ThinkPad370C の中でも、この
9545-QFJはちょっと毛色の変わったモデルです。
プレインストールOSに OS/2
Warp3が加わったセレクタシステムという形態を取っていて、その為にメモリーが標準で12MBとなっています。
(755CEなどの同時期の
700番台のセレクタシステム機よりもメモリ搭載量が多い)
また、メモリーは
D-RAMカードではなく、「メモリーモジュールアダプタ」を標準で組み込んでいて、その上に
8MB-DIMMが組み込まれています。
最近はメモリーモジュールアダプターも入手が難しくなってきたので、この
QFJモデルは(ちょっと可哀想な気がしますが)パーツを流用するベースとして考えれば、今でも意外とお買い得な気がします。
メモリーとプレインストールOS以外は、QFDモデルと全く同じです。
(QFDはメモリ 4MB、OSは PC-DOS6.3Vと Windows3.1)
中古で購入する場合、今となってはインストールOSでの比較や選択は無意味ですから、メモリー以外は全く同じと考えて差し支えないでしょう。
メモリーモジュールアダプターの実装状況。
別売のものがそのまま組み込みされているだけなので、取り払って
D-RAMカードに交換しても使用することは出来ます。
その為か、中古では稀にメモリーモジュールアダプターが取り去られていることがあるようですので、アダプター目当てで
QFJを購入する場合は内部を確認しておきましょう。
370Cはビジネスモデルの王道を行くマシンといった気がしますが、その中でも
QFJは非常にユニークなモデルといった気がします。
750/755系モデルをお持ちの方でしたら、予備機としての価値も高いかもしれませんね。
数も値段も状態も比較的豊富なので、条件に合う出物をじっくり探すことも十分出来ます。
CPU Intel DX4-75MHz
RAM 12MB Max 36MB、標準でDIMMアダプタと 8MB-DIMM組込。
(16MB&32MB-DIMMの組み合わせにより保証外ながら 52MBまで使用可能)
HDD 540MB (E-IDE)
LCD 10.4"TFT/VGAカラー (640x480 26万色中 256色表示)
VGA WD90C24 V-RAM:1MB
- CPUは QFPでボードに直接実装されています。
手間や投資、そして根性(^^;があれば、換装してパワーアップすることも不可能ではありませんが、今となってはコストパフォーマンス的に見合わないと思います。- ハードディスクはバック式で、必要とあれば自力での換装も容易です。
但し当然ながらメーカー保証外の行為となってしまいますのでご注意ください。
なお、マスター/スレーブ設定が現在とは逆ですので、換装時にドライブによってはピン折り等の加工をしてあげないと、ブートできなくなってしまいます。- メモリは標準でメモリモジュールアダプタを搭載している点が大きなポイントです。
72p/5V/SO-DIMMにて 16MB+32MB=48MBまで増設できますが、32MB-DIMMは98note用を改造して使用することになり、組み合わせによっては認識できないケースもあります。- 液晶パネルはVGAで、本体の処理能力ももうひとつなので、メールチェック用や Linuxなどの軽めのOSで使うのが良さそうです。
なお、Windows95にて使用する場合は、256色表示のために VESAドライバをインストールする必要があります。- 一番ハマってしまう可能性があるのは、バッテリー消耗です。中古の場合、バッテリーは死んでしまっているケースが多いので、BIOSのアップデートが出来ない可能性があります。
(2001/2/12 記)