「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」
首筋にリストラの風を感じつつ、今日もいきます佐為節が〜♪
『すべて』とは一般に使う『すべての』と同じ意味です。
裁判官には簡易裁判所から最高裁までありますが、ぜ〜んぶの裁判官は独立して業務を執行し、憲法と法律と、己の良心にのみ拘束されるそうです。なんだ、条文と同じやんか(^^)
疑問点をあげます。
- 憲法99条にすべての公務員は憲法を擁護せよとあります。
すべての裁判官は公務員です。公務員でない裁判官のおこなうものをリンチといいます。これ冗談ではなく本当ですよ。
ならば、本条項で裁判官は憲法、法律に従えと書く必要はありません。
- 「良心に従って」ってなんですか?
良心に従って職務を執行しなくてはならないのは裁判官だけではありません。
- 審理官:電波監理審議会が行う審理及び意見の聴取に関する規則(平成六年九月三十日郵政省令第六十八号)
- 公平委員:不利益処分についての不服申立て(昭和六十年一月四日人事院規則一三―一)
- 不動産鑑定士:不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年七月十六日法律第百五十二号)
- 特許鑑定人:特許法施行規則(昭和三十五年三月八日通商産業省令第十号)
- 公正取引委員会鑑定人:公正取引委員会の審査及び審判に関する規則(昭和二十八年十月十日公正取引委員会規則第五号)
- 検察審査員:検察審査会法(昭和二十三年七月十二日法律第百四十七号)
- 国会における証人:議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年十二月二十三日法律第二百二十五号)
- 陪審員:陪審法(大正十二年四月十八日法律第五十号)陪審制は実行されてはいないが法律はある。
なるほど、良心に従って仕事をするのは裁判官の専売特許じゃないようです。
あれ、よっく考えると良心に従わないでよい仕事ってあるんですか?
大工が『外から見てわかんねえからほぞの隙間なんぞどうでもいい』といって家を建てちゃいけません。
売り子がうそを言って客に売ったら詐欺罪です。許されるのは『素敵ですよ』のほめ言葉くらいでしょう。
いえ、お客さんが釣り銭が多いのに気づきながら受け取ったらこれまた詐欺ですよ!
日本人なら、イエイエ人間なら正直に、良心に従い、お天道様にあわせる顔がないなんて生き方をしちゃいけないんです。中国人留学生がお世話をしてくれた老人を殺してお金を奪ったという事件が数日前ありました。犯人は良心を持ち合わせていなかったようです。育て方が悪かったのでしょうか?線路に落ちた人を助けようとして亡くなった留学生もいらっしゃいました。よって、「良心に従って」の文言はいりません。
- 「独立して」
これは一般的な会社員と違い、組織上の上長に従うことなく、判決を書くということでしょう。
上司の命令とおりしていたら三審制の意味ないものね!
でもね、特段、憲法に記述しなくてもよさそうですね。
本条項のまとめ
本条は不要です。
日本の裁判官はこんなこと書かなくとも職責を全うします。
76条3項 憲法が国民から国家権力に対する要求である事と、司法が国会や内閣と比べて国民の立場から最も遠い位置にある事から、当たり前の事でも明記する必要があったのではないでしょうか。 |
クロポ様 お便りありがとうございます。 もっとも遠い所にいるという意味が理解できません。議員は選挙で選ぶけど裁判官は選べないという意味でしょうか? その意味でしたら確かに政治家は常に選挙民の顔色をうかがって採決をするでしょうけど、裁判官は選挙民の意向には無関係でいられますから・・というと逆のような気もしますが ![]() これはいろいろな意味があると思います。 明治憲法では「天皇の名において(第57条)」だったので、それと違うんだということを強調したかったのかもしれません。 アメリカ憲法には類似の文言はありませんので、アメリカ流を入れたわけでもなさそうです。 まあ、考えるとこじつけはいくつもありそうです。 こんなことを考えるのも暇つぶしにはなるでしょう。 |