www.bx.citroen.org
HydroPneumatic HP belt
tensioner adjustment
Tech Guide

HPベルト・テンショナー調整のヒント

ハイドロニューマチックの高圧ポンプ駆動ベルト(以下、HPベルト)のテンション調整はなかなか大変な作業でした。長いバールを使ったり、専門ショップでもSSTを製作したりして結構苦労しているようです。

テンショナーを手動で動かして調整するのですが、これが奥まった所に有り、周囲に高圧配管などが有るため神経を使う部分でもあります。私もバールなどを使っていましたが、CMLメンバーのSさんから良い方法を教わりましたので変法等を加えつつ試してみました。

この方法では全てボンネット上から作業でき、タイヤやフェンダー内部のカバーを外す必要も有りません。出先やベルト切れなどで座り込んだ車にも使える簡単な方法です。

 ※16V、ディーゼルモデルではポンプの位置が写真と異なります。


今回使用した工具

上段より




 作業の実際

オルタネーター・ステーを下に伝っていくと、HPベルト・テンショナーを調整する為の四角い突起が見えます。

これはテンショナーブラケットの一部で、バールなどを用いる時もここに引っ掛けてコジります。隣でトグロを巻いているのは高圧ポンプからの配管。野蛮な作業で破損すると、あとで大変な目に逢うかもしれません。

写真で分るように周囲は狭い場所です。

さて、ここからは教えて頂いた方法で、私にとってはコロンブスの卵でした。

この四角いステーは幅が17mmです。ここにスパナをかけて手前に引き、テンションを調整する事ができます。レンチの反対側はラジエーターの筒の部分(サブタンク)に沿うような位置となり、作業にあたって干渉する部分も有りませんでした。

このツールで調整できる事が分かったので、今度はブラケットの固定ボルトを緩めます。

ボルトはHPのプ−リ−側に有り、テンショナーの上下に位置します。写真は上側のもので、下のボルトはテンショナーブラケットの支点になっています。
この2本を緩めます。

次に活躍するのが13mmのディープオフセット・レンチです。

ボルトはプーリーのすぐ脇に有るため、平らなレンチでは干渉して緩めるのが大変です。3/8ラチェットハンドル+ソケットでも作業は可能ですが、深い位置にある為長さが足りず操作に苦労します。

今回は25mm程度のオフセットと27cmの柄を持つメガネレンチ(13と17の組み)を使用しましたが、作業性は抜群でした。


 さらに楽したい人の為のオプション(笑)

テンション調整の際、17mmスパナは柄が短いため力が掛けづらい場合が有ります。写真のロングナットは全ネジ棒を連結する為のナットで、大抵のホームセンターで購入できます。これを支点に2つのレンチを組み合わせて延長しました。

2つのレンチのメガネ部分にロングナットを噛ませます。

今回は写真の様に角度を付けて使用してみました。
リーチが長いため、力が掛けられます。


レンチは延長して使うと口が開いたりして壊れる事も有ります。
専用に安価なものを用意したほうが良いと思います。
(今回は「STRAIGHT」で購入した340円のコンビネーション・レンチです。)

他にもいくつかの方法を御教示いただいております。
折りを見て紹介したいと思います。
ありがとうございました。



(C) Y. Narabayashi


www.bx.citroen.org