2002/1/6

全国社会人大会 準決勝

神戸製鋼 VS トヨタ自動車
神戸製鋼VSトヨタ自動車
3414
前半2133
2TRY3
2GOAL3
0PG0
0DG0
20後半12
2TRY0
2GOAL0
2PG4
0DG0




開始早々、トヨタが立て続けに2つのトライを奪ってこの試合の主導権を握った。3分に、FWが押し込んでから素早く展開し、神戸のG前でペナルティを誘い、LOコベントリーが飛び込んでトライ。5分には、神戸のキックオフボールを自陣から展開し、FB曾我部がライン参加し、神戸陣22mライン内まで50m以上独走、最後はSH大原が右中間にトライ。一気に14対0と差を広げる。

その後神戸の激しい攻めをトヨタはフォワードを中心とした重い厳しいタックルで押し返すという攻防がトヨタG前で何度か続く。ようやく神戸はトヨタG前でのブラインドを元木が突いてトライ。14対7。
27分には神戸らしい攻めで、ハーフライン付近から、SOミラー、LO小泉、CTB吉田、WTB増保、CTB元木、NO8伊藤、そしてFL小村とフォワード、バックスが見事なボールの繋ぎを見せて右中間にトライを奪い、14対14と試合は振り出しに。
トヨタがその後、オトのパントキックが神戸22mライン内で不規則なバウンドを見せ、大畑が処理に失敗したところをCTB山本がキャッチ、FL菅原に難なくパスしてトライを奪い、21対14とトヨタがリードしてで前半を折り返した。

後半、トヨタのキックオフボールを自陣22mから左に回した神戸はFB平尾がライン参加し、ギャップを抜けると素早く大畑にパスしてライン際を70m独走。最後は中央まで回り込み、再び21対21の同点に。
トヨタはSO広瀬がPG2本を決め、27対21とするもつかの間、27分には神戸製鋼がCTB吉田のトライで28対27と逆転し、この試合はじめてリードを奪った。
トヨタが再び広瀬のPGで30対28と再逆転すれば、神戸もSOミラーのPGで31対30とまたまた逆転するというスリリングな試合展開。

そのまま試合は一進一退の攻防が続くなか、ロスタイムに突入。
トヨタは、神戸22mライン付近でペナルティを得ると迷わずキックを選択。この難しい右隅のキックを広瀬が決め、33対31として神戸万事休すと思われたが、試合はこのままでは終わらなかった。

43分を過ぎたラストワンプレー。神戸のキックオフ処理をミスしたトヨタは神戸に連続してボールを支配されると、たまらずペナルティ。
中央30m。ミラーにとっては容易いキックだ。これを確実に決め、ここでノーサイド。34対33と1点差で神戸製鋼がトヨタを下した。後半は神戸製鋼が2トライを奪ったのに対し、トヨタは4PGのみにとどまった。
厳しい密集戦、整備されたディフェンス、個々のハードタックル、華麗なライン攻撃が随所に見られ、お互いの持ち味を出し切った好ゲームだった。
勝敗を分けたのは、ギリギリの場面での集中力とほんの僅かのプレーの精度の差だろうか。

ウェールズから招聘したトーマスレフェリーの笛も解り易く、特にラックに対して横から入るプレーに対しては厳しくペナルティを取っていた。国内の試合を見ていると横から入るフォワードプレーヤーがかなり多いように思う。
本来ならオフサイドを取られてもおかしくないと思うが、殆どの日本人レフェリーは流しがちである。そのプレーをきちんと彼らに認識させたのは来年に迫ったワールドカップを思えば良い事だ。願わくば、大きな試合はすべて外国人レフェリーを招聘して欲しいものだ。

神戸製鋼はここぞという土壇場の局面で、非常に集中力の高いチームだ。大試合でこのような逆転劇を演じたのはもう何回あるのだろう。大した物である。
これで決勝は因縁のサントリーとの戦い。決勝予想はサントリー対クボタ戦観戦記の最後に。

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