ThinkPad 365E (2625-J24)

速くなったが音が出ない、ビジネスモデル。

ThinkPad365Eは、360/345系の後継ビジネスモデルとでもいった位置付けのモデルです。
処理速度は 486系CPU搭載ThinkPadの中でも最速クラスのモデルになりましたが、上位マルチメディアモデル ThinkPad365EDに比べると、かなり付加仕様に差がつけられています。

 

デザイン的には 755CEに準じたものになり、755Cベースの360系や、コストダウン重視デザインの345系と比べると、幾分か近代的な姿になって印象が違います。

でも、そこはコストパフォーマンス重視のモデルだけに、製造面での外部委託化(この影響でBIOSもThinkPadおなじみの EasySetupではなくなっています)や、Cyrix製CPUの搭載、DSTN液晶パネルと固定内蔵FDDの搭載、音源の省略、内部レイアウトの変更と上位モデルとのパーツ互換設計化などの工夫が随所に見られます。

この365E(D)のDSTN液晶パネルは、そのコストダウンの影響があるのか、経年変化で発色が黄ばみやすいようです。

 

 

365Eのキーボード面。
パッと見た感じでは、755CEそのものといった感じです。

トラックポイントのクリックボタンはロック可能タイプですが、この平たい形状のボタンの物は、接触が悪くなる物が多い様です。
幸いにして、この手元の 365Eは問題はないようです。

で、本機はオーディオ機能無しのはずなのに、キーボード左上にはボリュームとスピーカーがあるのですが・・・

 

 

すぐ左側面を見ると、オーディオ出力(と言ってもビープ音のみ)と、ゴムキャップで閉鎖されたオーディオ入力・マイク入力の穴があります。
マイクのジャックは本当に穴だけで何も無いのですが、オーディオ入力はダミーのジャックがあります。

中古ではゴムキャップを紛失しているものもあったり、ジャンクでモデル名がはっきりしない場合があるかもしれませんが、マイクジャックがあるかどうかで 365Eか365EDなのかをチェックができそうですね。

 

 

液晶パネルを閉じた本機。
CD-ROMドライブ内蔵及びFDD内蔵の両対応筐体でありながら、固定式と割り切ったことで、従来のFDD内蔵モデルの厚みに収めています。

755系の凝った設計からシンプルな専用設計にしたことで、比較的手荒な扱いの多い企業ユースでも気兼ねなく運用できるものとなっています。

 

 

正面から見た本機ですが、この画像では判りにくいのですが、どうも筐体が逆ヘの字型に垂れ下がってしまっているようです。
やや強度不足なのかもしれませんね。

 

 

右側面は兄弟機 365ED/X(D)と変わりはありません。

開閉式のPCカードスロットの蓋は、この状態で本体内に押し込んで格納できます。
最近のシャッター式に比べるとスマートさには欠けますが、従来のはめこみ式の蓋に比べると蓋紛失の心配は少なくなっています。

 

 

背面コネクタ中、右側に注目。

音源未搭載のため、MIDI/JOYSTICKコネクタは省略されています。
FDDコネクタにはゴムキャップが付けられています。

 

 

365Eの底面。
ツルツルの底面は、注意書きラベルが無ければ天面と見間違えそうです。

バッテリーとバックライトの廃棄に関する注意事項がやたらデカく表示されています。
皆さんも万が一、PCを廃棄する際には、これらの注意書きと地域の条例に従うように心がけてください。

 

 

キーボードを跳ね上げたところ。
365Eでは FDD内蔵のために、内部スペースには若干ゆとりがあるように感じられます。

上にめくりあげてある黒いカバー(マイラーカバー)は、柔らかそうに見えますが意外と端面で手を切りやすいので気をつけてください。
(一度スパッとやってしまったことがあります・・・痛かったです、、、(;_;)

 

 

企業では必要にして十分なスペックの本機ですが、個人ユースでは劣化しやすいDSTN液晶であったり、音源やCD-ROMドライブを持っていないことから、残念ながらおすすめ度は低いです。

ThinkPadという視点から見ても、独特のBIOSやCPU、そして構造から、かなり異質なモデルと言えますが、755CEに準じたキーボードから使用感は決して悪くはありません。

 

本機の基本スペック

CPU    Cyrix Cx5x86C-100MHz
RAM    8MB Max24MB
HDD    540MB
LCD    10.4"DSTNカラー (640x480)
VGA   CT65545 (V-RAM:1MB)

セットアップやメンテナンスのポイント

基本的には 365EDに準じますが、音源とCD-ROMドライブが無いために使い方に用途は更に限定されてしまうと思います。

(2001/07/01 記)

 

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