このサントラを聴け!



このコーナーは新旧東西を問わず、お薦めのCDを集めたものです。

(あくまで個人的な好みによる)

ではいっちょブア〜ッといってみましょう。



BEAT GIRL/STRINGBEAT
狂っちゃいねえぜ/STRINGBEAT
作曲:ジョン・バリー
演奏:ジョン・バリー・セブン


007サウンドの原点。原題の通りにビートの効いたエレキが炸裂し、ブラスが咆哮する。メインタイトルを聞いたときはタランティーノの映画かと思った。ちょっと安っぽいノリも◎。このテが好きな人にはたまらないだろう(私もタマラナイくち)。この作品から007/サンダーボール作戦ぐらいまでがバリーのビートサウウンドの絶頂期だと思う。バリーのもうひとつの持ち味であるリリカルな面はまた別の機会に紹介したい。



ANGEL HEART
エンゼルハート
作曲:トレバー・ジョーンズ

この映画のもつオカルト的なムードとハードボイルド探偵物のようなジャージィーなムードが絶妙に融合したスコア。ところどころ台詞もインサートされているが、邪魔にならない。ジョーンズの仕事の中ではベストの1つだろう。クリフハンガーよりもこの作品の方が彼本来の持ち味のような気がする。まともにCDがリリースされることが少ない(エクスカリバーやダーククリスタルは限定盤だし、フリージャックはスコアが1曲しか収録されてないし、暴走機関車は廃盤だし・・・)人だが、もっと評価されていいと思う。



GAME OF DEATH/NIGHT GAMES
死亡遊戯/ナイトゲームス
作曲:ジョン・バリー

かぁ〜っ。燃えるぅ〜。ブルース・リーの洗礼をモロに受けた世代なので、このメイン・タイトルを聞いただけでアドレナリンが沸騰する。おなじみの怪鳥音も収録されており、ムード満点。これ以上の説明は無用。このCDを聴け!。





BATMAN/MASK OF PHANTASM
バットマン(アニメ・ムービー)
作曲:シャーリー・ウォーカー

アニメだからといって馬鹿にしてはいけない。作曲を”あの”シャーリー・ウォーカーが担当しているのである。このスコアを聞くと、映画版バットマンのスコアの魅力はエルフマンの才能もさることながら、ウォーカーのオーケストレーションによるものだったことがわかる。その証拠にバットマンリターンズ以後、ウォーカーと組んでないエルフマンはあまり精彩がない(マーズ・アタックで久しぶりにエルフマンらしさが復活したけれど)。スコアは、コーラスを多用するところといい、重厚なオーケストレーションといい、ウォーカー節?全開。映画版の例の印象的なテーマ曲を流用していないところはウォーカーの意地か?(単に権利関係の問題だったりして)。ラストにラブ・バラード調の挿入歌がはいっているのはご愛敬。



THE PRINCESS BRIDE
プリンセス・ブライド・ストーリー
作曲:マーク・ノップラー

おじいさん(ピーター・フォーク!)が病気の孫に読んで聞かせる本の物語。おじいさんは言う。「この物語ではあらゆることが起こる。決闘、フェンシング、拷問、復讐、巨人、怪物、追跡、脱出、真実の愛、そして奇跡」(〜ライナーノートより)。このスコアにもそれらがすべて盛り込まれている。ロックバンド「ダイアー・ストレイツ」のギタリスト、マーク・ノップラーが曲を担当している。彼自身の弾くアコースティック・ギターの優しい調べが、このファンタジックなラブ・ストーリーの世界へ誘なってくれる。挿入歌「STORYBOOKLOVE」も映画のエンディングを締めくくるのにふさわしい名曲。ノップラーの映画音楽はこれが4作目。本職の映画音楽家ではないが、才人である。彼女(または彼氏)とおふたりでBGMにどうぞ。



BARRY LYNDON
バリー・リンドン
編曲、指揮:レナード・ローゼンマン

硬派の作曲家、ローゼンマン。この作品で彼はアカデミー編曲賞を受賞した。曲はバッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ヘンデル等のクラシック中心。だがこの感情移入を許さない突き放したような編曲はどうだろう。このスタンスはこの作品の監督であるスタンリー・キューブリックと一致する。原曲はクラシックでも、これは間違いなく彼の「作品」である。最近は「スタートレックW/故郷への長い旅」や「ロボコップ2」などでどハデな曲を書いてるが、かつての硬派なサウンドをもう一度聴いてみたいものである。ちなみにローゼンマンは「エデンの東」、TV「コンバット」のテーマ曲で有名。



ZORRO
アラン・ドロンの ゾロ
作曲:G.&M.De Angelis

イタリアで活劇撮らしたらNo.1(と勝手に思ってる)のドッチオ・テッサリ監督の傑作。音楽を担当しているDeAngelis(兄弟?)については寡聞にして知らないが、ギター中心のマリアッチ風のスコアは、このコメディ・タッチの活劇をにぎやかに盛り上げる。かと思うと、決闘シーンではマカロニ・ウェスタンを彷彿させるハードなタッチを聴かせ、硬軟自在。だがなんといっても能天気な主題歌(エンディングにも流れる)がこの作品の魅力である。なおこの映画をまだ観てない方は、できれば吹き替えで見て欲しい。(TVをエア・チェックしてる方を探すように。無理かな・・)野沢那智さんの吹き替え(もちろんドロン役)がもう最高なんだから。


PASSIONS&ACHIEVEMENTS
A 20-years Retrospective of Soundtracks from Films of Director Ron Howard

収録曲:バニシング in TURBO、ラブ in ニューヨーク、スプラッシュ、コクーン、ガン・ホー、ウィロー、バックマン家の人々、バック・ドラフト、遥かなる大地へ、ザ・ペーパー、アポロ13、身代金

ロン・ハワード監督作品のベスト盤。企画ものとはいえ初期の作品はCD化されてなかっただけに、サントラマニアは押さえておきたい1枚である。私としてはお気に入りの「スプラッシュ」と「ガン・ホー」のCD初収録がうれしいが、各作品1曲ずつだけの収録はちょっと残念。それぞれの作品の作曲家をみると、ジェームズ・ホーナーとのコンビがもっとも多いが、それ以外の顔ぶれもバート・バカラック、リー・ホールドリッジ、トーマス・ニューマン、ランディ・ニューマン、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムス、となかなか趣味がよろしいと思いませんか?。


LITTLE SHOP OF HORRORS
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ
作曲:アラン・メンケン 作詞:ハワード・アシュマン

公開当時、友人に薦められるままに見に行き、挿入歌の1曲1曲の出来があまりにも良かったのでいっぺんで気に入った作品である。それもそのはず、作曲を担当してるのが今をときめくあのアラン・メンケンだったのである。もともとロジャー・コーマンのB級ホラーをオフ・ブロードウェイでミュージカル化したものなのだが、メンケンはこのときから曲を担当している。ディズニーの「リトル・マーメイド」でブレイクする以前の仕事だが、その才能の片鱗はこれらミュージカル・ナンバーからすでに窺い知ることができる。個人的にはスティーブ・マーチン(この人は本当に日本じゃウケない人だなぁ・・)扮するサドの歯科医が歌うナンバー「歯医者」がオススメ(^ ^)。見てない人はビデオで見るように。マゾの患者役のビル・マーレイとのカラミは爆笑モンだ!


KUFFS
カフス!
作曲:ハロルド・フォルターメイヤー

ハロルド・フォルターメイヤーという名前にピンとこなければ、「トップガン」の”トップガン〜賛美の世界”や「ビバリー・ヒルズ・コップ」での”アクセルF”という超カッチョいいテーマ曲を作ったヒト、といえばわかるだろう。2作品とも歌曲中心でフォルターメイヤー自身のインストは上記の1曲づつしか収録されてなかったが、この「カフス!」はうれしいことに1枚まるまるフォルターメイヤーのスコアで構成されている。曲は全編、シンセ主体の”ファンキーなアクセルF”といったノリでやはりカッチョいい!挿入歌も1曲収録されてるが、これも「ビバリー〜」の”ニュー・アティチュード”を彷彿させるノリのいい曲である。
(文献やライナーノートによってはフォルターイヤーと表記してるものもありますが、ここではメイヤーで統一しました)


THE COMPETITION
コンペティション
作曲:ラロ・シフリン

ジャズが基調のスコアが多いシフリンだが、この作品は彼のキャリアの中でも異色の部類にはいる。ピアノ・コンペティション(つまりコンテスト)に集う若者達のお話だけに、当然のことながらスコアはピアノ曲がメイン。既成曲ではプロコフィエフとベートーベンのピアノ協奏曲が収録されており、シフリン自身がロサンジェルス・フィルを指揮している。シフリンのオリジナルスコアも全体的にしっとりとしており、いつものジャズの息吹は全く聞かれない。が!シフリンで”愛のテーマ”が美しい作品なんてこれだけじゃあないだろうか(まあ、アクション物を手がけることが多いので”愛のテーマ”自体がシフリンには珍しい)。他にもメインタイトルからベートーベンの「皇帝」にスイッチしていくあたりなんぞはトリハダが立つほど美しい!ちなみに”愛のテーマ”はシフリン自身のピアノ演奏である。この作品が国内盤CDで買えるんだからいい時代だ。MCAビクターさん、とりあえずはありがとう!


THE SUMMERTIME KILLER (RICATTO ALLA MALA)
サマータイム・キラー
作曲:ルイス・(エンリケ)・バカロフ

主演がクリス・ミッチャム(先日他界したロバート・ミッチャムのご子息)とオリビア・ハッセーというだけで時代を感じさせる。スコアの方も70年代テイストあふれるちょっと黄昏れたメロディーだが、今はこういうのが逆に新しく聞こえる。主題歌の「RUN AND RUN」はモロにフォーク・ソングだが、サイモン&ガーファンクルを彷彿させる名曲に仕上がっている。作曲のルイス・バカロフは昔では”知る人ぞ知る”的な作曲家だったが、近年は「イル・ポスティーノ」で、その名はメジャーとなってきた。
なおこのCDにはバカロフが担当した日本未公開作品がカップリングされてるが、こちらもいいぞ!