「はい、なんでしょうか?」
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「簡易EMSって知ってるよな?」
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「はい、たくさん種類がありますね」
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「状況はどうなんだ? 認証ビジネスとして成り立っているのか?」
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「ご冗談を、本家のISO14001が青息吐息なのに、その真似事が順調ってことはありません」
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「そりゃそうだろうなあ〜」
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「どうかしましたか?」
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「今、暇か? ちょっと付き合え」
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廣井は立ち上がって歩き出す。 山田は廣井を追いかけた。 ●
廣井はエレベーターに乗って会議室のあるフロアで降りた。● ● 廣井が語らないのだから山田は質問することもないと考えて、黙って廣井の後をついていく。 廣井は中規模の会議室のドアをノックもせずに開けて入る。山田も続いた。 20人ほど入れる部屋には5・6名ほど座っていた。山田がそれとなく見回すと人事の三崎課長の顔がある。人事の次長もいる。というかそこにいるのはみな人事部のメンバーだ。 廣井が開いているところに座り、山田がその左側に座った。 | ||||||||
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「廣井部長、ご足労すみません。私が会議を招集しました人事の和田です。 では予定より若干早いですがメンバーがそろいましたので、始めさせていただきます。環境保護部のご出席は廣井部長と山田課長ですね。こちらは人事部の早川次長、三崎課長、吉沢課長、矢島、湯川、私、和田でございます。では早川次長からお願いします」 | |||||||
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「早速ですが本日の議題について簡単に説明させていただきます。現在社会的に65歳に定年延長するようにということが言われております。既に現実的には定年以降の再雇用ということが、ある意味義務のようになっております。当社においても定年後、特に現業系は本人が希望すれば63歳までの再雇用を行っており、総合職においても希望者に対しては2年程度の嘱託採用を行っています。しかしながらその年齢に達した方を、それまで働いていた職場・職種で再雇用するというのは難しく、子会社や孫会社に出てもらうとか、あるいは支援的といいますか補助的な業種などへの配置などで対応してきています。現実にはそういった業務においても対応できなくなってきておりまして、新たなビジネスなどを検討中です。 本日は環境に関して、当社独自の認証制度を新設して認証事業をすることについてお考えを聞きたいということです。詳細は企画した湯川の方から説明させていただきます」 | |||||||
![]() 湯川 と呼ばれた30代の女性が立ち上がり資料を廣井と山田に配った後、パワーポイントで説明を始めた。 | ||||||||
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「現在、ISO14001が国際標準のEMS認証制度とみなされていますが、自治体、営利企業、NPOなどが考案した簡易EMSと呼ばれる認証制度が多数あります。それぞれ認証基準を定め、審査したうえで認証を与えています。 この企画は当社独自の認証制度を立ち上げて、当社の部長級の見識の高い人を審査員に養成して独自の認証制度を始めるというものです・・・」 湯川の説明は、期待できる規模、売上、必要なリソースなど企画書として形はそろっているようだが、山田にはそんなものがうまくいくはずがないとしか思えなかった。 | |||||||
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「以上で概要説明を終わります」
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「廣井部長、このプロジェクトを進めるに当たっては、環境保護部のご支援が必要です。今の説明をお聞きになられての廣井部長のお考えをお話しいただけますか?」
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「うーん、なんといいますかねえ〜、おい山田、まずお前から発言しろ」
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「廣井さん、私が適当なことを言ってよいのでしょうか?」
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「思ったことを言えよ、もしおれに異議があれば俺も遠慮なく発言するから。そのほうが早川次長も状況が理解できるだろう」
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「まずこのようなプロジェクトがあったとは初耳でした。できればもっと早い時点でご相談いただければよかったと思います」
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「環境保護部さんとしてのご希望などを反映したかったということでしょうか?」
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「うーん、そうじゃなくてこのプロジェクトはうまくいきませんから」
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山田が簡単にそう言い切るのを聞いて、人事部のメンバーがどよめいた。
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「どうしてうまくいかないのでしょうか?」
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「需要がないからです」
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「需要がないですって? でも現実に多くの簡易EMSがあり、認証ビジネスを行っていますよね」
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「まずお断りしておきますが、私は思ったことをそのまま話す性分ですのでお気に触ったらごめんなさい。 まずISO14001認証件数は減少しつつあります。簡易EMSの認証件数はどうかといいますと、環境省の肝いりで行っているエコアクション21は見た目順調ですが、その他の簡易EMSは足踏み、露骨に言えば悲観的状況です。 そこに新たな認証制度を立ち上げても、そのメリットとかブランドイメージが確立されていないわけで、新規需要はないでしょうし、他の認証制度からの移転も期待できないと思います。 あと、こういう認証ビジネスは数が力なんです。数が多くないとだめです。他の認証制度を食っていかないと消滅するだけです」 | ||||||||
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「おいおい、湯川さん、しょっぱなから否定されてしまったけど、君はその辺はどんな調査をしていたんだ?」
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早川次長が苦笑いしながら湯川に問う。人事部長は役員だから、人事部次長といえば人事行政の実務のトップだ。すぐにきついことを言ったり怒ったりするような人はなれない。
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「エコアクション21は2012年1年間で、認証件数の増加が370件、約5%の増加です。なにごとでも年5%の増加であれば、決して足踏みとは言えないと思います」
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「確かに年5%増加は事実でしょうけど、1年間だけの数値では判断できません。5%が大きいのか小さいのかですが、うろ覚えですが、エコアクション21の登録件数は毎年減少しています。増加率の増加率、つまり微分した加速度は単調減少していて、傾向を見れば2013年以降は減少傾向になると思われます。決して順調ではありません。 またもう一つの簡易EMSであるエコステージは、過去1年間で登録件数は全然伸びていません。私は記憶で語っていますので、裏を取ってくださいね」 ![]()
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「KESは伸びていると思いますが・・」
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「ビジネスとして成功しているかいないかは、登録件数とか増加率だけでは何とも言えません。仮に全国で3000件程度で、1件の売り上げが20万程度なら、年間6億のビジネスです。それで全国規模の活動を維持できますか? もっともKESは京都と神戸が主だったと思いますが。 新しい認証ビジネスを立ち上げるとするなら、地域的なゾーンも対象とするドメインも徹底的に限定して、コストを最小にしなければなりません」 | ||||||||
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「湯川さん、山田課長のおっしゃったような情報は調べていたのか?」
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「いえ、あまり深くは調べていません」
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「わかった。山田課長、教えてほしいのだが、簡易EMSというものの置かれている状況とはどんな塩梅なのだろうか?」
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「簡易EMSという言葉自体、本格的EMSではないという意味です。本格というか本物とは何かと言えば、先ほど湯川さんがおっしゃったとおりISO14001です。つまり簡易EMSには、本当ならISO14001が望みだけれど手が届かないからこれで我慢するかというニュアンスがあります。なぜISO14001に手が届かないのかといえば、費用がかかる、審査が厳しい、ビジネスの条件としてISOでなくてもよいとか、いろいろな事情があるからです。 ダイヤがほしいけど買えないからスワロスキーで我慢するというイメージでしょうか?」 | ||||||||
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「いつかはクラウンというわけか」
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「早川次長も古いコマーシャルをご存じですね。おっしゃるとおり、いつかはクラウン、いつかはISOなんですよ・・・・ そういう前提といいますか条件のしろものであることをご理解いただければ、いろいろなことが頭に浮かぶでしょう。 まず本物であるISO14001の価値がなくなれば、簡易EMSの価値もなくなるということです。また本物が安く手に入るようになれば、代用品を求める人はいなくなります。なにしろ簡易EMSはISOがあってこその、その代用品ですから、それは必然です。 さて現実はどうかとみれば、ISO14001の社会的評価は下がり続けていますし、そのためかISO認証件数は減り続けていますし、ISO審査も以前に比べればハードルが低くなり、また審査費用はどんどんと安くなっています。審査費用が下がっているのは、需要と供給の関係です。そしてまた、ISOの要求水準は元々そんなに高くない、日本の審査基準が異常だったという説もあります。 いずれにしてもISO14001のハードルが低くなり、またその費用も下がり続けていますから、簡易EMSが存在できるニッチは消滅する方向にあります。本物が手に入るなら、代用品はいりませんからね」 | ||||||||
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「なるほど、山田課長の話は非常にわかりやすいし、納得できるが・・ おい湯川さん、餅は餅屋だから、こういうプランを立てるときは山田課長のような方にヒアリングせんとあかんぞ」 | |||||||
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「すみません、基本的なことは環境保護部のお手を煩わせるまでもないと考えていました。でも独りよがりで、初めから見当違いでした」
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「ちょっと待ってください、まだ話は始まったばかりなのです。 そういう状況ですから、簡易EMSの認証ビジネスというものは非常に厳しい状況にあることがお分かりになると思います。もちろん本格ものであるISO14001認証ビジネスも非常に厳しい状況です。ISO認証機関の費用構造はもちろん調査されていると思いますが、上納金と人件費があります」 | ||||||||
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「上納金とは?」
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「認証制度はハイラルキーがあります。上納金とは冗談ですが、上位機関である認定機関への支払いがかかります」
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「なるほど、我々が認証制度をはじめるときは、そのへんの制度設計を良く考えないといけないな。 ところで人件費というが、どのくらいの給与レベルなのだろう?」 | |||||||
「先ほど湯川さんが部長級をあてるとおっしゃいましたが、とてもそんな職階の人の賃金レベルが払えるものじゃありません。ISO14001の審査員でさえ、当社の現業系の賃金レベルと考えてほしいですね。現実には認証機関の審査員の多くは雇用関係にある社員ではなく、アルバイト的な契約審査員という位置づけで、審査のつど日当払いでアウトソースしているのが現実です」
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「本家でそれなら、簡易EMSではどうなのでしょうか?」
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「まずエコアクション21は営利事業ではありません。審査員は審査でもらう手間賃で生計を立てているわけではないというか、その金額では立てられません。審査員は基本的にボランティアなんです。企業の環境担当者やISO審査員を引退した人が、世の中に尽くしたいと考えて審査員をしているのです。もちろん手間賃、旅費はもらいますが、原価とか最低賃金という発想はありません。あくまでも謝礼です。 エコステージは某企業が中高年の活用という発想で始めたと聞きますが、そういう人の賃金を回収しようとしたら市場競争力がありません。実際の審査員は企業引退者とかを活用していますし、また旅費を削減するために地域、地域に認証組織を設けています。それはエコアクションも同じですね。審査を受ける企業にしてみれば、審査費用はともかくとして、審査員の旅費や宿泊費で何万も、審査員が複数なら10万あるいはそれ以上負担するのは理不尽と考えるでしょう。ISO認証機関も中央から人を派遣するという方式ではなく、地域地域に審査員を配置して、交通費を安く上げるという方式をとっているところもあります。 その他の簡易EMSの事務局の多くはボランティアと聞いています。創業時からの方が引退すると崩壊すると言われている簡易EMSの制度もあります」 | ||||||||
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「山田課長、状況はよく分りました。しかし例えば鷽八百グループ企業でISOを認証していないところに、このような簡易EMSを広めるということは価値がありませんか?」
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「目的を確認したいですが、遊休人員の有効活用なのか、グループの関連会社の環境管理レベルの向上なのかということをはっきりしないといけません。 前者であれば、目的と手段が見合っているのかを再検討が必要でしょう。 後者はもちろん是非ともといいたいところですが、残念ながら簡易EMS認証制度では改善できないでしょう。なにごとでも改善していくためには、審査ではなく具体的に指導できることが条件となります。そしてそういう仕事ができる人は当社グループにも少ないし、簡単に養成することはできません。環境管理に詳しくて、かつコミュニケーション能力があるような人でなければ・・ 言い換えると引退した部長級の人が、そのような力量を身に付けるのは簡単じゃありません。藤本元部長をご存じと思いますが、彼を養成するのに半年の時間と、人件費を除いても100万以上の費用をかけています」 | ||||||||
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「湯川さん、そういえば藤本さんが立ち上げた事業の調査をしたか? それとあの事業との守備範囲は検討というか整理しているのか?」
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「いえ、まだそういう調整まではしておりません」
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「わかった。廣井さん、今日の提案はちょっと検討不十分で生煮えだったようです。湯川さん、和田君、本日はこれまでとしよう。湯川さん、今後山田課長にヒアリングしてもう少し実現性のある案を再提案してほしい。じゃあ、解散」
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みなぞろぞろと出てしまう。廣井も部屋を出てしまった。部屋には和田、湯川、山田だけが残った。 山田は湯川に話しかけた。 | ||||||||
「すみません、なにか悪いことをしてしまったようですね。もしよろしければちょっと湯川さんとお話ししたいのですが」
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「いえこちらこそ大変失礼しました。不勉強ですみません」
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「山田課長のお話を伺いますと、この企画を一旦リセットしたほうがよろしいようですね。 我々の目的は、要するに、今保有しているリソースというか、負のリソースかもしれないのですが、それを活用する方法を考えなければならないということです。 そして進出すべき新規ビジネスとして頭に浮かんだのが、いま脚光をあびている環境部門という非常に単純な発想だったのですよ。単純というよりあさはかというべきか・・」 | |||||||
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「座りませんか。会議に出そうと思っていたペットボトルのお茶がありますから、それでも飲みながら・・」
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三人は会議テーブルのコーナーに、お互いの顔が見えるように座った。
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「みなさんのおかれた状況は理解できるつもりです。ただ審査をするにしてもそう簡単なものじゃありません。藤本部長だって半年の時間をかけて養成したわけですが、その時点でも彼一人ではなにもできませんでした。周りに環境管理経験者を集めたから、事業を始められたのです」
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「関連会社の環境担当者を集めたとか聞きましたが・・」
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「そうです。しかも結構良い人材を集めたと思っています。良い人、つまり知識と経験、コミュニケーション能力、ファイトがあるという意味ですが、そういう人はそんなに多くありません。言い換えると、そういう人が多ければ、元々藤本さんのようなビジネスは不要というか成り立たないのです」
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![]() | 「なるほどなあ〜、当たり前と言えば当たり前ですが、厳しいもんですね」
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「非常に安易な発想で恐縮ですが、藤本さんのところで何人かとってもらえるという可能性はありませんか? 変な言い方ですが、目的は新規事業を始めることではなく、人材活用なので・・・」
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「その人次第ということでしょうね。環境管理について何も知らない人を採用してほしいといっても、長期的、まあ10年くらいは働いてもらえなければ教育費用を回収できません。 それに実は・・・現時点でも藤本さんは独自事業で食っているわけではないのですよ。正直なことを言いまして、売り上げの半分近くは環境保護部からの仕事です。独自事業として稼いでいるのは売り上げの残り半分です。そして独自事業と言いましても、その8割はグループ内の関連企業の仕事です」 | ||||||||
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「なるほどなあ〜、世の中甘くはないか・・」
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「まずお聞きしたいことがいくつかありますが、簡易EMS事業に何人くらいを充てようとしていたのでしょうか?」
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「そりゃ多々益々弁ずですが、できれば10人ないし20人と考えていました」
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「なるほど、今までしていたお仕事に関するコンサルなどのビジネスは考えられませんか?」
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「もちろんそういうビジネスも計画しているのです。人事、経理、知的財産、などのコンサルを立ち上げる予定です。 ただそういう専門性がない部長級の扱いをどうしようかと・・」 | |||||||
「湯川さん、そういう専門性のない人を簡易EMSに使おうとお考えなら、環境も甘く見られたものだという気がしますよ。ご存じと思いますが、私は元は営業マンです。でも環境保護部に来て8年になります。8年かけて環境管理についてやっと廣井さんの足元に近づいたかなと感じているレベルです。環境がそうそう簡単に思われたらいささか癪ですよ」
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「山田さん、お気を悪くなさらないでください。 見方を変えてですね、山田さんが環境関連の業務で見込みがあると考えていることはありませんか」 | |||||||
「どんな分野でもいくらでも仕事はあります。もちろんいかなる仕事でも技術・技能が必要ですし、もうひとつコミュニケーション能力が必要ですが・・・ 環境で今喫緊のものとして、省エネのコンサルなどは引っ張りだこですよ。それと環境リスク、特に事故防止と遵法ですね、そういうことができる人なら藤本さんも引き取ってくれるでしょうし、肩書がなくてもよいなら環境保護部で働いてもらいたいですね。 ただ部長ならできますという人では、使い道がありませんね」 | ||||||||
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「部長ならできますか・・・そうなんですよねえ。偉くなると口は動いても手足を動かすのが苦手になるようですし・・」
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「藤本さんは部長級どころかその上の事業所長級でしたけど、腰が軽い人で率先して動きましたね。それに、私のような目下の者に仕事を指示されても文句を言いませんでした。でも、そういう人ばかりではありませんからね。 藤本さんのところで引き取るにしても、以前の職階にこだわるような人はお断りでしょうねえ」 | ||||||||
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「そりゃそうでしょうねえ、過去のことを忘れられない前野さんはどこでも通用しません」
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「山田さん、わざわざ我々が簡易EMSを立ち上げなくても、ISOの審査員とか今まである簡易EMSの審査員に出向とか転籍とかさせることは考えられませんか?」
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「いやはや、少し前にそんなケースがありましたよ。その件については三崎課長さんに聞いてください。それは不可能ではありませんが、なにごともギブアントテイクですから出す方にそんなにうまみはありません。それに当社の部長級がする仕事ではないでしょうね。環境担当者か、せいぜいが課長級の出向先でしょう。なによりも賃金が・・当社から補てんする分が増えるだけですよ」
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「山田さんは今回のアイデアについては否定的なのですか?」
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「うーん、湯川さんのアイデアに否定的というわけではありません。 新しい簡易EMS制度を作ろうということについては需要がないということです。また遊休人材を環境管理に投入しようとすることについては、力量をどう確保するかをもっと検討が必要ですね。ともかく能力、新しいことを学ぼうとする意思、そして年下でも以前の部下でも敬うことができる人でないとどんな仕事でも難しいと思います」 | ||||||||
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「特定の仕事の教育以前に、そういう心構えを教えないとならないってことですね」
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「山田さん、力量があってそんな心がけの人でしたら、我々が心配しなくても他社からヘッドハンティングが来ますよ。むしろ我々は引き抜かれることを心配しなくては、アハハハハ」
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