Athena
Athena
知恵と戦の女神
(アテナ / ローマ神名:ミネルヴァ Minerva)

ギリシャ神話の戦神といえば、火星にその名を記すアレスがいます。昔から火星がそうであるように、アレスは凶々しく狂暴な神として恐れられています。反面、アテナは知的で思慮深いとされています。
戦いにあたっても同様で、アレスが実際の戦闘など流血を伴うような狂暴な部分を司っているのに対し、アテナは戦略あるいは政略を司っています。
このことから、アテナは特定の都市や民族などの守護神として崇拝されることが多かったようです。
また、数々の英雄達(ペルセウス、ヘラクレス、アルゴ船など)を助けたり、トロイア戦争でギリシャを勝利に導くための知恵を授けたりもしました。

左手の楯はアイギス(Aegis)といい、その中心には、見た者を石にするというゴルゴン(メデューサ)の首がはめ込まれています。ちなみに、このゴルゴンを退治したのがペルセウスで、ペガサスに騎乗しての帰途、エチオピアの海岸で海の怪物の犠牲になる寸前の王女アンドロメダを助け、妻とします。
アンドロメダの父親はケフェウス、母親はカシオペア。これら登場人物たちは、星座にその名を残しています。
ちなみに、敵ミサイルから艦隊を守るシステムのイージスは、この楯の名前の英語読みです。

ある日ゼウスがトリトン河の岸辺を歩いていると、猛烈な頭痛におそわれます。鍛冶の神ヘパイストスが痛みに苦しむゼウスの頭を斧で割ると、完全武装のアテナが飛び出してきました。これがアテナの誕生です。
こうしてアテナは、知恵と戦の女神として、オリュンポス12神の1柱に加えられました。

古来、知恵ある鳥とされている梟(ふくろう)はアテナの使徒です。首相官邸の屋根にも、「智をもって治める」ことの象徴としてかざられています。
勝利の女神として知られるニケ(Nike)がアテナに付き従っています。


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