2003/10/23

日本代表 VS フィジー代表
日本代表VSフィジー
1313前半1641
1TRY2
1GOAL0
1PG2
1DG0
0後半25
0TRY3
0GOAL2
0PG2
0DG0


完敗だった。
しかし選手達を責める気になれないのは、やはり試合間隔が短く、疲れが残っていた為にこんなパフォーマンス(特に後半20分は今までのジャパンに完全に戻っていた…)を演じるゲームになったとしか思えないからだ。

前半を16対13で折り返した時は、これは勝てる!!と思った。
しかしやはりフィジーは甘くなかった。リトルのロングキックで陣地を稼ぎジャパンを前で止め、ボールを奪い、繋ぐプランに変えてきた。それに対し、スコットランド戦、フランス戦と力を振り絞り、タックルを浴びせつづけ予想を上回るパフォーマンスを演じ、善戦してきたジャパンには僕らが考えていた以上に疲労が蓄積していたのだろう。

誰も走れない。
抜かれるとバッキングアップの選手が誰もいない。単純なノックオン。ハンドリングエラー。見ていて哀しくなるほどだった。
これが普通のテストマッチならば、選手に罵声を浴びせるところだ。しかしラグビーにとって中四日というのがいかにきついかが解るだけにそんな気にもなれなかった。
フランス戦、スコットランド戦と獅子奮迅の働きをしてきた第三列も後半は殆ど見せ場がなかった。

禁断のたらればを敢えて言わせてもらえれば、ジャパンにとってはセレビの負傷退場は不利に働いた。
セブンの王様セレビはネームバリューこそ高いものの、ここ数戦の15人制のフィジーの試合では明らかに普通の選手になっていた。ニッキーリトルの方がチームとして機能していたはずだ。アメリカ戦の辛勝で監督が不安を覚えたのか、それともセレビを試して見たいと思ったのかわからないが、セレビがあのままプレーしてくれていた方がジャパンに勝機があったのは明らかだ。ジャパンが負けたのは後半リトルのロングキックに掻き回されたことにあったのは事実なのだから。

さて、アメリカ戦はどうなるのだろう。
疲労が、ある程度回復すればそこそこ良い勝負ができて、勝てる可能性もまだあると思うのだが。しかし中3日というのは・・・・・・。

後は選手のメンタル面に期待するしかない。
緒戦のスコットランド戦が「今後10年以上の日本のラグビー界を左右する一戦になる」という意識を選手・スタッフが恐らく感じ取っていたように、このアメリカ戦も同じような意味合いを持つ試合になる。

テレビ東京が放送中の視聴率が絶不調で、第1戦の日本対スコットランドが3.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。18日の第2戦日本対フランスは4.3%。
惨敗すれば、フランス戦、スコットランド戦の大善戦が水の泡。
日本ラグビー将来の光は消える。プロ化されたトップリーグなど、地上波の中継はどの局も受け入れるわけがなく、観客も毎試合数千人(2~3000人)のコアなファンしか集まらないようなお寒い状況になるだろう。

スポーツ新聞などでもほんの片隅に結果が載る程度になる。2~3年後にはまた改めた対策が必要になるか、消滅するかどちらかの選択肢しか残らない。結局再びアマチュアに戻る。そんな図式さえ予想できる。恐い話だ。

勝っても負けてもこれが今回のWC最後の試合。
ジャパンの姿を世界に見せるのは遠く4年後の2007年になる。高い意識を持って試合に臨んでもらいたい。

オーストラリアがナミビアに142対0(22トライ!!)で圧勝してくれたことで、テストマッチでの最多得点差と言うジャパンの不名誉なキックがギネスブックから1つ消えた。最多得点(最多失点)はまだ残っているが…。

アメリカ戦の唯一の希望は斉藤祐也が試合に使えそうな事か。
三列はこの大会とにかく体を張り、踏ん張ってくれた。それだけにみんな消耗が激しいはずだ。大久保、箕内、伊藤の三人でスタメンを組むが、ロックの木曽、パーカーなども含め、各人の試合中の疲労の度合い等を確かめ、早めに投入する事になるだろう。

彼がいたら、フィジー戦でも疲れの見えてきた後半に投入して試合をもつれるところまでいけた可能性さえあったのではないか。フィジー戦向きの選手だとも思っていたのだが。WC開幕直前で捻挫をしたのがなんとも無念だ。

4度目になるが、神様、日本ラグビーに「奇跡」を。

話は変わるが、優勝候補筆頭のイングランドと35対22(後半残り10分までワントライ差)と大接戦を演じたサモアの戦い振りは見事だった。決勝進出を賭けて南アフリカとの一戦に向かうが、グルジアにも苦戦した南アフリカを思うとサモアの方に勝機があるのではないか?強豪南アフリカが予選リーグ敗退という今大会最大の番狂わせが起こるかもしれない。

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