有事の認識 2002.04.30
有事法制があろうがなかろうが、いわゆる「極東有事」の際には日本は攻撃されるでしょう。 アメリカの友好国であるという、ただそれだけの理由で。アメリカと戦闘状態にある国から見れば、日本だって敵性国でしょう。 だから「有事法制があると日本が攻撃される可能性が高まる」という説は、誤りです。 そして今の日本は、アメリカとの関係なしには生きていけません。故に、その危険を消滅させることは不可能。 また、日本に対する軍事攻撃は、適切な対処をとることができれば事前に防止できます。 何をどうしようが防ぎようがない自然災害と同列に扱うのは間違いです。地震の発生そのものを止めることはできません。 そしてその対処の一つとして、軍事力による抑止も考えられます。それを行うためにも有事法制は必要でしょう。 あと、「不十分だからいらない」というのは、理屈としておかしい。それから、「ありとあらゆる状況に対処していないからいらない」式の論も、やっぱりおかしい。 人間のやることすべて・この世のすべては、そういうものでしょう。 完全なものなどあり得ません。 といいますか、日本はやっぱり平和ボケで、これまで真剣に考えてこなかったというだけのことなのでしょうけど。 ぜひ水木様のテロリズムに関する考察をお読みください。 まる暴様からお便りをいただきました。(2002.06.08) 客観性を保つために全文をそのまま掲示します。 しかしながら、コメントするのをご辞退いたします。 理由は、私の発言の内容以外についてご批判、ご指摘を受ける覚えはありません。 ついでに言えば私のホームページにゼロ戦が飛ぼうが茶化されるいわれはありません。 どこか他の板でご議論されることをお勧めします。 判断はこれを読まれた方に一任します。 こんばんは。 まる暴です。 今回の佐為さんのご回答には、正直ガッカリしました。 かなり、気分も悪いです。 意見の相違なら、議論をするにおいて当然のことですが、それ以前の問題です。 目上の方に、このような失礼な表現は、大変申し訳なく思っておりますが、私の正直な感想です。 では、かなり辛辣にいかせて頂きます。 私の結論を申し上げればなんらおかしいと感じるところはありません。分りました。 (まる暴さん wrote) アメリカ軍と対峙する相手国から、日本が攻撃対象国と認定され、攻撃を受ける可能性が高くなります。 現実に安保条約を結びアメリカの基地があり、核の傘の下にいていまさら何をと言う感じですね!私は、「可能性」の話をしているのですよ。つまり確率の問題です。 (まる暴さん wrote) 自衛隊に武力行使を認める防衛出動の発令を待たずして、対外的には「宣戦布告」とみなされるのです。 私寡聞にして国際法上それが宣戦布告とみなされるということを知りません。先に述べましたように、攻撃してくると「恐れのある」「予測された」時点で、有事体制が発動されるのです。 有事体制が発動されるということは、つまり「宣戦布告とみなされる」ということは、国際法上の話以前に、「当然である」ことをご存じないとは、少し驚きました。 武力攻撃事態法において、時の政府が「有事」と認定したことを例に挙げているのですよ。 根拠もクソもないですよ。 「有事」と認定し、自衛隊による対処措置が為された場合に「宣戦布告」と「みなされる」と言っているのですよ。 「みなされる」と。 「宣戦布告」そのもの、と表現していません。 「みなす」ということは、宣戦布告が為されなくとも、「宣戦布告」が為されたと同様の事態である、という事です。 しかしながらあなたの論理では、私の論理という話ではありません。 で、ここで問題になるのが、日本政府が認定する「予測や恐れ」によって、佐為さんが仰るように、宣戦布告とみなすことができることです。 まあ、有事を考えるにおいて、攻撃を受けていない状況下で、攻撃される「予測」でもって、日本がそれに対する準備・対処することは重要なことですが。 ただ私は、周辺事態法と攻撃事態法の有事概念の整合性を問題視しているのですよ。 まあ、私の見解は、周辺事態法の有事概念が、そもそも間違っていると思っていますが。 これを言ってしまうと、収集がつかなくなるので…。 とにかく、両法の定義の差異の抽象性を問題にしているのです。 はっきり言いましょう。このご意見は撤回して頂きたいものですね。 他人に「おかしい」と言い放つことの意味をご理解ください。 「あなたの見解」は、「間違い」「理解できない」だとか、「解釈に問題がある」などのご意見なら、私も全然問題のないものであると考えますが、「おかしい」と表現なさることは、慎まれた方が良いでしょう。 まあ、私はあまり気にしていませんが、一応このようなネットでの議論のマナーとして、意見させて頂きます。 戦争が好きな人はいないと思います。全く仰るとおりです。 時代遅れとおっしゃるなら、どこが時代遅れなのでしょうか?こういう質問が一番嫌です。 本当に法案を読まれたのでしょうか? この法案をおかしいと思う人間をおかしいと評価される方が、何故このような質問をされるのですか? とにかくこの法案は、第一分類(防衛庁所管事項)、第二分類(他省庁所管事項)が基本になっています。 つまり、冷戦時代の研究を下にして考えられ、作られた法案です。 簡単に表現すれば、「畑に塹壕を掘る」だけの法案なのですよ。 これが一体「時代遅れではない」と言う人の顔を見てみたいものです。 確かに、陸戦のケースを考えることも重要ですが、この21世紀の時代、有事を考えるにおいて「空爆」を想定しない有事法制なんて、笑うしかありませんよ。 更に、国民を避難させた後の訓練だけの自衛隊と、その避難後についてだけ規定する法案なのです。 国民を避難させる手段を規定しない有事法制なんて、聞いたことがありません。 これが最大の有事法制の立法趣旨だと私は考えます。 佐為さんは、有事における対応を法整備すべきであるというお考えの下、とにかくそのための土台を作るべきだと仰っておられます。 だからこそ、この法案は、有事事態に対応するためにも、正しい方向のベクトルを持ち合わせているというご見解。 気持ちは解りますよ。 しかし、私の摘示する問題をご理解くださいませ。 プライオリティーの違いなのでしょうか。 なぜ今?とおっしゃるなら、今までなかったのがおかしいのです?この仮定文並びに疑問文は、私に対するものですか? 先日も申し上げましたが、私は有事法制の必要性について、明確に是非を述べたことはありませんよ。 法整備は、必要だと思っています。 「今日の斬る」でも表現しましたが、有事法制の必要性を是認した理由は、テロや自然災害を包含した感覚でした。 しかし、現在においては、それは別個の法整備にすべきだと考えています。 つまり、先日私が提示しました「国家緊急対策基本法」を前提に、個別法を立法化するという手段です。 この部分を、佐為さんは読んで頂いているのかなぁ、というのが正直な感想です。 そうでないと、上記のような質問を私になさらないでしょう。 再度申し上げますが、私は有事法制の是非を佐為さんに質問しているのではありません。 この法案についての私なりの問題の所在を提示し、そのご見解を伺いたいということが、この議論の趣旨なのです。 私が提示させて頂いている論点で、お返事ください。 ここでお聞きします。 まず、具体的なものを考えて見ましょう。更に佐為さんは (有事法制の整備は、やろうと思えば1ヶ月程度で可能という私の見解に対して) できるんでしょうか?と佐為さんは、私に対して質問されましたよね。 それでは、私からさらに質問させていただきます。 この法案で、明日にテロ集団による、会期中の衆議院議員会館に対する攻撃に対して、一体如何なる対応・措置ができるのですか? できませんよね。 もし明日にでも、他国家による日本政府が有事事態と認定する事態になると、私たち日本国民は、どのような避難をしたらいいのですか? 他国からの武力攻撃の恐れや予測が為された場合、この法案では、私たちの生命・財産を守る手段は、何ら規定されていませんよね。 佐為さんが仰るように、1ヵ月で「有事法制の整備ができるのか?!」というご意見を前提にするなら、明日にでも、または1年後にでも有事事態として認定される事態が生じれば、この法案で対処できますか? 佐為さんが「できるのですか?」と私に問うよりも、政府に問い掛けてください。 「この法案で、私たちは守られるのですか?」 「自衛隊は、ちゃんと動けるのですか?私たちを守ってくれるんですか?」と。 また佐為さんは、北朝鮮を危険視されていますよね。 その北朝鮮が、今日にでもまたは1年後にでも、この日本を攻撃してくるか分らないとお考えなのですよね。 それなら、国民の避難手段を二年以内に立法化するという政府見解を何故非難されないのですか? 半年後、1年後に有事事態となったら? 有事法制の整備を必須と考えられているなら、このような法律案を「方向性は正しい」という感想ではなく、「現実に使い物になるような法律を作れ!」とHPで表現してください。 方向性が正しいだなんて、それこそ甘っちょろい感覚です。 「この法案は不十分」と仰るなら、その不十分な点を指摘されればいいことなのです。 私は、それを指摘しています。 佐為さんは、それを明確にしていらっしゃいませんよね。 私は、何度も表現しますが、整合性の問題や有事法制の目的・趣旨を具現化するにあたって、この法案の中途半端でナンセンスなことを問題にしているのです。 「過去は明日を保障しません。」だと仰るなら、この法案の修正を佐為さんご自身が提示してください。 この法案を反対する者を「代替案を提示できない、単純反対バカ野郎」と仰るなら。 私は代替案を提示できる知識はありません。 私よりも、佐為さんの方が説得力ある修正案をご提示されることでしょう。 佐為さんは、一体私の考えの何に対して、異論があると仰るのでしょうか? ここが、イマイチ判らないんですよ。 というか、佐為さんは、本当に有事法制についてお勉強されているのでしょうか。 かなり疑問です。 話がコロコロと変わりますが、上記の通り佐為さんは、「反対するなら、代替案を提示せよ。」と仰いますが、それは政治家のすることです。 確かに、個別な問題でなおかつ比較的考えやすい部分は、私なりの考えは表現できますが。 ただ、代替案を提示せよと仰る佐為さんは、本当に私が代替案を提示できると思っていらっしゃるのでしょうか。 それこそ、とんでもない研究と勉強を何年もしなくてはいけません。 法律案を作成する労力は、並大抵のものじゃありません。 私は時折軽く法律案の作成に関わることがありますので、その苦労はご理解してやってください。 簡単に代替案だなんて仰られると困ってしまいますよ。 それは、政治家の仕事。 政治家に対して、代替案の方向性などを私たち国民、住民が提言することは可能なことであり、大切なことですが。 この有事法制に関して私が問題としている内容をご理解いただけるなら、問題とならない法律案がどのようなものであるかは、想像していただけるかと思います。 今回のメールは、本当に失礼しました。 独り言の目次にもどる ![]() |