BOOK BAR 4 >   > 放電 


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宇宙のうんちみたいな隕石と

火星人の左手みたいな海百合の化石を買った翌月

地球のような表面をした惑星に

ソジャーナが降り立った

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のようで

みたいで

感じがするもの

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実物より本物みたいな土門拳の仏像写真

生音のようなカザルスの無伴奏チェロ組曲

麻酔でしびれた右顎の

骨にかぶるもも肉のような感覚

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弓なりの駅のホームを歩くときの

体がめくれるようなイイ感じ

とか言って

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宇宙のうんちなどみたことがなく

カザルスの生演奏など聞いたこともない

まして

鶏のもも肉になったこともないし

体がめくれてしまったこともない

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経験のない実感の実在

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なのに確かに

そのもののらしさを言い当てたような

心地よさを感じること

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快感の陰謀は

かれこれ四百万年前の

スーパーインフラ計画に始まる

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それから四百万年後

人口分の地域に溢れる自由観光の実際は

そっちとこっちとあっちのパルスを逃さない

しかもこの種の電位は全て

双方向の興奮性連続結合

グルタミン酸が出まくって

至福のうまみを味わうに似る

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ここに味覚の神経が

にゅるにゅると伸びてきたならビックバンだが

今んとこ

そこでぴくぴくわなわなと

痙攣するしかすべがない

分裂できない神経たちの

体を張った自己主張

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ホウデンシテクレ カイカンヲアゲル

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そしてまた今

言い当てた気になって

心地よさにひたるひと

その気にさせて放電させて

新たな発火に身を奮わせる君ら

同時代的

共生の

鼓動

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「gui」52 初出