2016/2/13

シックスネーションズ

ウェールズ VS スコットランド

ウェールズVSスコットランド
2710前半1323
TRY1
GOAL1
1PG2
DG
17後半10
2TRY1
2GOAL1
1PG1
DG



開始6分、ショートパントをハーフウェイライン付近に上げたウェールズ。競り合いでこぼれたボールがウェールズSHの手に入り、そのまま50m走り切る。ラッキーなトライでウェールズが7対0と先制。

13分、スコットランドがボールを左右に散らしながら前進。観ていて美しく見事な連続攻撃が続く。フェイズを20以上重ねる。最後はキックパスで、WTBシーモアがインゴールでボールを捕らえ、右隅にトライ。この難しいキックをレイドローが決めて7対7と同点。

30分、レイドローPG決めて10対7。
34分、ダン・ビガーPG決め返し、10対10と同点。
40分、レイドローPG決めて13対10として前半終了。
前半を見ていて、最も唸ったのはスコットランド14番シーモアのハイボールのキャッチングの巧さ。感動的ですらある。

後半6分、ダン・ビガーPG決めて13対13と同点に追いつく。
後半14分、レイドローPG決めて16対13とリード。
後半17分、ウェールズ陣22mライン付近でウェールズがターンオーバー。左ラインをWTBが独走するが、スコットランドCTBテイラーが逆サイドから懸命に追いかけ、Gライン直前で決死のタックルでトライを許さず。このテイラーの走りは見事の一語に尽きる。けして最後まで諦めてはいけないという見本のような力走だった。

後半20分、ウェールズはスコットランドG前に攻め込むが、スコットランドが懸命のディフェンスでゴールを割らせない。ここがワールドクラスの試合の醍醐味。
オフサイドのペナルティをもらってもウェールズは狙わずスクラム選択。最後は12番ロバーツが飛び込みトライ。ゴールも決めて20対16と逆転。

後半30分、ウェールズWTBノースがステップとスピードでラインブレイク。タックルを交わし、一気にゴールラインまで走り切りトライを奪い27対16。
このトライにより11点差になったところで試合の趨勢は決まった。

この後、終了間際スコットランドも1トライを返すが、残り時間がなく、27対23でウェールズが凌ぎ切り、初勝利を挙げて優勝戦線に踏みとどまった。

ウェールズは、次の第三節のフランス戦に負ければ終わり。それに勝っても第四節のイングランド戦が今回のシックスネーショズの覇権を賭けた戦いになる。
一方のスコットランドは良い試合をしながらも、またや最後の詰めが甘くこれで2連敗となり、優勝戦線から脱落。

六カ国の中で最も新しいスタープレーヤの出現が望まれているのがスコットランドではないだろうか。
遥か昔の伝説のFBギャビン・ヘイスティングスとか、名前を忘れて出てこないが有名なハーフ団とかのような選手が出て来ないと、今後も厳しい戦いが続きそうだ。

さて、このスコットランドが6月に来日してジャパンと戦うわけだが、ジャパンがWCの強さを維持すれば勝機は充分にある。この二試合のスコットランドを見た限りでは、WC完敗の原因は日程的な厳しさだったように思える。

ジェイミー・ジョセフHCの初陣となるこの試合。
本当にエデイーと同じような手腕を発揮できるのか、興味深い。心配なのは、彼とニュージャパン候補の選手たちが、いまだにコミュニケーションを取れていないことだ。
※追記:ジョセフはまだスーパーラグビーの契約が残っているので、指揮を執るのは9月以降のようです。失礼しました。ですので、次の文章も読み流してください。

その間、サンウルブズの試合がいくつかあり、ジャパンとしてみれば模擬練習試合になるので、サンウルブズのマーク・ハメットHCからしっかり情報収集し互いにコミュニケーションを取り合い、万全の態勢で臨んでほしい。

万が一、スコットランド戦で惨敗するようなことがあれば、現在の過剰なまでのラグビー人気に一気に冷や水を浴びせることになる。熱しやすく冷めやすい日本のスポーツマスコミ、或いは日本のスポーツファンの特性から、今のラグビー熱が急速に冷え込む恐れもある。そのあたりが少し気がかりだ。

シックスネーションズに話を戻せば、翌日の試合はイングランドが40対9でイタリアに完勝。それまでの5試合が全て1トライ1ゴールでひっくり返る接戦や引き分けだったことを思うと、イングランドは完全に復活した。

私の予想ではこのままイングランドが突っ走り、全勝優勝を飾る気がする。
それにしても数週間で、エディーがイングランドの息を吹き返すことができたのは何故だろう? エディーマジックとでもいうしかない。

それを思うと、エディーに指導されたことは、エディー氏自身がジャパンにとっての“天からの贈り物”だったのではないかという気がする。そして、その厳しい指導、練習に食らいつき、日本ラグビー史に残るWC三勝という歴史的快挙を成し遂げた選手たちには、あらためて頭の下がる思いだ。

話は全く変わるが、ウェールズのSOダン・ビガーのPGを蹴るときのルーティンは見ていて面白い。
体を左右にくねらせ、まるで赤ん坊がいやいやをしているようだ。
五郎丸の厳かなお祈りポーズとは対照的で、つい笑ってしまう。
見たことのない方は、是非一度ご覧になってみてください。

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