初代 PS/55noteの後継機として登場したのが、この N23SXです。
いわば
2代目といったところですが、実際にはあまり大きな変化はないようで、とても地味なモデルです。
さすがに最近は中古機として出回っても売れないためか、ジャンク扱いで時々その姿を見かける程度となってきました。
これを記述している時点で、残念ながら手元に初代モデルが無く、実際に初代モデルを見たのも数回程度なので曖昧な部分がありますが、この角度から見える範囲では、初代モデルとの違いがはっきりと判りません。(苦笑)
でも、裏を返せば、初代モデルのデザインコンセプトの完成度の高さの現れなのかもしれませんね。
いきなり背面からのショット。
右側が拡張バス(AT)、左側下段がパラレルポートとシリアルポート、上段が電源スイッチとPS/2ポート、そして初代モデルには無かったCRT出力が配置されています。
98noteなんかでもそうであった様に、初代では1枚物だったコネクタ部の蓋が左右2分割になっています。
左側面には、手前からリセットスイッチ穴、DC電源入力、モデムスロット(本機ではモデムカード実装済)の順に並んでいます。
モデムスロットは、PCカードスロット搭載機出現までの間、大抵のノートパソコンに存在しており、本機もそんな中のひとつでした。
モデム自身はデータ速度が2400bpsという、なんとも懐かしいスペックです。
モデムカードは初代モデルと共通のオプションとなっています。
(99年の秋頃に秋葉原で大量に叩き売られていたのを目撃した記憶があります)
基板を良く見ると、当時から有力なモデムメーカーであった「OMRON」のシルク印刷があるところが興味深いところです。
モデムスロットから内部をを覗き見たところ。
天板側に内蔵スピーカーとおぼしき円形の物体が確認できます。
スピーカーといっても、当時のノートパソコンには音源を搭載しているものなどは無く、本機も当然ながら、Beep音とキークリック音程度しか発音しません。
それでも、98noteなんかで見られた圧電スピーカーよりも、多少はマトモなものが付いているように見えます。
すぐ隣のDCジャックの電源定格表示にも注目。
右側面にはフロッピーディスクドライブが内蔵されています。
FDDは
3モード対応で、初代モデルで外付けだったものが本機で内蔵化されています。
FDD無しモデルも存在していたようで、その為かドライブのベゼル部が別パーツとなっています。
ひっくり返した N23SX。
傾調整脚が、裏返った本体を戻そうとバタバタ動いているみたいで、なんとなくユーモラスな姿に見えます。
この脚は、スプリングによりワンタッチで引き起こされるようになっています。
(やや小さすぎて、強度不足な気がしないでもありませんが・・・)
底面は手前よりが斜めになっていて、本体を抱えたときのフィット感が適度な厚みに感じられます。
取り外したバッテリーパック。(Ni-Cd)
初代モデルと同容量で、CPUのクロックが上がっていることから、バッテリー駆動時間の短縮は避けられなかったようです。
メモリの増設状態。
この画像ではIOデータ製のPS/55note用メモリを搭載していますが、汎用の72pSIMMでも流用可能なものがあります。
(通常、SIMM-IDの設定変更改造が必要)
本機でも汎用SIMMでも容易に利用できるように、ソケット中央の出っ張りを切除してあります。
キーボードのレイアウトは、その後のモデルで標準的になった配列・表記になっています。
キータッチも快適で、今時のノートパソコンでは味わえない独特のタッチ感があります。
インジゲータ部分。
右からレジューム/サスペンドスイッチ、各種表示LED、CPU速度切り替え、ディスプレイ反転、音量スイッチの順に並んでいます。
CPU速度切り替えは、今で言うところのSpeedStepテクノロジの手動版(^^;といったところでしょうか。
ちょっとボケてしまっていますが、エンブレムの状態です。
「IBM PS/55NOTE N23SX」と三段表示になっています。
スペック・外観共、もうひとつ変化に乏しい本機において、貴重なワンポイントの役割を果たしています。
ACアダプタはやや大柄な感じがしますが、ワット数はそんなに大きくないので、見た目の割に重量は軽いです。
このACアダプタは、初代モデルと同仕様のようです。
プラグ一体アダプタ部がやや大きいので、コンセント確保で問題になったかもしれませんね。
稼動状態の本機。
流石に RTC用バッテリがダメになってきた様で、年月日を忘れるエラーが発生します。
そんな訳で、毎回年月日を設定する必要こそありますが、なんとか稼動状態を維持しています。
全体のバランスの取れたデザインは、その後の
ThinkPadにもしっかりと受け継がれています。
CPU Intel386SX-16MHz
RAM 2MB Max.16MB(?)(公式には10MB)
HDD 40MB
LCD 9.5"モノクロSTN
ジャンク屋で見つけることができれば、格安で手に入るでしょう。
但し、状態もスペックも察して想像がつく程度ですから、今更実務に使うのは難しいところです。
- モデムの追加等で設定変更が必要になった場合、リファレンスディスケットが必要になります。
これだけ古いモデルですから、残念ながらオンラインでユーティリティーの類は入手できないようで、IBMのサービス窓口や PC DOCKで有償で入手することになります。- メモリは汎用のSIMMが流用できますが、CPUの仕様上、16MBを越える増設はできません。
また、16MBのSIMMも相性があってダメなものがありました。
本機のスペックから考えられる運用目的からして、オプションでサポートされる範囲の10MB(つまり8MB増設)が無難な気がします。- HDDは E-IDE未対応で、内ネジで17mm以下のドライブが組み込みできるものと思われます。
- 海外で本機が N33SXというモデルで販売されていたようです。
N33SX又は 8533というキーワードで検索すると、パーツリスト図などを見つけることができ、メンテナンスの参考になるかもしれません。- バッテリーパックは Ni-Cdで、現在中古で出回っている個体は大抵寿命を迎えてしまっているものと思われます。
単に寝込んでいるだけであれば、復活させることができるかもしれませんが・・・
ちなみに消耗しきったバッテリーパックを装着していると、電源が入らない(又は起動しにくい)という症状が発生します。
(2000/03/14 記)