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2004.5.21  塩鯖のスパゲッティーニ カボス風味

 東京に来てから、店でランチのパスタのメニューを考えさせてもらうようになって、出した中で割と感触のあるもの。毎週二回、一時はほぼ違うものを出し続けていた。ベーシックなものから、そうでないものまで。もちろんすべて評判が良かったわけではないし、今でもまだまだ課題は多い。「これは出すのにきつい」と最初の頃はホールから言われたこともある。

 これはいろんな要素が絡んで、手ごたえがあった。他にも何か試作していた時に、豚を使ったものが食べられないバングラデシュの人にもう一品作ろうと思った。先に作ったのは何かもう忘れてしまったけれど。その時たまたま、賄いで出した鯖の文化干しが余っていた。婚礼メニューで使っていたカボスが余っていることを知っていた。そして料理王国という雑誌にかつて御一緒させてもらった浅井卓司氏が「酸っぱいペぺロンチーノ」というのを出しているのを知っていた。その3つの要素がその時一瞬で繋がった。「これはいけるかも」と。

 ベースはアーリオーリオ オ ペペロンチーノでそこに鯖を加える 。カボスはあえて絞らずにカルチェで上に乗せる。浅井氏もレモンとカボスのカルチェを使っていた。鯖との組み合わせの意味でもカボスはカルチェの方が向いていると思った。日本人の焼き魚にスダチやカボスをかけて食べる感覚を出せると。仕上げに上に小口ネギをのせるのみ。 

 ホールにも余ったものを賄いで出したりしたら、わりと好評だった。残らなかったし、あとから美味しいと言ってもらったりしてうれしかった。 ある人に「伝説のパスタ」と言われたのはちょっと照れくさかったけれど。

 最近はカボスが入らないのでしばらくやっていない。他にちょうどいい柑橘類がなくて。また安定して入るようになったらやろうかなと。

 

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