次世代CDについて

LAST UPDATED 5/20 2008

CompactDisc(CD)は人間の耳は再生周波数が20kHzまでしか聞きとれないという前提で、シャノンの定理により量子化16ピット、サンプリング周波数44.1kHzのPCMで記録された規格であり、再生周波数が22kHzまでしか記録されていない。
しかし、人間の耳は20kHz以上の周波数の音を感じる事ができるようで、CDより広い周波数帯域が再生できる規格が作られた。代表的なものにDVD-AudioとSuper Audio CD(SACD)があり、クラシックを中心にソフトがリリースされている。
しかしながら、CDでも十分に高音質な事もあり、ほとんど普及していない。

Super Audio CD(SACD)
SACDはソニーとPhilips社が提唱している、音楽を記録するための光ディスク規格。CDやDVDとの互換性はなく、専用プレーヤーが必要だが、従来のCD プレーヤで読める層とSACD専用層を1層ずつ組み合わせるハイブリッドディスク規格も用意されている。SACD専用層を2層にして長時間再生できるよう にもできる。再生は1層で2ch音声と5.1ch音声を収録した場合にそれぞれCDとほぼ同じ最大74分程度行なう事ができる。SACD層自体の容量は DVDと同じ4.7GB。
 音声信号の記録方式は、CDやDVD-Audioで使われているPCMではなくDSD(Direct Stream Digital)という方式を採用し、120dBのダイナミックレンジと100kHz以上の周波数特性を実現している。また、暗号化と特殊なピット形状で 強力な著作権保護がかけられている。
特殊なディスク構造なため、自作SACDを作る事はできないが、ソニーのパソコン「VAIO」に添付されてい るソフト「SonicStage Mastering Studio」等を使用してDSDをDVDに書き込んだDSDディスクを作る事は可能。ただし、DSDディスクが再生できるのは一部のVAIOとPLAYSTATION3のみ。

初期型のPLAYSTATION3(20GB/60GB)も再生に対応していた(PCMに変換して再生)が、後継の40GBモデルでは再生機能が省かれた(DSDディスクの再生は可能)。

DVD-Audio
DVD-AudioはDVDフォーラムによって策定された、DVDに音声(音楽)を記録するための規格である。
ディ スク自体はDVD-Videoと同一なもので、専用のアプリケーションフォーマットが追加されている。そのため、対応プレーヤーが必要となるが、ソフトに よってはDVD-Videoも同時に収録されており、通常のDVDプレイヤーでも聞くことが可能。DVDレコーダーの一部で再生に対応したものもある (Panasonic DIGA等)。
 最高音質では、量子化24bitのサンプリング周波数192kHz(2ch)、または量子化24bitのサンプリング周波数96kHz(5.1ch)といった組み合わせが可能。また、記録方式はPCMのほか可逆圧縮のMLPも採用されている。
なお、DVD-Videoとは異なりリージョンコードは設定されていない。市販のソフトを使用して自作のDVD-Audioディスクをつくる事も可能。

DVD-AudioとSACDは競合する関係だが、CDとのハイブリッドディスクが作れるSACDの方がやや優勢。

DTS-CD
DTS-CDとは、DVD等で採用しているDTS音声(フルレート)をCDに記録したもの。主にマルチチャンネルの音声が収録される。デジタルアウトのある普通のCDプレーヤーとDTSデコーダーが必要で、対応ソフトもほとんどないため、全く普及していない。

今でも高音質なCDだが、現在のCD規格のままさらに高音質にする技術が登場している。

Super High Material CD(SHM-CD)
SHM-CDはユニバーサルミュージックと日本ビクターが共同開発したもので、通常CDの素材とは異なる透明度が格段に高いポリカーボネート樹脂を使っている。素材が違うだけなので普通のCDプレーヤーで再生が可能。
また、素材にガラスを使用したガラスCDというものもある。
素材が異なるだけで本当に高音質になるのか?という話もあるが、本当に高音質になるらしい。

K2 High Definition CD(K2HD-CD)
K2HD-CDは日本ビクターが開発した「K2 High Definitionコーディング」を使用したCDで、普通のCDプレーヤーで再生が可能。24bit/192kHzのDVDオーディオフォーマットでデ ジタル化した音源を、16bit/44.1kHzのCDフォーマットに変換して記録している。

アップコンバート
CDフォーマットの16bit/44.1kHzを2倍の88.2kHzや4倍の176.4kHz等に変換(アップコンバート)する技術。失われた20kHz以上の周波数を補間する ので高音質になるらしい。CDのアップコンバートで有名なのがPLAYSTATION3。PS3では88.2kHzや176.4kHzに変換してHDMI、光デジタ ル、アナログ出力できる。


コピーコントロールCD
も ともとCDにはコピーコントロール技術は使われていなかった。MiniDisc(MD)全盛の時代はSCMS(Serial Copy Management System)の1世代までデジタルコピーがある程度有効だったが、パソコンでのCDリッピングが主流になってくると無限に複製が作れるようになってし まった。そこで、CDにあらゆる手段を施してパソコンで取込(リッピング)できなくするコピーコントロール技術が生まれた。方式には様々なものがあるが、 意図的にエラーデータを挿入するものが一般的。CD規格を逸脱しているので、CompactDiscのロゴは付かないし、当然音も悪くなる。もともと強引 に追加したコピーコントロールなため、パソコンで問題なくリッピングできたり、CDプレイヤーで再生できなくなる事も多かった。
コピーコントロールCDにはCDS(Cactus Data Shield)やレーベルゲートCDなどの種類がある。
一時期は多くのレコード会社が採用していたが、最近かなり減った。


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