中学校で習う社会科は、地理・歴史・公民に分かれている。他の学科、例えば数学や英語は同じ科目を学年が進むにつれ内容を深めていくわけだが、社会は学年ごとに異なるカテゴリーを学ぶことになっていて3年生は「公民」を学ぶそうだ。
この本はなにかで広告を見て、学校の教科書の広告とは珍しいと思い買った。私は気になった本は図書館で探し見つかれば借りる、
なければアマゾン中古本、それもなくどうしても読みたければ新品を買う。
だが、借りたり買ったりしたものの、読まないというのも少なくない。この本も買ってはみたものの配達された頃には興味を失ってそれっきりだ。家内はそれを見て、モズの
モズの早贄というのはモズという鳥がカエルとかトカゲを仕留めてもすぐに食べず、いつか食べようと生垣とか木の枝に突き刺しておくものをいう。カエルもトカゲもすぐに干物になるが、モズはどこに置いたのか忘れてしまい、食べられない干物がけっこう生垣で見られる。
そんなことを書くと私は無駄使いする人間に思われるだろうが、実際その通りである。
退職後は図書館を利用するようになり本を買うことは少なくなったとはいえ、やはり本は増えていく。それでお掃除するたびに本棚を見て、読んでもためにならなかったとか、もう十分理解したと思う本は捨てる。
この本はずっと本棚の未読の位置にあるので、ともかく捨てる前に一度は読もうという気になった。いつ買ったのかとアマゾンの注文履歴をみたら、今年のお正月だった。半年以上も本棚でほこりをかぶっていたことになる。
書名 | 著者 | 出版社 | ISBN | 初版 | 価格 |
新しい公民教科書 | 小山常実 | 自由社 | 9784908979132 | 2020/05/27 | 1980円 |
教科書の値段は1000円もしないようだが、これはそれを一般販売用にしたもので、教科書に50ページほど増補されている。増補部分を除き、教科書部分は220ページだが、生徒が自分の考えを記入するページもあり、読む部分は200ページくらいだろう。
さて、本を開く。すると表紙の裏から文字が印刷してある。ここも市販本で追加されたようだ。
表紙の裏を読むともう冒頭から突っ走っている。項のタイトルが「日本国家の解体を進める公民教育」とある。面白いじゃないか! これは期待できる。
目次を開くと次のようなタイトルが並んでいる。
広辞苑(第6版)で【公民】をひくと
中学校の教科書の目次を見れば、一般的な公民の意味だけでなく、地理や歴史を除いた、政治だけでなく現代社会を生きていくための基礎知識と言えるだろう。
目次からわかるように大人なら日常生活とか仕事などで必然的に関わり知っていくことが多いから、70歳の私が教科書を読んで初めて知ったということはない。また書いてある内容は一読すれば理解できる。
実を言って私が家を出てから印鑑登録とか借家契約とか婚姻届けとか、手続するたびに学ばねばならないことはたくさんあった。そういうことを包括的に教えてくれる科目があればよいのにと思ったことは何度もある。
しかし私が中学・高校のとき、公民のような科目はなかったから、教育内容がよくなっているのは間違いない。微分積分ができても、保証人の責任とかお金のことを知らずに社会に放流されるのはかわいそうだ。
令和3年の中学公民の検定教科書合格教科書は6点
この本の書き手は、「日本は歴史の長い国である、日本は素晴らしい国だ、日本の国は先祖が一生懸命作ってきたものなのだ」ということをはっきり打ち出している。
私はこの本を読んで大いに気持ちが良い。そしてそれはサヨクと呼ばれる人たちにとっては、大いに気分が悪いであろうことは間違いない。
記載内容を解説する意味はないので、私が感じたことを羅列する。
項目のタイトルは教科書の項目名を示す。(p. )は教科書でのページを示す。
課題:あなたが@国に期待すること、A国のためにできることを書きましょう。
国に期待すること | 国のためにできること |
100文字分くらいの空白がある。 ここに生徒が記入する。 |
実に良い設問だ。私は考える間もなく升目を埋めることができる。もっとも大人の場合、Aは「国のためにしていること」としなければならない。
朝日新聞が公民の教科書を作ったなら、この設問は「国への不満、社会の不合理、日本の問題点、国が悪いこと、外国に謝罪することを書きましょう」となるのではないだろうか?
上記設問を見て国家主義だ軍国主義だという人は間違いなくいる。しかし国のためという発想は別に軍国主義でも国家主義でもない。
ケネディ大統領は「およそ一個の男児として祖国の自由と正義のために苦しみ斃れるならば、それは苦しみすぎたことにはならない」と語った
この教科書で学べば日本にもケネディが生れるかもしれない。
注:GHQとはGeneral Headquartersの略で連合国最高司令官総司令部と訳されるが、早い話、日本を玩具にしたアメリカのサヨクの集まりである。
サヨクは日本国憲法が素晴らしい、改正してはならないと叫ぶが、彼らは憲法を読んだことがあるのか? そして理解しているのか?
一読すればいかに矛盾があるのか、いい加減なつくりであることに気づく。まともな大人なら日本国憲法が素晴らしいなどと口が裂けても言えないはずだ。
ここで私がサヨクと呼ぶものは<日本が嫌いな人間>を指す。共産主義であっても日本が好きなら立派な人間だ。もっとも私は日本が好きな共産主義者というものを見たことがない。
日本を貶めよう、中国に貢ごう、韓国に土下座しようというのは、反共であろう民主主義であろうと人間の屑だ。小沢一郎なんて最たるものだね、アー、イヤダイヤダ
日本を愛するとは「日本が好きだ」と声に出したり、日の丸を振ったりすることではない。日本の国そしてそこに住む人を大切にすることです。
日本を愛さないとはどういうことか
立憲民主党(当時民主党)の岡田克也は自衛隊とアメリカ軍の共同訓練をしようとしたとき「中国の許可は得たんですか?」と語った。日本は独立国ですから、相手に迷惑をかけない限り自国の行動は自分が決定できます。なんで中国のお許しが必要なのですか?
中国のご機嫌を取ろうとする人は、日本人より中国人が大事、日本の国より中国が好きなんでしょう。
岡田は何百発もの中国の核ミサイルが日本を狙っていることを知らないのでしょうか?
そういえば「北朝鮮にコロナワクチンを無償で提供しろ」と立憲民主党の森裕子議員が主張してましたが、彼女は北朝鮮の議員なのですか?(2021.06.11)
日本でワクチン不足と騒いでいるのに、なんで北朝鮮にさしあげるのか?
北朝鮮は大勢の日本人を誘拐した悪の国家です。そんな国に貢物を差し出すって、立憲民主党は独裁者の子分ですか?
しかしこれからは同性婚とか環境保護を憲法に盛り込まざるを得ない。そのときその根拠となるよう憲法改正は避けられない。
それとも憲法24条第1項「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し(以下略)」を解釈改憲で「婚姻は、二人の合意のみに基いて成立し」とでも読ませるのだろうか?
いや、いずれ結婚は二人でなく三人以上の場合も認めるようになるだろうから、解釈改憲も限りがあるぞ(笑)
|
だいぶ前「続・アメリカの中学教科書で英語を学ぶ―ジュニア・ハイのテキストから英語が見えてくる
日本の中学生もアメリカの中学生と同じくらい教えてほしい。
Commodity money | ![]() ![]() | 商品貨幣とは塩、家畜、宝石、穀物などはそれ自体に価値があり、交換手段として使われた。当然ながらそれは家畜化とか農業発祥以降と考えられる。 パチンコの景品もこの一例といえる。 |
金属貨幣 | ![]() | 時代が下ると、経済発展により持ち運びとか均一性から金属が使われるようになった。 メソポタミアでは初め銅が、後に銀が使われた。エジプトで一定の重さの金塊が使われた。前7世紀頃それはコインに進化した。 |
代表貨幣 Representative money | ![]() | 代表貨幣とは価値のあるものと交換できることの証書であり、兌換紙幣、預かり証、借用証、支払いを約束した手形などがある。 昔の兌換紙幣には「この券と引き換えに銀貨を渡す」と書いてあった。 |
Fiat money | ![]() | 名目貨幣とは政府などが貨幣とすると宣言することで価値があるとみなされたもの。 現行の貨幣のほとんどは名目貨幣である。 |
注1:Wikipedia History of money 他を参照した。
注2:日本語で代表貨幣の原語は英語でRepresentative moneyである。そもそもrepresentativeとはなにものかを代理するとか代表するという意味で、ここでは金や銀にいつでも交換できる紙幣や借用証を「金銀の代わりの通貨」と呼んだのである。
注3:「代表貨幣は名目貨幣と同じものである」という経済学の入門書もあるが、これは明白に異なる。今現在、オーセンティックな兌換券がないからそういう言い方をしたのかもしれない。しかし債権や約束手形なんては立派な代表貨幣であり、それらは誰が見ても名目貨幣ではない。
今流行のビットコインなど仮想通貨はどこに当たるのかとなると、更に下段に追加しなければならない。ちなみに仮想通貨は国家とか中央銀行の裏付けがなく、まさに砂上の楼閣で信用よりも期待だけで成り立っている裸の王様である。
日本の円(日本銀行券)は不換紙幣ではあるが、信用が疑われ円安になれば政府はドルやユーロで円を買い支える。要するに円を持っている人が損しないようにする。他方ビットコインの信用が疑われても、上がるのを期待して買う人はいても、買い支える国家はない。まさにバーチャルである。
「貨幣」について「公民」で教えるのは筋が違うという声もありそうだ。しかし中学校のほかの教科で該当するものは見当たらない。数学でお金のこと、保健体育で健康保険を教えるというのも変な話だ。
学校で暮らしていくために必要な知識、例えば戸籍のこと、生活保護、結婚・離婚、犯罪になる行為、詐欺にあわない方法を教えるべきだし、貨幣についても教えるべきだ。知識は力だ、生活に必要な知識は生きていくための力である。
年金制度が作られたとき、年金があれば老後は安心ですとか老後は十分ですと教えられた記憶はない。
当時の人は子供の世話になるにしてもだいぶ楽になるなと思った。孫に小遣いを出せるとか、そんな感じだった。年金があれば働かなくても子供の世話にならずとも済むという発想が現れたのはいつからなのだろう?
私は、2000万円問題が報じられたとき、年金だけで暮らしていけると思っている人がいることに驚いた。私が2000万以上貯蓄があるわけではない。しかし住む家はあるしローンはない。息子と娘は独立して暮らしている。私が逆仕送りすることもない。息子は独身だがもし結婚するにしても私が支援するつもりもなくその必要もないだろう。
だから家内と私は自分たちの年金と蓄えで死ぬまで暮らしていけると読んでいる。
年金とは自分が若い時は年長者を養い、自分が年を取ったときは若い人に養ってもらうという制度だ。それがあるべき姿とか唯一の方法とは思わないが、働けなくなれば誰かに頼るしか生きていけない。若い時に貯蓄するか、子供に頼るか、社会に頼るかである。
考えてほしい。あなたは厚生年金にしても国民年金にしても、今の所得の何割を払っているのか?
そして年金を払っている期間は22歳から60歳として38年間、65歳から平均寿命まで年金をもらうとすれば、女性は22年間、男性は16年間となる。現役時代の給与と同じ金額の年金を65歳から死ぬまで受け取るには、単純計算で女性は現役時代には所得の58%、男性は42%払わなければ収支が合わなことに気が付かないか? それほどは年金を払っていないのだから、年金だけでは不足なのは自明だ。原資が決まっているなら、できることは積み方と分け方を工夫するしかない。
そんな単純な算数もできずにごねている人は小学校に戻ってやり直せ。そして二度目の人生ではしっかり年金を積み立てろ!
少なくても私の家族、親戚、同僚は、年金はもちろん収めているし、老後のために貯蓄とか住む家を確保するなどしているのだ。そういったことをせず「年金ガー」と叫ぶ人は子供の時から何を教えられてきたのか?
この教科書も年金だけでは足りませんよとなぜ書かないのか?
イソップ物語にあるアリとキリギリスのお話は2600年経っても真理なのである。
年金だけで安心するためには、若い時から払う税金や年金を増やさなければならない。それを良しとするならそれも一方法である。あるいは年金を払うのは嫌だというなら、老後のために自分で財産を蓄えなければならない。
年金は払いたくないが、高い年金をほしいというのは成り立つはずがない。それを叫ぶのはどう考えてもバカである。
この教科書で補強してほしいことをあげると、家族と家庭の重要性をもっと書いてほしい。
家族は互いに愛し合い助け合うことも書いてほしい。
ナチスが行った生まれたばかりの赤ちゃんを母親から離して育てる実験、旧ソ連や共産主義国家が行った子供たちを家庭から引き離し集めて暮らして教育する、ポルポトが行った大人は不要だと殺してしまう、そんな「実験」により、我々は人は親から愛情としつけを与えられて育てられなければ<人間>にならないということを学んできたはずだ。
そういう当たり前で大事なことを捨ててしまえと語るのは人間じゃない。まずは家庭における愛情としつけを公民の一番のテーマとしてほしいと願う。
それ以外にも盛り込んでほしいことがある。
災害時の避難義務、助け合いなどの心構えもあるし行動規範もある。避難しろと言われてもそれを無視して災害に合う、それを助けようとした人が被害にあう。ばかばかしいことだ。
避難することは権利でもあり義務でもある。それこそが一般人に求められる最重要な災害対策ではなかろうか?
同じようなことだが、感染症が流行しても、自分はワクチン接種は嫌いだと予防注射を受けないとか、他人がワクチン接種するのを妨害したりする、反社会的人間もいる。そういった輩を懲らしめることも必要だ。
それから諸外国との比較がいくつも載っているが、多くは比較対象としてアメリカ、イギリス、フランス、ドイツを挙げている。西欧ばかりが外国ではない。アジアもあるしアフリカもポリネシアもあるのだ。ここはぜひとも中国、韓国、北朝鮮を加えるべきだ。
自由も権利も豊かさも日本がどの辺にあるのか、近隣諸国と比べてどうなのかをしっかりと認識させる必要がある。
韓国人や中国人と結婚して男尊女卑やDVにパワハラに泣いた人は一般人、芸能人、スポーツ選手を問わず多数いる。そういう悲劇を防ぐのも公民の役割だろう。
お花畑という表現がある。平和ボケという言い方もある。この世界では日本がしかけなければ戦争はないというお考えだ。なぜそんな浮世離れした発想を持ち、危機感がない人がいるのかといえば、ズバリ教育のせいだ。
小学校から「戦争をしたのは日本だ、日本は悪かった、日本以外はみないい国だ」そんなウソを12年も教えられれば、お花畑な人間ができあがります。
日本は戦争に負けてから75年、一度も戦争をしていません。しかし中国は戦争や内戦を20回くらいしています。北朝鮮も韓国も外国と戦争をしたし、多くの国民を虐殺した。台湾(中華民国)は中国(中華人民共和国)にあわや占領されるところまで攻められた。そういう国に住んでいればお花畑にはなりません。
中国や北朝鮮そして韓国は、日本がお花畑で喜んでいます。
残念ながら日本には強力なサヨクマスコミがあり、日教組があります。彼らは毎日、中国はすばらしい、北朝鮮は地上の楽園、韓国に謝ろう、日本はダメな国と洗脳し続けています。
だから自衛隊と米軍の共同訓練を「中国の許可を得たのか」とか、日本人を誘拐しいまだに帰さない北朝鮮に「ワクチンをプレゼントしろ」と叫ぶ政治家がいるのです。
そういう人々をおかしいぞと言える人が多くなってほしいと願います。
公民をひとことで言えば
私は親に孝行し、兄弟は仲良く、夫婦は助け合い、友とは友情を深め、誰にでも親切にし、礼儀を忘れず、勉学に仕事に励み、法と道徳を守り、人格向上に努めます。
そして、万一非常事態が起きたときは、国と近隣住民のために働きます。
注1 |
注2 |
「ケネディ名言集」細野軍治(編)、講談社、1964 ![]() | 注3 |
共産党綱領において共産党は「天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、 将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」と記述しており、現行の憲法は解決しなければならないものと認識していることを示している。 ![]() |
注4 |
「続・アメリカの中学教科書で英語を学ぶ―ジュニア・ハイのテキストから英語が見えてくる」林 功、ベレ出版、2004 ![]() | |
注5 |
「2000万円問題」とは2020年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書で「年金だけでは老後30年間で約2,000万円が不足する」という試算がされたことにより、野党やマスコミがそれでは問題であると騒いだことをいう。 ![]() |