ThinkPad365Xは、300番台としてはA4ジャストサイズ最終シリーズとなった系列です。
手頃なサイズに SVGA液晶パネルを搭載した
Pentiumモデルということで、Windows95も快適に動作可能で比較的取り扱いモデルです。
嬉しいことに更にそれまでの
300系の例に倣って、企業からの放出で比較的容易に手頃な価格で入手できます。
365Xシリーズ中、この6J7モデルはローレンジに位置するモデルで、CPUは
Pentium-100MHz、液晶パネルは DSTN、ハードディスクは810MBとなっています。
A4サイズThinkPadならではの無駄の無いデザインと、コストパフォーマンスの良さから、現在でもちょっとした作業なら十分こなせる万能機といった感じです。
本モデルはDSTN液晶パネルモデルですが、365E(D)に見られる液晶パネルの変色のある個体は殆ど見られないようです。
365Xのキーボード。
本機では特に問題は見受けられませんが、例によって中古ではキートップの磨耗がよく見られます。
中古で購入する際には文字欠けの有無も確認しましょう。
なお、キーボード右上の「Intel
inside」シールはオリジナルとは異なります。(^^;
液晶パネルを閉じた
365X。
365Eとの判断が難しいですが、365Eでは FDDのアクセスランプのレンズに色がついている(緑色)のですが、365Xでは無色(?)のレンズのようです。
(365Eでは FDDが2モードだった点に違いのヒントが隠されているのかもしれませんね)
365Xの前面。
CD-ROMドライブ搭載の365Xと共通筐体ですが、ドライブは固定式でユーザー側での交換は意識した設計にはなっていません。
左側面の様子。
オーディオジャックと電源スイッチが配置されています。
365E(D)ではFDDモデルでは音源が未搭載でちょっと寂しいところがありましたが、365Xではしっかり搭載されています。
背面のポート類。
FDDモデルということで、音源は搭載しているものの上位モデルとの差別化のためか、MIDI/JOYSTICKポートは省略されています。
右側面は開閉式の蓋のついた
PCカードスロットがあります。
手元の本機は比較的持ち運びされたようで、液晶パネル側側面中程に、鞄の中の金具が当たって出来たような傷があります。
365Xの底面。
365E(D)の様なデカい日本語表記の注意事項ではなく普通の書式(?)になっている以外は、365E(D)と同じようです。
底面中央前面には、丸い小さな脚があります。
(両側にもゴム脚がありますが、中古では剥離していることがしばしばあります)
キーボードを跳ね上げたところ。
右側にはバッテリーパックが搭載されています。
マイラーカバーには絵柄(英語キーボードのモデル)が印刷されていますが、365Xでも一部のモデルでは
365E(D)の様に黒一色のものもあるようです。
メモリー増設等の際にはマイラーカバーをめくる必要がありますが、この際にカバーを固定しているネジを外す必要があり、カバーの端面で手を怪我しやすいので、作業の際には気をつけましょう。
マイラーカバーを跳ね上げたところ。
左がFDD(固定式)、中央手前がハードディスクパック(365E(D)と同形)、その奥がメモリーソケットです。
メモリーは144p/EDOの物が使用でき、最新のBIOSのBIOSへのアップデートで64MBのメモリーを増設することが出来ます。
本体と合わせて72MBまで増設可能で、Windows95/98でもまずまず快適に使用できる容量にすることができるわけです。
ハードディスクはフレームが根本的に内ネジ仕様になっていますので、最近の外ネジタイプを使用する際には組み込みに工夫が必要になります。
300系ThinkPadとしては初めて
Pentiumを搭載された365X。
この 6J7は Windows95をプリインストールOSとして登場しましたが、Pentium CPU・SVGA液晶・最大メモリ容量のアップ等、Windows95をプリインストールするのに必要なスペックをきっちり押さえています。
ジャストA4サイズ弁当箱ThinkPadの最終形だけに、使い勝手も良く、とてもよくまとまっている機種です。
CPU Intel Pentium-100MHz
RAM 8MB Max72MB (144p EDO)
HDD 810MB
LCD 10.4"DSTNカラー (SVGA 800x600)
VGA Trident Cyber 9320 (V-RAM:1MB)
比較的気をつける点の少ないモデルです。現行機とはパフォーマンスに開きはあるものの割と使いやすいと思います。
- この6J7は365X系ではローエンドに属するモデルですが、これ以外に色々な仕様のモデルがあります。
中古で購入される際には、スペックや状態を十分チェックしましょう。- メモリの増設の前に BIOSのバージョンアップを是非しておきましょう。64MBメモリも扱えるようになります。
- FDDは固定式で、CD-ROMドライブへの換装は(不能ではありませんが)面倒です。パーツの入手の問題もありますので、CD-ROMドライブ内蔵を必須と考えたい場合には、365XDの方をおすすめします。
- Windows95をセットアップする際には、ビデオドライバの検出でハングしてしまいますので、デバイスの検出で S3ディスプレィアダプタを除外する必要があります。
(2001/07/08 記)