2002/12/1

早稲田大学 VS 明治大学
早稲田大学VS明治大学
245前半00
1TRY0
0GOAL0
0PG0
0DG0
19後半0
3TRY0
2GOAL0
0PG0
0DG0


24対0。
早稲田が明治を完封した。それも要のSO大田尾を怪我で欠きながら。
早明戦で早稲田が明治を零点に抑えたのは、歴史を遡ると大正13年(33対0)と大正15年(12対0)に2度あるだけで、戦後になってからは初めての事であり、実に74年振りということだ。
しかし、その歴史的試合というほど、圧勝と言うわけではなく、中身の濃い好勝負だったと思う。早稲田、明治双方のディフェンスが厳しく、22mライン内、Gライン前での攻防は、迫力があり見応えがあった。

今年の明治はディフェンス能力が高い。早稲田も前半30分過ぎから前半終了までの明治の猛攻を個人個人の厳しいタックルで良く凌いだものだ。
前半は早稲田が我慢。後半は明治が我慢。
試合自体は全体に明治ペースの試合だった。それでもこの点差で早稲田が勝利を治めたというところが、今年の両チームの素直に力の差ということだろう。

ほとんどクイックでの攻撃が見られなかったのは、清宮監督のコメントにもあったように、やはり雨を意識し、ハンドリングエラーを恐れ、キックを多用したのと、SO大田尾を怪我で書いたために、HB陣のコンビネーションに不安を感じたせいだろう。(名手田原でさえ、時折危なっかしいパスを放っていた)ペナルティをもらった場面では、必ずタッチに蹴り出し、陣地を稼ぐ戦法を取った。それゆえいつもの連続攻撃が少なく、この程度の点差になったとも言える。

今日の試合を見て、やはり大田尾の存在は大きいと感じた。早稲田のバックス陣が、今シーズンの浅い陣形と違って、一昔前の深いラインになったのは、明治の出足の鋭さもあったが、SOに慣れない安藤の不安をも象徴していた。
大田尾が出場していたら、どんなに明治のプレッシャーがあったとしても、軽い球捌きでもっと違った試合展開になり、早稲田が圧勝していただろう。

話は変わるが、早稲田のFB内藤信平の切れのあるステップは、神戸製鋼対早稲田の日本選手権で、平尾が早稲田バックス陣を翻弄した時の走りを思い出させた。

これで大学選手権の展望もほぼ決まった。
早稲田が2回戦までに敗れるのは考えられず、間違いなく国立に勝ちあがる。相手は明治か法政だろうが、関東学院を苦しめた法政の方が完成度で上のはず。関東学院も順当に4強に残るのは間違いない。その相手は同志社を破って勝ちあがるだろう慶応だが、一つ間違うと、ここで慶応が関東を破る波乱も有り得る。74対5と屈辱の早慶戦を歯がゆい思いで見た上田監督が、叩き直した選手達が踏ん張れば、もつれて慶応が勝つ可能性も僅かながら残っている。(というか、何となくそんな勘がちょっとだけするんだけどね…)
順当なら決勝戦は去年の再現だろうが、早慶戦になるかもしれない。まあ、いずれにせよ、どちらが相手になっても、早稲田が昨年の雪辱を果たし、「荒ぶる」を国立で歌う可能性は最早ほぼ100%に近いところまで固まった。これも田原、大田尾のHB陣や羽生、川上のFL陣が怪我をしないという条件付だが。


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