LEDランタンの改造
2007.9.27 | 公開 |
はじめに
LEDライトやパーツ、その他諸々の雑貨を扱っている香港のショップ DealExtremeでLEDランタンを購入してみました。
単三電池4本をセットして、てっぺんのスイッチで Lo→Hi→点滅 への切り替えと、長押しの操作ででSOS点灯の4モード。
LEDはCREE XR-Eが搭載されています。
ちょっと面白いのが光学系で、上部のLEDからコーン型の反射+透明リフレクタ?を使って周囲に配光する作りとなっています。
全体的にはさすが大陸製。なんともチープな作りで笑っちゃうほどなのですが、これはこれで意外と実用になりそうです。
中身を見てみたところ抵抗による電流制限方式で、明るさがダラ下がりになるのがちょっと残念だったこともあり、定電流制御へ改造することにしました。
さらにせっかくのランタンなのでローソクの揺らぎを再現するキャンドルモードも追加してみようと思います。
定電流化
おなじくDXで扱っているコンバータボードに使われている定電流IC AMC7135を引っぱがして利用します。
AMC7135は350mAの定電流出力を行うシリーズレギュレータで、外付けパーツが不要なことと最低ドロップアウト電圧の低いことが特徴です。
ICの内部は、120mVの基準電圧と内蔵の電流検出抵抗(たぶん0.34Ω)で得る電圧をエラーアンプに入れて、その出力でシリーズトランジスタを定電流制御していると思われます。
スイッチング方式のコンバータではないため入出力電圧の差と電流値の積はそのまま熱損失になりますから、結局のところ抵抗制御と同程度の発熱があるわけですが・・・一定電流に制御してくれるのは有難いです。
ちなみにVf=3.5VのLEDで電源電圧6Vだと、
(6 - 3.5) * 0.35 = 0.875[W]
が無駄な熱になってしまい、IC単体ではアッチッチですね。
このくらいは放熱対策して基板に取り付ければまあ許せるとして、Li-Ion 1セルとかアルカリ電池3セルくらいで効率よく扱うのがよろしいと思います。
これをPWM制御してduty0〜100%で0〜350mAのパルス定電流調光を行います。
回路
![]()
今回、定電流化とあわせてLEDのアノード側にPチャネルのMOS-FETを入れて約2.5kHzのPWMで調光するようにします。
PIC12F683は内部クロック4MHzにて使用しました。
調光はCCP(PWM)ピンで行いますが、炎のゆらぎっぽい表現?は白色LEDではどうにもさまになりませんでした。
仕方ないので、黄色の高輝度LEDを別に使ってキャンドルモードのみ光らせるようにしています。
AMC7135での調光時、ピーというスイッチングノイズが少々出ました。
マンガン電池を使ったところ、ノイズがより大きく聞こえたので、電源に少し大きめのコンデンサ(220uF)を入れたところ多少緩和されました。
電源OFF時はPICをスリープにしてレギュレータのVddもカットすることで、待機電力をマイクロワットレベル(ほぼ0)とします。
プログラム
● ソース+obj(HEX) ● zip形式4KB
注意:ソースはCVASM16アセンブラ専用です。
スイッチを押す毎に Lo → Mid → Hi → キャンドル → SOS → OFF に切り替わります。
スイッチの長押しでもOFFになります。
白色LEDの調光はPIC内部CCPモジュールのPWM、オレンジLEDの調光はソフトウェアPWMで行います。
「ゆらぎ」は似非1/f で、周期が短く変化量の少ないゆらぎはPWMサブルーチン内で行い、中〜長周期の大きめな変化はプログラムエリア内のテーブルに書かれた時間:照度を順次参照して点灯させるようにしています。
どうにかオレンジの炎がチラチラする感じに見えないこともない・・・というレベルでありますが。。(^^;
もう少しテーブルの数値を調整すれば良い感じに見せられると思います。
使い勝手を考えて、最終モードのメモリーとか、照度の任意セットなどのプログラムなどを追加してみるのも良さそうです。
回路&ソフトはフラッシュライト向きではないかもしれませんが、卓上照明やヘッデンの改造などには応用が効くかと思います。
PWM dutyと平均化した出力電流の比は中〜最大(350mA)ではほぼリニアに比例していますけれど、低出力の時には設定値よりも多くなっている感じです。もしかするとAMC7135の応答特性が悪いためかもしれません。
PWM周波数を数百Hz〜1kHzくらいに落とすと改善できるかなー・・と想像していますが、今のところ問題なさそうというか面倒だからもういいや、と。(笑
写真
LED光色の比較。
左がφ3黄色【OSYL3131P】、右が【CREE XR-E】です。
いずれも20mA.。
黄色LEDは秋月で購入。LEDはこんな形で取り付けました。
以前製作したポジション球用のヒートシンクをCREEの放熱に使いました。
黄色LEDはシンクの両脇に2つ配置しました。
基板部品面。ユニバーサル基板でちゃちゃっと作ったので汚い…(^^;
レギュレータの放熱用に凹凸アルミを貼り付けています。白色LED Midモード。 キャンドルモード。
やはりこの色がやすらぎますね〜