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Fuel Injection Air Flow Meter
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LU2‐Jetronicのエアフロメーター再生

TRI及びTZIに採用されているLU2−Jetronicシステムで大きな役割を果たすエアフロメーターを中古で入手したので、12万キロ走っている個体に取り付けて走ってみた。

あまり期待はしていなかったが、取り付けてみると中速域のトルクがかなり太くなっており、最近苦手になってきた高速道路の合流も余裕でこなすようになった。
その半面、一定スピードでちょっとアクセルを抜くと点火カットされたような状態になり、これが結構神経にさわる。
まあ駄目でもともととばかりに、上記の症状のエアフロを分解してみた。

エアフロ上部に付いている黒い樹脂のカバーはボンドで固定されている。

丁寧にドライバーでこじっていけば外す事ができる。


仔細に観察すると、基盤に黒く歯車状に描かれているカーボン抵抗の一部に剥がれがあり下地が出てきてしまっている。

エアフロはエンジンからの負圧でフラップが動き、フラップと連動したアームがこのカーボンの抵抗をなぞり、抵抗値の変化で燃料噴射量を決定している。
カーボンが剥がれてくると不正な噴射の領域ができて息つきになるものと推測した。

アームが剥離部分を避けて動けば、不快な症状が解消されるはずと考え抵抗が描かれている基盤をオフセットしてみた。


基盤は3Mのビス3本でエアフロに固定されており、これを外せば良い。

(この個体の場合、すでに誰かが挑戦した形跡があり、3本のうち1本はビスの頭がとれていた。このためには真鍮のカラーを挿入してある)


外した基盤の取り付け穴をドリルで1mm程度拡大してやると、この範囲で基盤のオフセットが可能となる。

剥離した部分にアームが触れないように調整しながら基盤を取り付けてやればよい。

取り付けの際はロックタイトのようなネジロック剤で固めた。

再生したエアフロを装着して試乗してみると思惑通りに組み付けられたようで、息つき症状は完全に消滅していた。

ちなみにエアフロの抵抗値は以下の通りでした。(単位:オーム)

        全閉状態   最高値
再生品      360   900   
12万キロ使用品 320   650

エアフローメーターについては、メーカーのBOSCHは分解は禁止しています。
また国内の定価は96.000円とたいへん高価です。

試される場合の作業はくれぐれも慎重に行われる事をお願いします




(c) J.Hara


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