著者 | 出版社 | ISBN | 初版 | 定価(入手時) | 巻数 |
リッカルド・カショーリ アントニオ・ガスパリ | 洋泉社 | 4-86248-309-6 | 2008年8月21日 | 760円 | 全一巻 |
ラブロックという人がいるそうです。おっと、彼がなにものかと教えていただかなくても彼が書いた本は何冊も読んでおります。単に会ったことがなく、面識がないだけです。なんでも彼はガスクロのecd検出器を発明したそうで、その特許権使用料で優雅な生活をしているとか噂を聞きました。
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ecdとは電子捕獲型検出器というものでハロゲン化合物などを精度よく測定できるそうです。私は作業環境測定士の資格を持っており若い時は粉じんや有機溶剤濃度などを測定したものです。当時は検知管やガスクロをおもちゃにしていましたが、ecdを使うには資格が必要で私は使ったことがありません。聞くところによると今は法改正で資格がなくても使えるとか聞いたことがありますが定かではないです。
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ラブロックが言うには地球は一つの生命体でガイアという生き物らしいのです。ところでガイアって目(もく)なのか、種なのか、属なのか、良くわかりません。アッツ、界よりも上位の生命体なのでしょうか?

まあ、よくわかりません。
そんな汎神論的なことを聞くと、もう私のような無学なものはただボーゼンとするばかり・・・
最近はそういう汎神論的なろんで、理屈じゃ反論できないような環境論がおおはやりでございます。
私も一応環境で飯を食っておりますが、環境保護なんて高尚なことはわかりません。まあ、法律を守って事故を起こさないように頑張っていこうという非常に即物的で低レベルな活動に従事しておりまして、聖者ラブロックの語る言葉はゼーンゼーンわかりません。
私はサル並みなのでしょう。
グリーンピースという団体があるそうです。おっと、グリーンピースがいかに暴力的か、犯罪を犯しても平然としているとか、そういったことはテレビなどで報道されておりますので十二分に存じ上げております。単にそういうメンバーに会ったことがなく、面識がないだけです。
お友達になりたいわけではありません。
もうだいぶ前になりましたが、グリーンピースが宅配便で輸送中のクジラ肉を盗み出し、自分たちが食べてしまったという事件がありました。
クジラを愛して保護しようと訴える人々なら、クジラの肉を盗んでも食べたりしないで証拠として提出するのかと思いますが、高邁な精神も食欲には勝てないようです。
まあ、グリーンピースのメンバーとは付き合ったことがないので、彼らの価値観や行動基準は私の理解を超えます。
お断りしておきますが、私は田舎の、それも山村の生まれで小さい時も、大きくなってからもクジラ肉なんて食べたことがありません。私が子供の頃、昭和30年頃、私の田舎でクジラ肉を食べるなんてぜいたくきわなりないことでした。だからくじら食文化とは無縁の人間です。クジラを獲るのは文化だ、禁止するとはなにごとだ!という発想は全くありません。
我が同志のKABU先生などを筆頭に、どういう生い立ちなのか存じませんが、クジラ大好き、捕鯨禁止とは何事と血相を変えるような方々もいらっしゃいますが、私はそうではありません。ただ、普通に考えて、クジラを愛する人なら、クジラの肉を食べることはありえないような気がします。
盗んだクジラ肉を食べたグリーンピースの佐藤さん、そのへんの考えというか、論理構造を説明してほしい・・
まあ、そんなことは小さなことなのでしょう。
すべては小さなことという歌もありました。
私にとってクジラはあまり縁のない生き物であり、食べ物であったということで次に移りましょう。
2010年の現在、地球温暖化は目の前の重大危機!手をこまぬいていれば明日にも人類滅亡が迫るという叫ばれております。我が日本にも地球温暖化教という新興宗教があり、山本教祖が赤い顔をして甲高い声で叫んでおります。
うるさいことです。
この本はそんな生物保護とか地球温暖化騒ぎを、ちょっと変だよと言っています。
それどころかこの本の批判の対象は、産児制限のサンガー、レスタ―ブラウン、フルンブラント、メドウズ、フェミニスト、もちろん環境主義者などなどめった切りであります。
著者がいうには、環境保護とは仮面をかぶった人種主義であり、権益の主張であり、帝国主義であるという。
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サンガーは産児制限推進をした有名な女性ですが、彼女は健康な人には子供を産ませ、健康でないもの、貧しいものには産ませないことがバースコントロールであると語ったそうです。
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著者は二人でそのへんのチンピラとか名誉欲に燃える大学教授ではありません。イエスキリストの教えを守らんとするカソリックの大先生であります。ローマ法王の一派ならアンチ産児制限、アンチ汎神論、アンチ多神教というのは誰だって想像しますよね。でもこの二人結構裏をとっていますので論破するのは骨でありましょう。まして地球温暖化というのはいまだ仮説です。証明されたわけではありません。
まして産児制限とかになるともう正しいとか間違っていると言える論点ではありません。おもしろいと思ったのがあります。グリーンピースのお金とか独裁とか、そのうち破綻するのかもしれません。大きな組織は壊れる時も大きな音を出すでしょう。
提案ですが、環境保護の人々はみな産児制限をして子供を作らないことにしましょう。そして私のような楽天家(あるいは盲目な人)が子供を作って次代を担うことにすれば、悲観論者、楽観論者ともども希望がかなうのではないでしょうか?
ともかく、ヨーロッパにも環境主義者だけではないということを知って安心しました。
本日の疑問
シロクマを守るためにDDTを禁止したおかげで、何百万という人間がマラリアで死んだというのは事実です。すると、熊一頭の命の重さは人間の命何人分と等しいのだろうか?
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