
横浜法律事務所
弁護士 小 島 周 一
坂本弁護士一家事件の、民事損害賠償請求訴訟は、オウム真理教破産管財人との和解も成立し、残るは新実被告のみとなっています。 しかし、新実被告は、裁判の答弁書で、一家の殺害の事実そのものすら争っています。ですから、新実被告の裁判の関係では、私たちがこの事件の真相を証明していく必要があるのです。また、そもそも私たちがこの裁判を提起したのは、警察や検察の力に頼るだけではなく、私たち自身の努力で、この事件の真相をよりいっそう明らかにしたいという思いがあったからでした。

そのためには、実行犯をこの裁判に証人として呼び、彼ら自身の口から、事件の真相を語らせることが不可欠であるとともに、この犯行の現場である坂本君の自宅の様子を、裁判所にしっかりと理解してもらう必要があります。しかも、坂本君の自宅のアパートは、事件後2回目の更新期が迫っており、大家さんとの関係などからも、遅くない時期に明け渡さなければならないという事情もありました。今、坂本弁護士宅の現場検証をしないでいると、裁判官が坂本事件の現場を見る機会は、刑事・民事を問わず、永久に失われてしまうのです。