ThinkPad 240Z (2609-81J)

メモリMAX化改造してみました・・・

ビジネスモデルとして240系の最終型となったのが 240Z(81J/82J)です。
コンシューマーモデルとしての i1124はバッテリー駆動重視の 93Jまで進化しましたが、ThinkPadユーザーならやはり黒い240Zに魅力を感じてしまうところです。
かくいう私も、メモリの上限の問題もあって 240Zの上位モデル(82J)が欲しかったのですが、なかなか手が出ませんし出物も少ないようです。
そこで 81Jを改造して、82Jと同じメモリ上限容量に挑戦してみることにしました・・・。

 

この黒いボディカラーを纏った最終モデル240Zは、狙っている方が結構多いようで、オークション等でも比較的高額で取引されているようです。

この81JはWindows98SEモデルでオンボードメモリは64MB、最大メモリは192MBとなっています。
更に上位モデルの82JはプリインストールOSがWindows2000で、オンボードメモリは128MBとなっているので、最大メモリはチップセット(440MX)の上限の256MBまで増設できます。

仕事でi1124/240Zを使っていますが、稼動するアプリが比較的メモリを消費するようで、あれこれ作業しているとメモリが足りなくなるようで、せめて64MBだけでも増やしたい・・・と思っていました。

 

 

銀色の i1124(93J)と、黒色の 240Z(81J)。

バッテリー駆動時間では93Jが勝ることは言うまではありませんが、81Jはなんと言ってもLAN内蔵という点が大きいです。
CPUパワーも Celeron 500MHz(93J)に対して PentiumIII 600MHzと、仕事で使うには240Zは魅力的なモデルです。

そうそう、プレインストールOSの違い(93JはMe、81Jは98SE)というのも、手堅い環境で運用したいビジネスユーザーには重要な点ではないでしょうか・・・。

 

 

こうやって重ねてみると、全然色が違いますね、、、(^^;

240Zは黒と言っても、570なんかと同じくガンメタ系のブラックとなっています。

液晶パネルカバーは両機共に塗装となっていますが、パームレストについては 240Zは無塗装(樹脂の地の色のまま)のようです。
i1124はパームレストも塗装になっているようですが、このテの色は手汗で変色することが多々あるので、この点では 240Zの方が安心してヘビーに使用できるかもしれませんね。

 

 

240Z(81J)のシステムボードです。

DIMMソケットのすぐ上にCPU、左に 440MX、その左下にビデオチップ(Lynx EM4+)が見えます。

440MXの仕様ではメモリ上限容量は256MBまでとなっていて、特にメモリ増設でパフォーマンスに差が出やすい Windows2000/XPでは目一杯増設したいところです。
が、本機はオンボードで 64MBのメモリを搭載していて、DIMMソケットはひとつしかありませんので、128MBメモリを増設した 192MBが限界容量となってしまいます。

 

 

システムボードをひっくり返して、DIMMソケットの丁度裏面にあるカッパーシールドをめくると、ご覧の空きパターンが現れます。

恐らく 82Jではここに64MBのメモリが実装されて、オンボード128MBになるんじゃないかと思われます。
81Jを82J化して256MBまでメモリを増設するには、この空きパターンにメモリチップを取り付けるか、表面のメモリチップにカメカメ増設する(但しDIMMソケットと干渉する可能性が高い)しか手がないようです。

あとは正統派(?)な方法で 256MB超過を覚悟して 256MB-DIMMを増設するという方法もありますが、BIOSではオンボードと合わせて320MBのメモリを認識するのですが、実際にはエラーが発生して起動不可能という期待を裏切る結果になってしまいました。

 

 

再び表に戻って DIMMソケット付近を注視してみます。

DIMMソケットの下にオンボードの64MBのメモリがあります。

そこで逆転の発想で、この64MBのメモリを無くせば増設DIMMで256MB丸々認識できて、440MXの上限容量のメモリで使用できるのでは?と考えてみました。
(まあ、随分と安直且つリスキーな考えでありますが・・・(^^;)

 

 

ということで、DIMMソケット下にあるオンボード 64MBメモリを剥がすという暴挙に出てしまいました。(^^;
これであとは 256MBメモリを組み込めば、81Jの192MBというメモリ容量の限界を超えることができます。

当初はメモリチップの /CSをプルアップすることも考えましたが、そのままではメモリは放熱器状態になってしまうので剥がしてしまった次第です。
器用な方ならシステムボードを取り出さなくても、メモリの撤去ができそうです。

/CSプルアップであれば、メモリチップを剥がすのとは異なり、比較的容易にもとの状態に復旧できますが、改造の難易度は上がると思います。

 

 

256MB-DIMMの組み込み状態。

組み込んだメモリは片面に 8個のメモリチップが搭載されているタイプで、440BX系チップセットでは、このタイプの256MB-DIMMが確実に認識できるようです。
(片面4個タイプでもBIOSで認識することができるタイプがありましたが、動作は未確認。)

言うまでもありませんが、この改造を施すと当然ながらメーカー保証や修理は受けられなくなってしまいます。
改造される方はこの点を十分理解してから実行するように心がけてください。
また、当方の環境では安定して動作していますが、必ずしも動作を保証するものではありませんのでご注意ください。

 

本機の基本スペック(2609-81J)

CPU    Pentium III 600MHz SpeedStepテクノロジ
RAM    64MB Max 192MB(PC-100)
HDD    20GB
LCD    10.4"TFT/XGAカラー (1024x768)
VGA   Silicon Motion LynxEM+ (V-RAM:4MB)
CD-ROM option
FDD   外付
MODEM  内蔵 56kbps V.90

セットアップやメンテナンスのポイント

改造をおすすめする訳ではありませんが、上記の改造(オンボードメモリの撤去)でメモリは 256MBまで増設できます。
当然ながらリスクが伴いますので、少しでも不安のある方は素直に 82Jの方を購入されることをおすすめします。

ちなみにこの改造、原理的には他の 440MX搭載機でも応用が利くものと思われます。

(2002/03/23記)

 

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