2002/11/23

早稲田大学 VS 慶応大学
早稲田大学VS慶応大学
7417前半05
3TRY0
1GOAL0
0PG0
0DG0
57後半5
9TRY1
4GOAL0
0PG0
0DG0



ふーむ。こんなに見事に完成されたか清宮ラグビー。

秋の交流試合の対法政戦を見た時には、「まだまだだなあ」と、特にディフェンスに不安を覚えたが、今日の試合は出来過ぎと言えるほど良かった。
いかに清宮君と言えども、やはり1年でフィットネス、パススキル、ハンドリング等を完成させるのは無理。そんな理由で、去年は決勝まで行っても関東学院の総合力の高さの前に敗れるだろうと書いたのだが、2年目の今年は、さすがに大幅にスキルアップしてきた。

特に感心するのがパスのスピードと、それをしっかりと捕らえるハンドリングの技術だ。今年の大学ラグビーは、サントリーが日本一を達成したせいか、どの大学も似たような方向性のラグビーを指向しているが、早稲田には1年の長がある。
1年早くそれに気付き(日本のラグビーはそれでしか世界と戦えない!!)鍛え上げてきただけに、他の大学とは格段の差がある。
例えば今日の慶応もワイドに振ってアタックを仕掛けて来たが、ロングパスを放る時、やはりやや山なり気味になる。そうすると、そのコンマ5秒から1秒の遅れが、相手ディフェンスの飛び出しを許し、タックルの餌食となる。かといってスピードのあるパスを放ればキャッチが難しいし、そのような速いパスを正確に放る技術を完成させている大学は現時点では早稲田以外にない。前年の覇者関東学院も含めてだ。

もちろん、走れて、パスを放る状況判断の出来る第一列や、的確に突き刺さるような鋭いタックルをし続けた第3列。特に羽生、川上。そして正確なパスを放ってバックス陣を縦横無尽に操った田原、大田尾のHB陣。ギャップを鋭く見つけるCTB、FB。スピードと切れのあるステップでトライを量産したWTB。縦突進とラインアウトで検討したLO陣。結局、15人、いや控えも含めて22人の勝利なのだが。
(特に大田尾。凄まじく良くなっている。彼を見てると誰にパスを放るのか、相手側からすると非常に読みにくい。そして時には自分でギャップを抜けてくる。小型アンドリューミラーと言っては言い過ぎか?)

これで次の早明戦も早稲田は完勝するだろう。2年連続全勝優勝は間違いない。(大田尾の怪我が完治しているという条件付で)試合内容も昨年の二の舞にはならない。昨年の試合で慢心のオソロシさを知った彼らがモチベーションを落とすわけがない。というより清宮が落とさせないだろう。一つ間違えば今日ぐらいの点差も有り得る。早明戦の過去の記録を全て塗り替えるかもしれない。

ここで大学選手権の展望をさせてもらえれば、現時点で早稲田の優勝確率は70%。関東学院20%。法政、慶応、明治の3校合わせて10%というところだと思う。(今年も関西勢は国立に残らないだろう。来週の同志社対立命館戦が残っているが、今までの試合を見た限りでは、昨年同様に関東勢とは差がある)

関東学院は今年も総合力は高いが、去年の方が強かったように思える。角濱や山口といった超大物プレーヤもいない。最もキーとなるプレーヤーはジャパン候補にまでなった第一列で、早稲田がいかに破壊力のあるその第一列を止められるかに勝負はかかってくると思うが、羽生、川上、(そして超大物上村もまだ控えている!!)FL陣のタックルが彼らに突き刺さる姿が目に浮かぶ。それでも山本。山村達のパワーでトライはいくつか奪われるだろう。しかしそれ以上に早稲田はトライを奪うはずだ。

点差まではさすがに今の段階では控えておきます。


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