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ENGINE ECU Self Diagnosis
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モトロニックシステムECUの自己診断機能

田舎のみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
私のように田舎に住んでいるため、近くにシトロエンの正規店がない方も 多くいらっしゃるでしょう。
たいていの修理は、部品さえ入手すれば町の修理工場でもしてもらえますが、 コンピュータの診断(ダイアグノーシス)は出来ないところがほとんどだと思います。

このたび、お手軽に診断出来る方法がありそうだとのありがたい実験指令(笑)を得ましたので、やってみました。
なお、この方法はモトロニック燃料噴射の車のみに適応できます。



方法の概略を説明します。
モトロニックの車には、エンジンルーム内にダイアグノーシス診断をするための ソケットが用意されています。ソケットには端子が2つ有り、その片方をショートさせたり ショートさせなかったりすると、メーター内のモトロニック警告灯が複雑な点滅をします。 この点滅回数で、どこのセンサー類などが狂っているかがわかる、という仕組みです。

では、始めましょう。

これがソケットです。

エンジンルームの右側スフェアのフェンダーよりにある緑色のソケットです。

画像のようにソケットの欠けている方を下にして、向かって右側の端子を使います。 ここから配線を出し、ショートさせたりしながらメーター内を見なければならないので、車室内に届くぐらい十分な長さを確保しましょう。


上記配線を室内まで引っぱり込み、ショートさせる場所(アースさせる)を探して下さい。
私は、ドアの蝶番でショートさせました。

いよいよ開始です。

  1. イグニッションをonにする。
    メーター内の警告灯が点灯します。
    特に、モトロニック警告灯が付いていることを確認して下さい。(左画像参照)


  1. 3秒から5秒程度ショートさせた後、ショートをやめる。
    ショートをやめた瞬間にモトロニック警告灯が消えます。(左画像参照)
    消えてから2秒ほどするとa回点滅し、さらに1秒ほどしてからb回点滅します。

    b回点滅終了後3秒ほどすると、モトロニック警告灯が点灯し、待機状態となります。 2. の操作を繰り返して、故障個所を探していきます。


最初の点滅回数はa=1、b=2のはずです。これは、TEST開始を意味します。
最後はa=1、b=1です。これはTEST終了を意味します。
TEST開始の次にTEST終了が示されれば、故障個所無しです。めでたしめでたし。
しかし、TEST終了表示前に別の点滅回数が示されたなら、どこか故障個所があるということになります。

下記に、点滅回数がどこの故障に該当するか書いておきます。
 a  b  故障個所
 1  1  TEST終了
 1  2  TEST開始
------------------------------------------------------
 1  3  吸気温センサ
 1  4  水温センサ
 1  5  燃料ポンプリレー電源
 2  1  アクセルスイッチ(アイドル)
 2  2  アイドルスピード・コントロールバルブ
 3  1  自動CO調整機能(補正増幅)
 3  2  自動CO調整機能(補正追加)
 3  3  エアフローセンサ
 3  4  キャニスタエレクトロバルブ
 3  5  アクセルスイッチ(フルロード)
 4  2  インジェクタ電源
 5  1  O2センサ
 5  2  O2センサ電圧
 5  3  バッテリー電圧
 5  4  ECU
 5  5  COメーター

故障個所が多くあれば、なかなかTEST終了を表示してくれないわけです。

TEST終了表示後イグニッションをOFFにすれば終わりです。ただし、故障個所の記録は 残されたままになります。
記録を消去したい場合は、TEST終了表示後、10秒以上ショートさせれば 消えます。消去後は、もう一回診断してみてちゃんと故障記録が消去されていることを確認して下さい。


- 追記 -

メーター内で確認しなければならないのが意外と面倒ですね。
何とかエンジンルームのソケット付近だけで出来ないかと思い、テスターで試行錯誤したところ、テスターの読みで出来ることがわかりました。

方法は、上述と同様にソケットの向かって右側を使用します。
また、テスターを電圧計として使います。

  1. テスターの(+)をソケットの右側に接続、(-)をボディなどにショートさせる。
    この時は[0v]です。
  2. ソケット右側を3秒から5秒程度ショートさせる。
      並列でもう一本線を用意してショートさせると良いでしょう。
  3. ショートをやめる。
    すると、
[12v: 2秒] [0v: 瞬間]
[12v: 2秒] [0v: 瞬間] [12v: 0.5秒] [0v: 瞬間]
[12v: 2秒] [0v: ずっと]
とテスターが表示します。

0vの回数が上述の警告灯の点滅の回数に相当します。
この場合、"12"(=テスト開始)を示しますね。
ですから、最後は下記のように"11"(=テスト終了)を示します。
[12v: 2秒] [0v: 瞬間]
[12v: 2秒] [0v: 瞬間]
[12v: 2秒] [0v: ずっと]
回数と該当する故障個所の関係は上述の通りです。
文章で書くとわかりにくいですが、実際は結構読みやすいです。


(C) N. Mayumi
nal's Garage


付録:ECUピンと診断コネクタ、警告灯の関係

配線図より関連するものを抜粋したもの。

診断コネクターのピンと警告灯は並列接続です。
ここから想像するに、デジタルコードチェッカー[ OUT 3040 97 ]は警告灯を点滅させる回数を拾って表示させているような気がします。

今回はカナダに本拠を持つCitroen Mail List/XM-ML投稿記事をヒントに試してみました。
BX情報がXM-MLから得られるとは、なかなか皮肉ですね。

今後、各センサーを外して一つずつ動作確認をする予定です。




(C)Y.Narabayashi

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