第15条1項(2002.07.02)
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
通常15条の次に項番なしで記載されますが、これは15条ではありません。
正しくは15条1項です。
なぜ、1項には項番を付けないのでしょうか?
  謎です。
さて、ここでは公務員とひとまとめに言っておりますが、現実には国民が選出できる公務員は限られています。
国民が選定することができるのは、
 国会議員はじめとする各種議員
 地方公共団体の首長(知事、市長、村長など)
 裁判官は最高裁判事の信任投票のみ行うことができます。
と、わずかにこれだけです。

公務員の99%を占めるそのほかの公務員は選定することができません。
村役場の人、市の職員、下級裁判所の判事、自衛隊員、警察官、国立大学の先生、小中学校のセンセイ、消防署員、税務署の怖いオジサン、その他準公務員といわれる郵便局員も選ぶことも解任することもできません。


できることなら罷免したい大学教授、学校のセンセイ、裁判官、市職員、外交官なんていっぱいいるんですが、


憲法違反じゃないか! はっきり言ってこの条文は空手形のようです。
  不渡り手形かもしれません。
  商取引なら明白な詐欺です。
これは大変な憲法違反ではないのでしょうか?


社民党のみなさん、これこそ明確な憲法違反です。
いつものように「憲法違反だ!」と叫びませんか?
なぜ、そう主張しないのですか?


罷免すること、これは更に難しいことです。
リコールという制度はありますが、現実に行うためのハードルは高く、実際は次回選挙で落選させることが関の山です。
公務員を選び解任することは国民固有の権利といいながら、執行することが困難(不可能)のようです。

国民固有の権利とはなんじゃらほい?
本来はあなたの権利だが決して使えないと言われるなら、そんなものは権利じゃありません。
日本国民は子供だからこの権利を後見人が預かっているのでしょうか?


しかし、これに類した条文はたくさん見覚えがあります。
国民の権利でありながら手渡されていない権利がね、

この憲法は観念論と思い込みを材料に、幻想と無責任を調味料として鍋に入れて半日煮込んで出来上がった代物のようです。
それこそ、煮ても焼いても食えそうありません(^^)




本日の結論


現在の日本国民は憲法15条1項の権利を行使することができません。
私たちは、憲法に定める『すべての公務員を選定し、罷免する権利』を要求します。
もし、それができないなら憲法違反です。



ところで、
まったく別な事項ですが、この条項は外国人参政権を認めないということになるのでしょうか?

「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と言う命題の対偶を考えますと、
「国民でなければ公務員を選定し、及びこれを罷免することはできない。」となります。

特に「国民『固有』の」といっているあたり否定する根拠はなさそうです。
さあ、外国人参政権が合憲とおっしゃる方いかがなものでしょうか?

言っときますが私は憲法を改正すればよいと言っているだけです。






Gくん様からお便りを頂きました(06.03.11)
前略、上記評価拝見いたしました。
佐為様は、木っ端役人を含めてすべての公務員を、直接選定し、罷免できなければ、憲法違反だと述べられています。
私は、次のように考えました。
この条文の「公務員」は、”人事権を持つ「公務員」”と解すれば、この憲法の言っている趣旨が通ると思います。そう解すれば間接的ではありますがすべての公務員の地位が国民の意思に基づくことになり、この憲法の条文には違反しないかな、と思いました。
人事権を持つ公務員とは、例えば、首相、各省大臣、大臣(閣僚)で構成する内閣、最高裁判事、地方自治体の首長等これだけあれば、大体の公務員の選定・罷免は、間接的ではありますがコントロールできると思います。

Gくん様、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり確かに自衛隊員や機動隊員、市役所の窓口の職員などを、直接選定し、罷免するということは物理的に難しいですね。
でもね、
検事とか一般の裁判官を選ぶ権利は持たねばならないと思います。
それとも、Gくん様は首相、各省大臣、大臣(閣僚)で構成する内閣、最高裁判事、地方自治体の首長を選ぶだけで十分であると満足されているのでしょうか?
もしそうなら、私とは要求水準が違うと言うだけに過ぎないようです。

日本国憲法の目次にもどる