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DVD「台湾顕彰」

植民地台湾の記録映像「DVD台湾顕彰」について

  

DVD「台湾顕影」に収録された映像は、2003年に国立台湾歴史博物館で発見されました。制作されてから70年の歳月が流れ、35mmフィルムも相当痛んでいました。台湾文建会(行政院文化建設委員会)が資金を拠出し、発見された映像の維持・保存に乗り出しました。全体の指揮を国立台南歴史博物館が担当し、修復は台南芸術大学音像芸術学院が担当しました。

 出土した新史料は、「記録映像」「忠臣蔵などの映画映像」「アニメーション」「台南州教育課認可の脚本」でした。「台湾顕影」はこの内、記録映像の一部をDVD化したものです。「南進台湾」は64分41秒で、台湾建設の記録とプロパガンダが記録されています。台湾全土(台北・新竹・台中・台南・高雄の五州と花蓮・台東の二聴)を記録し、台湾統治の発展の成果を印象付ける内容になっています。「国民道場」は10分18秒の映像で、台南州の国民道場を撮影し、1937年から始まった皇民化運動の最後の頃の映像です。皇民になるために心身共に鍛える内容になっています。「台湾勤行報国青年隊」は10分25秒の映像で、台中の勤行報国青年訓練場の映像です。軍事訓練的訓練を通して青年を集団で鍛える内容となっています。「幸福的農民」は28分07秒の映像です。台湾では「神」に位置づけられている土木技師・八田与一の指導に基づく嘉南平野の沃野化の成果と新しい農民生活を写し撮っています。現在は「嘉南大圳」として台湾の穀倉地帯になっており、日本人の植民の成果として台湾の人々の心に根付いています。

 全体としては台湾総督府の指示の下に制作された国策宣揚の記録映画ですが、台湾行政院文化建設委員会は、台湾映画史の欠如している時期の映像として修復制作しDVD化したものです。


●刊行:台南・国立歴史博物館 DVD1枚 ISBN:978-986-014-022-4
●日本語原作台本・中国語による修復記録付
●刊行:2008年6月
●定価¥8,400-(税込) 全113分31秒 公開版