早稲田 | VS | 慶 応 | ||
35 | 15 | 前半 | 14 | 21 |
2 | TRY | 2 | ||
1 | GOAL | 2 | ||
1 | PG | 0 | ||
0 | DG | 0 | ||
20 | 後半 | 7 | ||
2 | TRY | 1 | ||
2 | GOAL | 1 | ||
2 | PG | 0 | ||
0 | DG | 0 |
安藤(1年) | FW | 左座(2年) |
萬匠(4年) | 岡本(2年) | |
正木(4年) | 浜岡(2年) | |
高田(3年) | 高田(3年) | |
山崎隆(4年) | 阿久根(3年) | |
大瀬(4年) | 野上(2年) | |
井手上(3年) | 三森(3年) | |
江原(2年) | 山本英(1年) | |
辻(3年) | HB | 熊谷(4年) |
福田(4年) | 信濃(4年) | |
西辻(1年) | TB | 高橋(2年) |
山崎勇(4年) | 田中豪(1年) | |
高野(2年) | 鈴木(3年) | |
横井(2年) | 山本宗(2年) | |
長井(3年) | FB | 稲葉(4年) |
感想
こんな試合をいつか見た記憶がある。
あれは何年前かの慶明戦。 あの時の慶応は対抗戦下位がすでに決定し、一方の明治は当然のようにそれまで無敗。実力的には数段の開きがあり、誰もが明治の楽勝を予想したはずなのに、慶応は気合と闘志で圧倒。王者明治に互角の戦いを挑んだ。 骨のきしむ音が観客席にまで聞こえるほどの、己の体を痛めつけることを楽しむかのような強烈なタックル。明治重戦車の突進にも怯むことなく、二の矢、三の矢が突き刺さる。そしてフィフティーン全員が体力の限界に挑戦するかのように走りまくる。 結局勝利の女神はどちらのチームに微笑んだのだったろう? はっきりとした記憶がないのは、勝敗云々よりも慶応の凄まじいラグビーに震えを覚えたからか。ノーサイドの笛を合図に、刀折れ、矢尽きた満身創痍の戦士達は芝の上にひざまずく。体力の限界を通り越した彼らにはもはや立ち上がる力さえなく、リザーブの選手達に抱きかかえられながらグラウンドの外に運ばれていく。その光景はさながら野戦病院のようだった。 格上のチームに気合と闘志と精神力だけで向かってゆく。 それは慶応のスタイルではなかったか? 慶応の余裕。早稲田の必死。その差がこの試合の勝敗を分けた。 早稲田がこの日一貫して目指したのはスピードとテンポ。そして走り勝つこと。 攻撃時には徹底したアップアンドアンダーと素早いリスタート。 一点突破、全面展開。 かつての慶応のように頑ななまでの愚直な戦法が早稲田を勝利へと導いた。 試合前半からトップスピードで飛ばしまくった早稲田。最後まで持つのか? と心配されたが、試合後半に足が動かなくなったのは逆に慶応の方だった。夏合宿で徹底的に走りこみの練習をしたことがようやくこの試合で実を結んだ。 技術的には未熟な点もある。 オーバーザトップを取られても仕方のない無鉄砲な飛び込みも数多く見られた。それでも、最後まで集中力を維持し続けた早稲田には敬意を表したい。日体大戦の大敗から二週間、よく持ち直したものだ。180度違うチームになれるのだから大学ラグビーは恐い。学生ラグビーにおける精神力の重要性を改めて思い知らせてくれた。 だがこれで完全復活とは誰も思ってないだろう。 今日のようなモチベーションを常に維持できる保証はまだない。早明戦が真価を問われる一戦になる。日体、慶応という共に戦った二校との点差をハカリに単純計算してみれば、早稲田が日体戦のようになれば明治に80点差で前代未聞の大惨敗。慶応戦のような戦いが出来れば何と6点差で早稲田の勝ちということになるが…。 敗れた慶応。まだ真の強さが備わっていないということか。 「今年は楽に勝てる、自分達の方が強い」という奢り、安堵があったのではないだろうか。前半のリードもそれに拍車をかけてしまった。気づいた頃には時すでに遅く、自分達のラグビーを見失い、『魂のラグビー』を早稲田にやられては慶応に勝ち目はなかった。途中、怪我人が多く出たのも災いした。 大学選手権の頃にはポイントゲッター栗原選手も復帰できそうだ。 期待のルーキー野沢選手も戻ってくる。 ひょっとすると、『ゴリ』というニックネームが象徴する、泥臭さを信条とするこの一年生の活躍が『魂の慶応』復活の本当のカギを握っているのかもしれない、と思った。 と、まあ書いてはみましたが、簡単に言えば「早稲田は良くぞ頑張った」「慶応は思っていたほど強くなっていなかった」ということです。(でももう一回やったら今度はやっぱり慶応が勝つんじゃないかという気はしますが) ラグビーというのは元来アップセット(番狂わせ)の少ないスポーツで、どんなに弱いチームが前半リードしても結局最後は順当に収まる、というのが常だったはずですが、今年はどうしたのでしょう? リーグ戦グループの五里霧中大混戦状態といい、この早慶戦といい、はたまた東日本社会人のわけのわからない試合結果といい、まさかこれらすべてエルニーニョのせい(某K氏の説)というわけでもないでしょうが・・・。全体的に底上げされて実力が伯仲してきたと見るべきなのでしょうかね? ところで、話は変わりますが、「4年以内に早稲田は間違いなく大学選手権を制覇する」と今ここで断言します。 何故かって? そりゃああなた、来年ヒロスエが来るからに決まってるじゃあないですか。今年の花園を賑わすプレーヤーの何人かは絶対に進路変更。明治や同志社、或いは関東学院を当初志望していたラガー達も皆一斉に早稲田志望に変更です。ヒロスエと隣の席で講義なんて考えただけで胸ときめいちゃうでしょう。でも早稲田に入ったは良いが、皆練習にも出ずに講義を聴きに行くので逆に弱くなっちゃう可能性もあるかもしれませんが・・・。 |