1998/10/24
大東文化大学 VS 流通経済大学

大東文化VS流通経済
140前半1938
0TRY2
0GOAL0
0PG3
0DG0
14後半19
2TRY3
2GOAL2
0PG0
0DG0

亀田(4年)FW友利(4年)
松尾(4年)猪狩(4年)
田口(2年)菅野(3年)
白水(3年)和田(2年)
生沼(2年)中西(2年)
河端(4年)沼尻(2年)
露木(2年)横山(2年)
ルアタンギ(1年)市原(4年)
苫米地(1年)HB後藤(2年)
松尾(1年)加瀬(2年)
太田(2年)TB田嶋(4年)
赤羽根(3年)伊藤(4年)
筑井(4年)大島(4年)
山内(4年)岩崎(4年)
マナコ(3年)FBニールソン(3年)


時間試合経過得点
2分流経、中央35mPG成功。(大東大ライイングオンザボール)0-3
10分流経、右中間15mPG成功(大東大オフサイド)0-6
16分流経は大東大がミスしたボールをしっかりと活かし右オープン展開、最後は右WTB岩崎選手が右隅にトライ。G失敗。0-11
24分流経、右中間30mPG成功。(大東大オフサイド)0-14
37分流経は大東陣でのラインアウトから右オープンに展開。右WTB岩崎選手が鋭くカットインしてから外にフォローしたFBニールソン選手にパス。そのまま走り切って右隅にトライ。G失敗。0-19
前半は流経の集散の速さが目立つ。大東は反則が多く、流れを掴めない。スクラムは大東が流経を圧倒しているが流経も色々な策を講じて何とか耐える。ラインアウトは流経ロック陣がしっかりとしたキャッチング。SHのパス出しも速い。
4分攻め続ける流経は右WTB岩崎選手が大東ゴールライン付近にパントを上げて、そのこぼれ球をロックの和田選手(横山選手?)が押え込む。G成功。0-26
7分流経は左中間20mのPGを加瀬選手が狙うが、わずかにゴールポストをそれる。ところがそれをキャッチしようとしたFBマナコ選手がファンブル。流経プロップ菅野選手が押え込んでゴールポスト真下にトライ。G成功。0-33
23分ようやく攻め出した大東が流経22mライン内でのラインアウトからモールを押し込んで左隅にトライ。ゴール成功7-33
25分 大東はハーフライン付近右サイドでFBマナコ選手が一度パスダミーをして突破。左に展開すると、交替して入ったウイングの田中選手が素晴らしいスピードで流経バックス陣を振り切り、約50m走りきって左隅にトライ。
(ここまで音無しだった大東の応援が一気に盛り上がる)
14-33
35分流経は右中間15m付近でペナルティをもらう。誰もがキックで狙うと思ったところ、一瞬の間を置いてSO加瀬選手がちょん蹴りから右隅へ走りこむ。大東の選手は反応が遅れ、加瀬選手そのままインゴールへ飛び込み、トライ。G失敗。14-38


感想
WCアジア最終予選を7時間後に控えたうえ、お天気も雨模様。バックスタンド側から入ろうとしたら、誰も人がおらず、大型のトラックやクレーン車が行く手を遮り、「あれ、秩父宮じゃなかったの?」と一瞬冷や汗をかいたほどで、予想通りスタンドは閑散としていました。

だがわざわざ足を運んだ甲斐のある好ゲーム(流経にとっては?)。今期のリーグ戦グループのレベルの高さを改めて思い知らせてくれました。

流経はスクラムこそ劣るものの集散の速さで圧倒。
中央から70点、専修から60点と破壊力で圧倒してき大東を後半23分まで33-0と完封する離れ業。とにかくしっかりとした練習で鍛えられてきたという印象です。キャプテンの伊藤選手や攻守の要FBのニールソン選手も無事復帰し、完成度の高いプレーを見せてくれました。

ピンチやチャンスでの集中力の高さは特筆もの。
スクラムが押されがちと見ると、左サイドでのマイボールスクラムには左WTBも参加させたりするというプレーもあり、勝つ為に何をすべきか? を徹底的に教え込まれてるという気がします。こういう言い方は流経に対して失礼かもしれませんが、往年の強い時の早稲田の戦い振りを思い出しました。

選手では今日はやはり加瀬選手。
安定したキックと状況判断。昨年に比べまた一段と成長した様子です。特に後半35分のとどめのトライにはビックリ。てっきり私もPGを狙うのだろうと思い、ノートに目をやった先の一瞬の出来事で、大東の誰も反応できない、素晴らしいプレーでした。

SHの後藤選手も落ち着いた球捌きと素直に伸びるパスでなかなかのプレー振り。ジャパン候補で現NTT東北の池田選手が抜けた穴をまるで感じさせませんでした。

そしてニールソン選手。先の試合で足を痛めたせいか(期待のドロップキックも見られなかった。それとも今期は常に加瀬選手が蹴るのでしょうか?)、走りの切れ自体はまだ100%ではないという印象でしたが、安定感はやはり大学NO1。つねに大声で声を出し、ポジショニングなど細かな指示を送り、バックスをまとめていました。来年のジャパンスコッド入りが待たれる選手です。

唯一の難点はやはりスクラム。
たしか昨年度もスクラムでは苦労したはずで、これをどういう風に克服するか? で、今期の流経がどこまで勝ち進めるかが決まるような気がします。

一方の大東大。
今期は関東学院を追う一番手と思っていたのですがどうしたのでしょう。今日はまるで地に足のつかないふわふわとしたプレー振りでした。後半20分過ぎからNO8のルアタンギ選手とFBのマナコ選手の縦突破を中心に何とか盛り返しましたが、いかんせんこの時点での33点差は重く、完敗を喫しました。やはりここ数年身に染みついてしまった大雑把な感覚はそう簡単には取り戻せないのでしょうか?

期待のマナコ選手は前述の破壊力ある突破を時々披露してくれたものの、ディフェンスがお粗末。イージーなノックオンや、パントを手で取らずに足で処理しようとする軽いプレーはあまり誉められたものではありません。このあたりもトンガ系の体質と言ってしまえばそれまでですが。(シオネ選手を筆頭にラトウ選手やノホムリ選手でさえも大学時代はプレーが大雑把だったですから)

いずれにせよ、巷言うように今年のリーグ戦グループは群雄割拠。対する対抗戦グループは、慶応、明治の戦い方如何で、大学選手権も今までにない恐ろしい結果が待ち受けているかもしれません。

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