ThinkPad PS/V (2433-V18)

ちょっと謎な名前ですが、そのカラクリは・・・

名前を聞くと、なんだかよく判らない機種です。
本機の実態は、PS/55note C23V の特定販路向けコストダウンモデルで、特定販路と言っても大手パソコンショップでも販売された機種なので、一般の目に触れる機会も比較的あったのではないでしょうか。
機種名の由来も C23Vがベースと考えれば、なんとなく納得が行く気がしますね。

 

見た目は C23Vとの違いが判りにくい気がしますが、液晶パネルに注目すれば、本機の性格と C23Vとの違いがはっきり見えてきます。

C23Vが高価な TFT液晶パネルを使っていたのに対して、本機では STNカラー液晶となっていて、表示色も 16色(C23Vは256色)、サイズもふた回りくらい小さい(詳細サイズ不明。360Csより小さいようです)など、コストダウンを目的に仕様が変更されています。

 

液晶パネルを閉じると、C23Vと全く見分けがつきません。

筐体も特に構造の違いは無いように見受けられ、単に液晶パネルを変更しただけのような感じです。
かえって下手に筐体設計を変更するより、コストにダイレクトに響いてくる液晶パネルのみを変えて、他は共通化でコストを抑える・・・といった発想のようです。

エンブレムは「IBM ThinkPad」となっていて、C23Vと同様に PS/55noteから ThinkPadにブランド名が移行する過渡的なモデルであったことも判ります。

 

メモリ増設ソケットはキーボード上部のカバーの下に隠れています。
この辺の構造も C23Vと全く同じです。

この画像では 8MBのSIMMを入れていますが、SIMM-ID改造済みですがどうも相性が良くない様で、うまく認識するときとしないときがあります。
(ちなみに8MBのSIMM-IDは ON-OFF-ON-ONのようです)

この反対側(左側)にはモデル名表示があるのですが、面白いことに「PS/V」としか表示がありません。
(C23Vでは「PS/55note C23V」と表示されています)

 

背面の状態はC23Vと同じで、更にPCカードスロットも省略されること無く装備されています。
電源コネクタは台形4ピンタイプとなっています。

 

本体全幅分の長いバッテリーパック。

C23Vの項ではバッテリーパック単体の画像でしたので、本体比の大きさが判りませんでしたが、この画像を見ていただければかなりデカいことが判ります。
これだけ大きければ、本体重量にも結構影響が出てしまい、折角稼働時間が延びても可搬性が低下してしまいます。

 

ハードディスクパックはバッテリーパックのすぐ隣に収まっています。
ディスクパックのネジの位置や、ラベルの IBMの文字から判るように、上下が逆さになって格納されています。

ハードディスクは E-IDE未対応(540MB未満のドライブしか対応できない)となっていますが、交換自体は比較的簡単に行えます。
(540MB以上のドライブでも、DiskManagerなどのツールで対応できるかもしれません)

 

反対面の状態。
内蔵FDD(3モード)と電源スイッチがあります。

下面に見えているのは、いわゆる「傾き調整脚」ことチルトアップ用の脚です。
バネが内蔵されていて、ワンタッチで引き起こせるようになっています。

 

本機の基本スペック

CPU    Intel386SX-25MHz
RAM    2MB Max.10MB
HDD    80MB
LCD    8.9インチ STNカラー16色 WD90C26 V-RAM:512KB
電源   台形4ピンタイプ

セットアップやメンテナンスのポイント

比較的中古屋・ジャンク屋・オークションで見かける機会が少ないマイナーなモデルです。
386SX搭載機としては高速な方ですが、全体のスペックから考えると、当然ながらDOSベースでの使用に限られると思います。

 

(2000/11/12 記)
(2001/01/27 補足追記)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戻る