった国民とジャーナリズムの責任はどうなるんでしょうか?
日本人は物忘れが激しいのでしょうか?
そしてまた誰かが危ないよ!と言い出すまで、40年間ずっとボケてたんですよね 

話がとりとめがありません。
とにかく1960年頃高度成長期から90年頃までは公害だ、廃棄物だ、地下水汚染だと大変だったのです。
そういうものがだんだんと規制され、処理方法が確立されて、空気もきれい、水もきれい、土壌はもう汚さない、更には昔からの負の遺産であるPCBの処理や土壌をきれいにしようという時代になったのです。

私のような視野の狭い人間が見て、環境は良くなってきたようです。
この本は地球環境という規模で見ても環境は良くなってきたよと語っています。
ダイオキシンなんて騙りもありました。
語る(かたる)とは話して聞かせること
騙る(かたる)とはウソをいうこと
環境ホルモンなんてうそ800もありました。
この本は本当に地球は悪くなっているのかい?と問いかけています。

kyuuri.gif ところでこの本で気付いたことをニ・三
有機栽培の野菜は通常の農薬を使った野菜より生物由来の植物性自然毒が多いというのは本当なんだろうか?
いえね、有機野菜は健康にいいなんておっしゃる人がたくさんいらっしゃいます。この著者はそんな人たちからけんかを売られたり、もしかしたら暗殺されるのではないかと人ごとながら心配です。

もうひとつ、
 ・環境問題は自虐史観そっくり
 ・教科書は検定に通りやすい本が作られる
 ・ベトナム戦闘反対とダイオキシンの関連性
そんなところに著者のお考えが見えて微笑んでしまいました。


ふっくん様からお便りを頂きました(09.12.19)
こんにちは
来年、土壌汚染の講習会を開いて欲しいと会社に依頼があり、一生懸命資料を作っていて・・・ふと思ったのが、今の土壌汚染調査は本来の目的である土壌汚染による人の健康被害を防止する趣旨ではなく、その指標を土地取引という経済行為の瑕疵を判断する指標として利用しているということです。(健康被害=土地取引???)
土壌調査契機の9割以上が不動産関連である実態からそれは間違いないでしょう。そこに健康被害の判断基準をもってくるのですから、ちょっとした基準オーバーで本来不動産としての役割には問題なくとも過剰な修復措置が取られています。言い換えれば、法に社会を合わせているような感じです。
調査で歯磨きにも使うふっ素が多少オーバーしたら、土壌入換え。でも敷地の水道管に鉛管が使われていても知らん顔・・・
これって何かに似ていませんか?
ふっくん様 まいどありがとうございます。
世の中斜めに見ればすべてお金でございましょう。
お金になりそうだとお菓子にありが群がるようなものでしょうか?
二酸化炭素もお金、環境破壊でも金儲け
あげくにマッチポンプの大学の先生もいるようで・・


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