ここでは会の了解を得て抜粋させていただいています。全文をお読みになりたいかたは路上詩人協会代表の平山さんまで。
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"heartbeat"とは路上詩人協会が2000年9月に創刊した機関誌。まず「路上詩人協会」とはなにか?路上で詩人が勝手に詠むのに協会組むことはないデショ....と思うでしょう。誰もがまず感じるこの疑問、それには意外な回答が。詳しくは設立の呼び掛けのページを見ていただくとして、ここでは創刊号にのせられたメッセージを一部抜粋してご紹介。
私自身はビートもヒッピーも世代ではないし、それにことさら焦がれることもない。ただ、ものも時間もそれぞれの頭も感覚も、ひたすら消費することしかできない社会に対する対抗への共感はとてもとても感じるし、ほっとけば自分もそうなる危機感は持っているから、ここにあるメッセージは、いまそれぞれがひとりづつそこに在ること、そして全てはその連続にすぎないことに改めて気付かせてくれる。
響き合うのはそれぞれの個が自ら震えるから。前世代の否定や憧れ、次世代への非難や諦め、自分ではない誰かの疑似体験、それらはすべて消費のパターンにすぎない。もうやめよう、そうして誰かの消費を担うのは。

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僕は昔、サンフランシスコでデッドというバンドにはまっちゃって、ランボーじゃないけど五感の意識的錯乱をやってるうちにギンズバーグに抱きつかれたり、トム・ウェイツと会ったり、気がつくとビートからヒッピー時代の素敵な流れの中にリンクしてたんだ。.....ヒッピーの語源のヒップって言葉は、スクエアに対するヒップ。恐れや適愾心、自意識や競争心っていうよろいで心を角張らせてないで、柔らかにお尻を揺すって、みんながもっとハートビートしていかなきゃ、やばいよね。
ビート・ジェネレーションの詩人とかいっても.....傷つくことだけ一人前で、寂しくなると遠くの仲間に会いに.....何千マイルも旅して出かけていってしまう。でも彼らの素敵なところはみんなアローン・トゥゲザーで、自分探しの旅をきちんとしてるんだよ。後でジャック・ケルアックが.....ビートの定義はって聞かれ、ひとこと『共感』って答えるんだけど.....別の言葉でいえば、やさしさと思いやりさ。
ヒッピー・カルチャーの本質は.....「自由とは失うものが何もないということさ」というところまで自分たちを裸にして、真剣に次の時代をビジョン・クエストしたことさ。

.....詩人諸君、はんぱな孤独の中で群れてないで、もっとアップしてダウンしてヒートしてビートしておくれ。.....一番の基本にあるもの、言葉にならない自分の心の中にある水の揺れぐあいとか、光のきらめき方、そいういうものを取り戻す。そこに詩はあるんだ。.....ギンズバーグもスナイダーもケルアックも俳句とか寒山詩とかを読んだりして、お互いスイングしてるじゃない。響きあうこと、共振みたいなものがあちこちにあるけど、今日の日本のポエトリーシーンに欠けているものは響き合いだと思うな。.....
詩人は.....自分がほんとうにビジョナリーというか幻視者というのかな、自分たちが扉を開かない限り、このダメな世の中は変わらないっていう風なもの、そういう志みたいなものを持ってもらいたいんだよな。
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今のポエトリーリーディングシーンに集まる若者たちへ.....それなりに面白いと思っているし応援しているけど、体験のない所から生れてくる詩というのは、聴いていていつまんないんだよね。.....しかしながら、ビート系・シュール系の詩人の大先輩の白石かずこさんや故諏訪優さんなどなどには、現在でも多くの影響を与えられているけどね。リスペクト!
これからのポエトリーリーディングシーン、.....ださい事はやめよう。.....色々な分野にいる仲間たちのエネルギーを詩的に感じ合えるといいね。パフォーマンス・音・映像・歌との合体っていうのもごきげんだね。Do it! Do it! していくと素敵なシーン&パーティが始まるよ。
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