MDの音について19980619.19990613

MDというものがあります。CD並みの音声情報を圧縮したり間引いたりしてその情報量を減少させることができます。ただ、それは普通に聴いてもわからないように行われています。しかし、MDを広いところで鳴らすとそれがひどい音だと言うことが明らかになります。すかすかな音がします。それはなぜか。と言うことを考えます。

これは知り合いの方から聴いたお話を元にしています。

MDは「人間の耳には聴こえない音」をカットしています。で、それと言うのは確かに聴こえない訳だからカットしちゃっても構わない訳です。理論的には。

MDの音ははっきりすっきりしています。今まで使われていたカセットテープのようなアナログの音より歪みやノイズが少ないからです。それは明らかにカセットテープよりも優れている点です。そういうことを無視してはいけない。ただ、ひょっとするとカットされた、聴こえてないはずの音が関与しているのかも知れなません。

で、なんで広い場所で鳴らすとダメなのかと言うことです。それは、ここから受け売りですが、「カットしている聴こえない音と言うのはあくまでも直接音に関してであって、録音されているものを空間に放出し、さらに反射その他よくわからない現象を通じて人間の耳に入ったときには、カットされている部分が影響するのではないか」ということです。

わかった? すごいでしょ。

おかげでどーやったってすっきりした音が出ちゃって便利ですけどね。

聴こえている音、聴こえていない音。を分けて記録することは人間の聴覚能力へのアプローチとしての一つの方法としては正しいのかも知れなません。しかし、それは情報量が減っても「同じように」聴こえる、ということであって、処理された音は記録した時と同じ波形を見せることはありません。それを人間が同じく受け取るということもまた、ないことです。音をちゃんと扱うのならば、記録された音声情報を減少させるべきではないでしょう。


参考:石野卓球さんはCDについて「人間をバカにした規格」、坂本龍一さんはMDやMP3について「(そこに存在する音をカットするということは)聴いている僕をバカにしている」というような発言をなさっていました。


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