ART織田の


週末画廊日記特別編


1999年6月21日版

6月19日 20日

大江良二本土進出第一弾。ロードサイドミュージアムXa104@広島県双三郡吉舎町。


19日 気分はブガルスキー

金がない。とりあえず、大江さんの作品を見るために、広島県三次に行きたいのだが、金がないのだ。というわけで推定走行距離450kmを下道で走りぬくことになった。しかも混雑を避け、山岳ルートを選んだ。
まず吉和〜加計間の186号線。3桁国道の醍醐味である、信号のないワインディングを80km前後で走り抜ける。慎重且つ速やかなコーナリングで、大きくロールするシトロエンAX−GTは弱音をはかない。ロールしてねばる足のセッティングは芸術的である。パワーアシストのない舵もまさに男の仕事だ。
田舎を誇る中国山地は、千代田をすぎるあたりの433号から、難所らしい態度を見せ始めた。次第に車線が消え、いつしか離合も出来ない林道になっていた。ガードレールもない断崖絶壁とせめぎ合う。ライン、ハンドリング、グリップの一つ欠けても命が無くなる。いつもは信頼性がないと嘆くフランス製の車に100%の信頼をおく。セブリングの排気音があれた山に響く。敵も味方もいない。すでに恐怖は無かった。私は山を抜け三次市へ凱旋して行った。すでに日はずいぶんと西に傾いていた。


20日 吉舎はよいとこ

というわけで、絵の話し。
きわめて現代的なフォルムのロードサイドミュージアムはすぐに見つかった。空港東のユーロバージョンよりも2周りくらい小さいスペースはちょっと残念だが、ショーケースのマネキンのように絵を配置する建物自体は斬新といえるだろう。作品全部をいろいろな角度から見れるので、その点もたのしめる。
大江さんは余裕である。前日のみ過ぎで午後出勤というのも余裕だが、余裕でこの個性的な空間を埋めてしまっていた。大きな平面、立体の集団、小さな彫刻、小さな平面が見事に変化に富んだ壁面やちょっとしたスペースを賑やかにしていた。へぇ、やるじゃんセンセーという感じか?多芸多才の仕事がブラボー。
こんなすばらしいスペースのある吉舎はうらやましい。もし近くを通りかかったら、寄ってみる価値は必ずあると思う。車が走ってナンボのように、絵も見られてナンボだ。通りかかった人が誰でも見れる事を意識したこのミュージアムは作り手の考え方、姿勢そのもののすばらしさが感じられる。さいごに、管理人?の元気なおねーさんに感謝。


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