今や DVD-ROMドライブ搭載ノートパソコンはミドルレンジクラスでもごく普通となりつつあるようですが、かつてはハイエンドモデルのステータスシンボル的存在でした。
この ThinkPad770EDは、兄弟機の 770Eに DVD-ROMドライブを標準搭載化したモデルです。
DVD-ROM以外にも、若干の差別化が図られています。
見た目は兄弟機の
770Eと変わらない本機ですが、ウルトラベイIIに DVD-ROMドライブを組み込むため、フロッピードライブはご覧の通り外付けで使用するのが標準的な運用形態となります。
770Eとの違いは・・・
・ウルトラベイII DVD-ROMドライブが付属している
・DVD拡張ビデオアダプターが組み込まれている
・メモリ容量が違う(32MB DIMMが装着されている)
・ハードディスク容量が違う(5GB=>8GB)
・モデムを内蔵している
といったところです。
本体右側面。
ウルトラベイIIには DVD-ROMドライブ、PCカードスロットの後ろにはモデムジャックがあります。
このモデムは ACP (Advanced Communications
Processor)モデムと呼ばれていますが、実態は M-wave DSPによるものです。
M-wave系モデムには癖があるようで、回線環境によっては接続速度が不安定なことがあります。
取り外したウルトラベイII
DVD-ROMドライブ。
このドライブは東芝のドライブで、イジェクトボタン上にアクセスランプがあるタイプです。
この他にイジェクトボタン上にアクセスランプの無いタイプのドライブもあります。
年式的に RPC-1タイプのドライブですので、海外DVD映画ソフトもデコーダーソフト側にパッチを当てるだけで再生することが出来ます。
ウルトラベイII
フロッピードライブと外付け用FDDケーブル。
単体で外付け及び内蔵両用となっているので便利です。
本体側のコネクタは 230Csや
560系の物と同じで、電気的にも互換性があります。
(但しメーカー保証外の組み合わせになりますので、実際に使われる際にはご注意ください)
左側面の様子。
チルトフットを起こした状態です。
バッテリーパックの下に、DVD拡張ビデオアダプターが組み込まれています。
取り外した
DVD拡張ビデオアダプター。
このカードのお陰で、かなり快適に DVD再生を楽しむことが出来ます。
但し、このハードウエアデコーダーに対応しているのは、本体プレインストールの
DVD再生ソフトのみの様なので、少々もったいない気がします。
(本体付属の DVD
Expressという再生ソフトは、機能的には市販の再生ソフトに比べると、かなり格が落ちます)
ちなみに本カードはドルビーデジタルサラウンドもサポートしているそうです。
我が家のオーディオ環境はチープなので、残念ながら活用できていません、、、(泣)
770を購入したら是非とも入手しておきたい、ウルトラベイII用セカンドHDDアダプタです。
770系のハードディスクパックはもちろん、760系の物も搭載することが出来ます。
これがあると、大容量ディスクへの移行や複数のOS環境を切り替えての使用も簡単になります。
CPUの能力こそ見劣りがしてきたものの、広い画面でDVDも快適に視聴できるので、初心者にもまずまずおすすめできるモデルです。
私の所でも「お茶の間ノートパソコン」として頑張ってくれています。(^^)
CPU PentiumII-266MHz
RAM 64MB Max288MB(128x2)
HDD 8.1GB
LCD 14.1"TFT/XGAカラー (1024x768x32bit color)
DVD-ROM 2x
FDD 外付・内蔵両用
MODEM 内蔵(ACP)
ゲーム以外の一般的な用途であれば、快適この上ないモデルです。
51Jに比べると、モデムとDVD-ROMドライブを内蔵しているというのが大きなポイントですので、オールインワンマシンとしてすぐに活用できると思います。
- ハードディスクはパック式で、必要とあれば自力での換装も容易です。
但し当然ながらメーカー保証外の行為となってしまいますのでご注意ください。
また、パックの形状は770系独自のものなので、壊してしまうと厄介なことになります。- メモリはSD-RAMとなります。入手も容易です。
プラス64MB増設(計128MB)しておけば、とりあえず一般的な運用なら快適です。- 2つあるDIMMソケットのうち、片方は最初から32MBのメモリが刺さっています。
128MBメモリも搭載できますが、相性があるようでうまく認識できないケースがあります。- 液晶パネルはXGAで快適ですが、ビデオチップ(Trident Cyber9387)がやや非力に感じるかもしれません。
画像処理でもたつく感じもありますので、メモリ増設を優先したいところです。- CPUは MMC-1となっています。腕に覚えのある方は換装してパワーアップも可能でしょう。
但し、Celeronは認識してくれないのと、高クロックのPentiumIIは入手しづらいので注意が必要です。
(2001/7/21記)