ThinkPad 350C (2618-P0D)

日本モデルには無い、不思議な感触のマシン

このモデル(P0D)は、別項でご紹介しました P0Aの同型機です。
詳しい資料が皆無なのでよく判りませんが、P0AとP0Dにはスペック面では違いは殆ど無い様です。

 

黒い筐体に赤いトラックポイントキャップ以外は、日本国内で販売されたモデルに比べると非常に違和感が伝わってきます。
液晶パネルの基部の強度に問題があって破損しやすい(いわゆる首折れ)以外は、荒削りながらとても手堅い作りのモデルです。

筐体表面は「全身トラックポイントキャップ?」といった感じの、ザラザラな仕上げになっています。
この感触は国内モデルには無い、独特のものといったところでしょうか・・・。

 

 

トラックポイントとキーボードの一部のクローズアップ。
なんだかトラックポイントのクリックボタンの形状が頼り無さげですね、、、(^^;

キートップの刻印はインスタントレタリングみたいなタイプ(国内でも755Cの初期型に見られました)で、この画像の「N」キーのように、使用頻度が高いと徐々に文字が薄れていってしまいます。

ちなみにキーストロークはちょっと浅めに感じますが、打鍵感はまずまずです。

 

 

液晶パネルのロックは前面寄り左右にあります。

キーボード奥の立ち上げ処理と合わせて、なんとなく PS/55noteの影響を受けたのかな?と感じてしまうデザインです。
(本体の質感は全然違いますが、、、)

このP0D、ちょっと電源周りがくたびれているようで、初期のPS/55noteの様に、バッテリーが低電圧だと立ち上がりが悪いときがあります。
(ハードディスクが起動する瞬間に落ちてしまうことがあります)

 

 

PCカードスロットの状態。
本体背面にありますが、カードから引き出されるケーブルの取り回しには不便を感じない位置です。

ただ、イジェクトボタンがかなり押しづらく、カードスロットのシャッターも固いので、カードの抜き差しという点からはイマイチに感じます。
あと、シャッターの収まりの関係で、一般的なカードスロットに比べると、入り口の高さに余裕が無いです。
このため、コンパクトフラッシュアダプターの様な凸凹のできやすいカードは、イジェクトに支障が出る可能性があります。

 

 

メモリースロットの様子。
手元の本機には 8MBのSIMMが増設されています。

CPUの仕様とSIMMにる増設方式のおかけで、低コストで 32MB増設も可能という点は見逃せないポイントです。
同年代の日本国内で発売されていたモデルに比べると、大きなアドバンテージがありますね。

 

 

右側面の様子。

側面前面寄りにはフロッピードライブが配置されています。
そのすぐ後ろにはモデムポートがありますが、本機では未搭載となっています。
P0Aではモデムが載っていましたので、本来はオプションで元々搭載していないものなのか、P0Aはモデム付きモデルでP0Dは付いていないモデルなのか、資料が少なく不明な点が多いです。

 

 

米国設計の日本未発表機ということで、デザイン的には独自色の濃いモデルです。
(実際には、米国設計の300系は本機以前から存在するようなので、全くの異端児ではありませんが・・・)

スペック的には今では地味なものとなってしまいましたが、日本国内では見かけるチャンスは少ないこともあり、見て・触って、飽きないモデルです。

 

 

本機の基本スペック (2618-P0D)

CPU    Intel 486SL-25MHz
RAM    4MB Max36MB (72p SIMM) 
HDD    250MB 
LCD    9.2" VGA/STN (640x480x256)
VGA   CT65530 (V-RAM: 512KB)
FDD   内蔵
CD-ROM   option
MODEM    option?

セットアップやメンテナンスのポイント

首折れという致命的な問題がありますが、それ以外は比較的しっかりした(荒削りの)作りのモデルです。
同時期の国内モデル(330C系とか)に比べると、(入手性は別にして)基本性能は比較的高いと思います。

(2001/10/21 記)

 

 

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