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2004.7.7  冷製とんぶりのフェデリーニ 

 夏も真っ盛り。店ではランチのオペレーションをいろいろ見直しながらも、ローテーションメニューを組んで、なんとかシンプルに効率いいやりかたを探っている。1ヶ月周期でメニューを変えていくつもりでいる。そんななかで以前からやってみたかった、とんぶりの冷製パスタを始めた。今月は定番にするつもりだ。

 発想のスタートはマルケージの「冷たいキャビアのスパゲッティ」で、かわりに畑のキャビアと言われるとんぶりを使ってみた。マルケージのものはキャビアの塩味とオリーブオイル、シブレットでシンプルに食べさせるものだが、とんぶりはキャビアと違って味がないので、ソースに他のメニューで使っているバーニャカウダソース(アンチョビ、ガーリック、オリーブオイル)を使い、水分を補うのにブイヨンを加え、水菜とからすみを添えた。とんぶりを使うのは、キャビアに見立てていること(1000円のランチメニューでさすがにキャビアは....)とぷちぷちした食感を出したいからだ。

 このメニューを考えるときにもテーマになったのは、仕込みに手間をかけない(他のメニューで使っているものを加工する、使う、仕込まなければならないものを使わない)、その場その場で味を決めない(使うものの量 を決めて、合わせるだけにする)、足すのではなく引く(絶対必要だと思うもの以外は入れない、完成させるまでの手数を減らす)ということ。そのテーマとお客さんに対するプレゼンテーション、いい味のメニューを提示していくことのバランスはなかなか難しい。店の他の人の意見もいろいろもらったりするが、今回大筋では悪くないものが出せたと思っている。メニューを出した時点で、細部の調整の必要はあっても、自信のない、自分の中で完成度の低いものは出していないから、人の意見に参考があるとしても、迷うことはないと思っている。ワサビ菜のようなぴりっとした味のものが合った方が味に変化もあるし、食べやすいなかにも驚きがあっていいんじゃないかという意見をもらったのは参考になる。試してみようかなと思っている。

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