「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」
立法機関には地方公共団体の議会もあるんじゃないか?というご意見もありましょう。
まあ、立法機関を法律(Act)を作るという意味に限定し、条例(regulation)などではないとしてその疑問はとりあえず置いときましょう。
さて、国会の仕事は立法なのだそうです。
本当に立法のお仕事をしてらっしゃるんでしょうか?
法律は政府が提出するのと、国会議員が提出するものがあります。
政府立法と議員立法です。過去の議員立法の実績を調べてみました。(1986年〜1995年の立法状況)
- 政府立法=内閣提出法案
閣議を経て内閣総理大臣名で国会(衆議院先議が多い。)に提出される。閣法と略称する。
- 議員立法
衆議院議員が衆議院に提出(発議)する。衆法と略称する。
参議院議員が参議院に提出(発議)する。参法と略称する。
なお、委員会提出の法案があり、この場合、委員会の委員長が法律案の提出者となる。委員会提出の法案は概ね提出委員会で各会派が一致すると思われる法案であり、成立した議員立法はこの型が多い。
衆議院 参議院 閣議立法 計提出件数 291本
(21%)101本
(7%)1008本
(72%)1400本
(100%)成立件数 119本
(11%)15本
(1%)953本
(88%)1087本
(100%)成立率 40.9% 14.9% 94.5% 77.6%
大体、法律の一割を議員が提出して、9割は政府が提出しているということですね、 憲法には立法とあるのだから、法律を議決すれば立法の務めを果たしているんじゃないか?という考えもありましょう。
会社で重大な決定は誰が稟議を提出しても決裁者の責任ですから、その決定者が決めたといってもよいですね。
立法もそれと同じく決定することなのでしょうか?
実は、日本国憲法のGHQ原文には「law-making」とあります。
つまり、議決することではなく、作り上げるという意味です。
政府がお膳立てした法律案を「OK」とか「否決」とか言っていれば済む仕事ではないのです。
アメリカでは基本的に議員立法しかありません。
だって、国会議員って法律を作るためにいるんでしょ!
だから法律には提案者の名前を付けて呼ばれることが多いのです。
自分の名前がついた法律が末代まで残ったら議員冥利に尽きるでしょうに!
どうして、日本では議員様が法律案をつくり、議会に提出しないのでしょうか?
あっ、国会議員にそんな能力がないなんていっちゃいけませんよ!
国会議員のみな様、
地方の利権の斡旋、
外国の利益のための奔走、
地元の有力者の子息の仲人、
読むに耐えない自叙伝を書く
屁の役にも立たない被災地の見学
秘書の給料を取り上げて何かに使うとか、
そんなことをする暇があったら、自分が何のために国会議員になったのかよく考えてください。
国会議員とは法律を作るために存在します。
あなたは、自ら志願して立候補して見事当選し、選良と呼ばれる地位に付きました。
おめでとうございます。
さあ、あなたの仕事はこれからです。
日本と日本人の現在と将来の幸せのために立派な法律を提案してください。
あなたの権力はきわめて大きいのです。
冗談にも「就職できた」なんて言ってはいけません。
(社民党原陽子議員の当選の言葉)
本日のご提案
国会議員は法律を作ることが仕事です。
法律を作るとは議会で採決することじゃありません。
自分が起案して、提出することから始まります。
Yosh様から(2002.04.15)
国会議員の仕事は!?
此の頃日本を騒がしていることで感じたことから。
地方で選出された議員はその地方の住民または住民の組織する団体(営利の会社ではない)の権利や利益の確保を主にして働かなければならないのではないでしょうか。そしてその行為が他の地域の住民の権利や利益に差し障りが起きない様に国会という場があるのではないでしょうか。其の議員は彼れの住民の為に働く事であり其の過程で何かの問題があつても何も彼には責任はない(議員である以上は捜査当局から逮捕されることは無いと聞きますのはこの点からであると思いますが)
しかし多くは自己の利益を求めるのに奔走なされている様で今日の様な問題が起きているのでしょう。言い換えれば自己の利益や権利のみで起こした問題の時はこの議員の権利を失うことを明記すれば如何なりますでしょうか。
Yosh様、お便りありがとうございます。
お便りいただいた趣旨とずれるかもしれませんが、私の思う国会議員のあるべき姿を書きたいと思います。
なにせ、ここは私のホームページですから多少の独善、横暴をお許しください。国会議員に限らず、公務員は国民の召使、お客様は国民です。
ですから自分を選出してくれた選挙民のために行動するのは当然のことです。
もちろん、選挙民を自分に投票してくれた者に限定するか、日本のすべての選挙民と捉えるかでその議員の値打ちが決まりますが、(^^)しかし、単純に国会議員は国民の言うことをハイハイと聞いてその期待に応えれば良いのか?といえば、もちろん違います。
国会議員には国会議員の仕事役割があります。
私は育ちが品質管理屋です。
品質管理ではPDCAという、かの有名なディミングサークルが基本です。
国家の運営にもこのディミングサークルがあるわけです。
ちなみにPDCAとは plan do check act の頭文字からきています。 日本では action といいますが、それじゃ他の動詞と違い名詞ですから、ひとつ通ぶって act と言いましょう。国家運営にも当然、このPDCAがあります。
私は国会議員の仕事はこの PLAN だと思います。
ついでに言えば、行政は DO、
司法は CHECK
そして、国民の審判(総選挙)が ACT であるはずです。
論点は「国会議員のお仕事」でした。
問題は、国会議員のセンセイ方がこの自分のやるべき仕事を忘れて、DO やら CHECK などに手を出していることでしょう。
すべての公務員は顧客である国民に奉仕しなくてはなりませんが、公務員と言ってもそれぞれの役割でなすべき仕事はひとつではありません。
国会議員の仕事は国家の進む道を決める法律を作ることであるはずです。
運用(DO)に注力して、本文である(PLAN)を忘れたなら、国民がそれを批判し鉄槌を下すべきです。
私の結論としては、やはり
国会議員は法律を作ることが仕事です。
法律を作るとは議会で採決することじゃありません。
自分が起案して、提出することから始まります。
となってしまいます。
Yosh様から(2002.04.17)
不審議な国の物語かな?
とうた様の記事を再度読み直しました。
ごめんなさいね。既に国会議員の仕事は立法だとは思つておりましたもので。確かに立法ですよね。然し仰せの通りに数字では彼らは何もしていないようですね。逆に行政をするはずの内閣が立法の仕事をしていて。報道機関の報告を観る限り国会議員が行政を行つている様に思われますね。例えば議員が外国に行き其の国の高官に節して意見を言う是は外交交渉ですよね。喩えその議員が自分の意見であると限定しても。(例えがおかしいですか。)日本の国では三権分立に於いてのCheck and Balance(ごめんなさい日本語では判りませんので)の機能が作動していない様に思われますね。
愚問ですが。内閣の構成員である各大臣は国会議員でもあるわけでしょうか。そうであれば問題がありますね。大臣になれば議員を辞めなければ三権分立の制度が成り立たなくなるわけでしょう。
Yosh様、お便りありがとうございます。
日本は三権分立でないと言えます。
いえ、主権在民であることは間違いありません。誤解なきよう、
日本では一権しかないのです。相互牽制という状態でありません。
すべての権限は選挙された衆議院にあります。参議院は半人前といってよいでしょう。今まで参議院が存在価値を示したのは、『戦後50年国会決議』を否決したことだけでしょう。
『戦後50年国会決議』とは過去の植民地支配と侵略行為に対して反省と謝罪の意を示すというものでした。こんな事実誤認をくりかえしたら中国・韓国がさらにまた何を言ってくるかしれません!日本では行政は国会議員から選ばれた内閣(もちろん憲法では議員以外が大臣になることを認めていますが、議員の最終目的は大臣になることですから、人目を引くために著名人を一人二人大臣にするほかはみな国会議員から選ばれます)
裁判官は行政が任命します。国民の選挙で選ぶのではありません。最高裁判事のみは国民の審査(継続してよいか、罷免するか)を受けますが、私の知る限り罷免された人はいません。
日本は制度としては立派ですが、運用上は欠陥が多々あります。
いえ、政治の仕組みが付け込まれる欠陥を内蔵しているのでしょう。