1998/9/26
東芝府中 VS 新日鉄釜石

東芝府中VS新日鉄釜石
3626前半010
4TRY0
3GOAL0
0PG0
0DG0
10後半10
2TRY2
0GOAL0
0PG0
0DG0

溝辺(関東学大) FW青山(早稲田大)
薫田(筑波大)山市(三本木農)
中村(筑波大)吉田(三本木農)
釜沢(大東大)三浦(関東学院大)
安田(専修大)桜庭(秋田工)
渡辺(日体大)阿部(釜石工)
高木(大東大)藤井(大東大)
ゴードン(ボーイズ高)仲上(大工大高)
村田(専修大)HBスラッタリー(プリスベン高)
島崎(佐賀工業)金(金足農)
和田(東海大)TB中島(騎西高)
新里(浪速工)ランキルド(アルバート高)
マコーミック(Cチャーチ高)越前谷(金足農)
森田(東洋大)神座(山梨学院大)
松田(関東学院大)FB真野(石巻工)



得点経過
前半3分、東芝が釜石ゴール前に攻め込み、最後はフランカーの高木が持ち込んでトライ。村田ゴール成功。(7-0)
7分、東芝は連続攻撃から右オープンに展開してマコーミックがトライ。村田ゴール失敗。(12-0)
17分、ハーフライン付近のラックから渡辺が素晴らしいスピードで突破。22mライン付近でラインを形成した東芝が右に展開してマコーミックがトライ。村田ゴール成功。(19-0)
32分、ハーフライン付近から東芝ウイング森田が釜石ディフェンスの裏に抜けるゴロパント。スピードで振り切り、ボールを自分で拾ってトライ。村田ゴール成功。(26-0)

後半17分、東芝は釜石にゴールライン付近まで攻め込まれながらも、中央付近まで切り返すと、ゴードン、渡辺と繋いでトライ。村田ゴール失敗。(31-0)
28分、東芝は釜石ゴール前で左オープンに展開し、左中間にトライ。村田ゴール失敗。(36-0)
34分、釜石は再三の東芝ゴール付近での攻撃。最後は途中出場のフランカー、カレオパが突破して右中間にトライ。ゴール失敗。(36-5)
40分、釜石は連続攻撃からトライ。ゴール失敗。(36-10)

感想
東日本社会人リーグの秩父宮での開幕戦。
ワールドカップアジア最終予選を一ヶ月後に控え、「かなりの盛り上がりを見せてくれるのでは?」と期待して足を運んだのですが、生憎の雨模様のせいかファンの出足も鈍ったようで、やや拍子抜けのスタンド風景でした。
昨年は東芝が持ち前のハイスピードラグビーで109-5と圧勝したこのカード。東芝の強さは今年も変わりないものの、元ワラビーズのSHスラッタリーや関東学院の大学日本一メンバーのLO三浦などが加入し、戦力アップが見込める釜石がどう挑んでくるのか?が興味の的でした。

開始早々東芝は昨年を彷彿とさせるスピードでトライを奪い、期待のスラッタリーも本領を発揮するどころではなく、防戦一方の状況を目の当たりにした時には、今年も東芝の圧勝に終わるのかと一瞬不安に思いました。

ところが前半こそ26-0と完封された釜石ですが、ディフェンスもきちんと整備され、まずまずまとまった印象。後半はどちらかというと東芝陣での攻防が多く、押し気味の試合展開。スラッタリーが負傷退場したお陰で、外人枠の関係からリザーブにいた昨年度の主将ダニー・カレオパが交替出場したあたりからFWが力を発揮してきたのは皮肉と言うべきでしょうか。それでも流石に東芝の最終ディフェンスの厳しさは今年も同様で、再三ゴール前に攻め込みながらもなかなかラインを割ることは出来ません。ようやく34分にそのカレオパが突破して釜石は初のトライ。ロスタイムにも二つ目のトライを奪って、後半だけを見れば得点は10-10の互角。釜石のがんばりを称えたい試合でした。

約半数をジャパンに取られた東芝はチームとしてみればまだまだ仕上がり途中。WC予選が終わるまでは辛抱するしかないのでしょう。無事WC本大会出場を決めてからが本領発揮。東日本リーグはともかくとして、4ヶ月先の社会人大会、5ヶ月先の日本選手権までにはきっちりと戦力を整えてくることは間違いないはずです。

あまり収穫のなかった東芝の中で、明るい話題は村田のキック。アルゼンチン戦で100%に近い成功率を誇ったキックはこの日もまずまずの出来。飛距離も確実に伸びており、練習を相当しているのでは?と感じました。この分ならシンガポールでも安心してキッカーを任せられそうです。
(平尾監督も随喜の涙を流して喜んでいることでしょう)
フランカーの渡辺も随所で素晴らしいスピードと豊富な運動量を発揮。一試合毎に大きく成長しており、今後が一層楽しみになりました。

昨年最下位の釜石の善戦。昇格してきたクボタもかなりの力を持っており、今年も東日本リーグは上位下位の実力差はさほどないようで、見ごたえのある厳しい試合が多く展開されそうです。

MAIN