「宇宙の戦士」ロバート・ハインライン著goodbetter
出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
早川書房1967390全1巻



今の日本で愛国心とか国を守るなどと言うものなら汚らわしい物をみるような目で見られる。オイオイ愛国心を持つことは悪いことなのか?愛国心が悪いとするならそれは普遍的なものなのか?日本においては愛国心は悪であり、共産主義国家において愛国心は善であり、全体主義国家において愛国心は悪であるという理屈はありえるのだろうか?それなら共産主義国家で全体主義国家であるとき愛国心は??
この本ではそんなばかげた論理はない。人は生まれた国を愛し、その国のために尽くすのはきわめて自然なことじゃないのか?
「人間として耐え忍ばれるもっとも崇高な運命は、愛する祖国と戦争の荒廃の間に、その身命を投げ出すことなのだ」(矢野 徹訳)
この小説の中では選挙権は従軍した者にのみ与えられる。今、日本で外国人に地方参政権を与える与えないで論議されているが、参政権をもつということは日本のために尽くすという権利と義務の関係であるはずだ。日本に住んでいる外国の人たちは戦争になったら日本国に対してどういう態度をとるのだろうか?
 
士官学校で教官が問う。「何人の人質がとられたら宣戦布告すべきだろうか?」
候補生の一人が答える。「ひとりでも自国民が拘束されたら宣戦布告に値する。」

  北朝鮮同朋を返せ!にさらわれた人のご家族はこの言葉を聞いたらどう感じるだろうか?日本政府は弱腰を止めてくれ!野党も支離滅裂な論理は止めてくれ!日本国民が心を合わせて北朝鮮同朋を返せ!に圧力をかけ解決を図ろうではないか!

我々は決して拉致された同胞を見捨てないぞ


北朝鮮同朋を返せ!相手に通常の外交はできない。なにせテロ(ラングーン、飛行機爆破)を行い、平和な国からひとさらいをし、偽札(米ドル)をまきちらして混乱を引き起こそうとするなどまともな国家ではない。まさに暴力団的な団体なのだ。我々は断固たる態度で交渉に当たることが必要だ。ヨーロッパの国が国交を結ぼうと関係ない。テロ行為には日本国民が団結し諌めなければならない。甘い顔をするな




「スターシップトゥルーパーズ」
私は「宇宙の戦士」が大好きで、これを映画化した「スターシップトゥルーパーズ」を見たい見たいと思っておりましたが、田舎住まいの故見る機会がありませんでした。
たまたまDVDを見かけたので躊躇なく買いました。
でもっての感想です。

STARSHIP
TROOPERS

不肖、私これまで小説と映画化されたものを比べて映画のほうが良かったとか、感動したという経験はありません。
山本七平氏いうところの中間言語といいましょうか、小説には読者の想像の余地があり、理論的に映像は思念を超えることはできないのでありましょうか?
いや、それだけでなく、この小説の意味する犠牲、献身、義務、正義、友情といったものを映画に表せなかったということでしょうか?
ということはDVDを見て、全然感動しなかったということです。

思うことを書きますと、
  • 強化防護服(パワードスーツ)がない。
    小説では「パワードスーツ」が重要な役を果たしている。
    私は、ガンダムってこの強化防護服というアイデアを具現化したものだと思うんです。
    ガンダムファンの方はいかがお考えでしょうか?
    スターシップトゥルーパーズではこれがない。兵士が着ているのはなんとアフガンでのアメリカ軍兵士の装備より貧弱なものである。
    これじゃあいけません。
    だから敵地への侵入も小型艇であり、宇宙船から直接打ち出されるわけではない。 これじゃあストーリーが変わってしまうだけでなく、それ以降の戦闘もまったく別物だあ〜

  • 戦術、戦略が幼稚である。
    私が考えたって敵の武器(肉体)とこちらの武器を考慮すれば戦闘教義はおのずから到達するところは決まってくる。
    アメリカのように戦闘経験者が多いところでなぜあんな粗末な戦術を取った映画ストーリーが許されるのか疑問です?
    戦車のような支援がないのがおかしいとか武器の考察以前に、斥候を出さないとか、兵士の密集度とか荒唐無稽!
    兵士間の通信機器、サイドアームの有無なんて全然考えてないんだもんね!

    数百光年の宇宙を飛び回る科学技術を有する時代に、薬きょうで打ち出す無誘導弾しか歩兵の小火器がないという設定に納得いきませんね?
    SF通なら光年じゃなくてパーセクだろうなんてまぜっかえさないでね 
    でてくるグレネードランチャもベトナム時代だよ
    憂国のK伍長がこれを見たらなんておっしゃるでしょうか?
    「俺が指揮を執る」と言うのは間違いない。
    だって、素人の私でさえいやになっちゃいますもん・・・

  • 原作は戦闘は重要な要素であるが、その占める割合は少ない。
    一方映画は戦闘場面を除くとほとんど何もない!
    まあ、映画だから仕方がないといえばそれまでですが・・・・・
    原作は一種の青年の成長物語であり、なぜ戦わなくてはならないのか?という悩み、上官の指導・薫陶を称える物語だ。
    士官学校に行くという状況設定さえない。
    これじゃあ別もんだよね
    更には映画に現れる上官は暴虐無人・ちょっと感情移入できませんよ。
    原作者ハインラインはこれを見てどう感じたんでしょうか?

  • 映画の形式も政府の宣伝放送という形式だけど、これもまた疑問と言うか、原作を汚していると思います。
    これって、アメリカのサヨクが反戦映画として作ったんでしょうか?


本日の結論


この映画を見て「だから戦争反対」とか「ハインラインは軍国主義だ!」なんて思う方がいたら、それは勘違いです。
原作を読みましょう。




香港 鈴木様より(2003.02.23)
佐為様 「宇宙の戦士」買われてしまったのですか?可哀想に。金の無駄ですよね。だいたい、原作が長大すぎて映画化に向かない上に、コンセプトがハリウッドには難しすぎたのではありませんか?
(かくいう私も買ってしまって、2度と見てません。)
「宇宙の戦士」がお好きでしたら、アリステア・マクリーン「女王陛下のユリシーズ」をおすすめいたします。涙いたします。


そういったことはぜひ買う前に教えて欲しいものです。
今となっては大枚2500円を嘆くばかり・・・・

  (かくいう私も買ってしまって、2度と見てません。)

よかった、犠牲者が私だけでなくて 
「女王陛下のユリシーズ」は浅学にしてまだ読んでおりません。
私の愛読書はホーンブロワーです。これは帆船時代ですがけっこういけますよ!




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