1999/1/2
全国大学選手権 準決勝
早稲田大学 VS 関東学院大学
早稲田VS関東学院
267前半2253
1TRY3
1GOAL2
0PG1
0DG0
19後半31
3TRY4
2GOAL4
0PG1
0DG0



感想
結果はほぼ予想通り、関東学院の完勝に終わりました。
徹底したハイパントとワイドなオープン攻撃に照準を絞り、予想を覆して法政を破り、勝ち上がってきた早稲田ですが、さすがに関東学院相手では、個人個人での強さ、巧さ、あるいは組織ディフェンス、状況判断などどれをとっても見劣りし、ダブルスコアで完敗を喫しました。

密集周辺ではFWがよくディフェンスに頑張っていましたが、アタックでは非凡なものを見せる西辻、横井、山崎弘樹の早稲田バックスリー高校代表3人組もディフェンスに回るとまだまだ力不足。特に山崎選手のディフェンスはFBとしては非常にお粗末で、このままでは来年もリザーブに回るおそれさえあるでしょう。

早稲田大学がここまでこれたのはやはり日比野御大のお陰だという気がします。さすがにラグビーに焦れ込みすぎてお家をつぶすほどの方はただ者ではありません(別に茶化しているのではなく、微笑ましい(?)エピソードとして)。悪夢の日体戦から、ディフェンスを再構築し、徹底した戦術とタックルの復活で、断然不利と言われた法政を撃破し、国立にまで勝ち上がってきただけで今年は良しとすべきでしょう。

走り込みを重視しランニングフィットネスを向上させ、スペースを広く使ったアタックは可能性を感じさせます。これで選手個々のスキルがもう少し向上し、組織ディフェンスがしっかりしてくれば、昭和40年代頃の早稲田ラグビーの形に近づいていくのではないでしょうか? フランカーが両サイドを駆け回り、匍匐前進のようにすこしづつゲインを重ねていく。こんなスタイルがあっても良い気がします。
今年はまだまだ完成度の面で充分ではなく、関東学院にしてやられましたが、来年は非常に楽しみなものがあります。

勝った関東学院。
四宮選手も完全復帰で昨年の力が戻ってきました。特に彼の80m独走トライは圧巻でした。あれこそまさにスーパープレイ。変幻自在のステップと巧みなチェンジオブペース、そして類い希なスピードを思う存分披露してくれました。ジャパンのスーパーサブとしても起用可能かもしれません。

立川選手もディフェンスは万全の状態にはほど遠いものの(それとももともとあんなディフェンスなのでしょうか?)アタックは本来の切れ味を取り戻しつつあります。FWに的確な指示を出すSH池村選手。バックスを自在に操るSOの淵上選手。面白い動きを見せる吉岡選手。地を這うような走りの萩谷選手。鋭い切れ味とスピードのの矢口選手。この黄金バックス陣は社会人と比べても攻撃面だけなら遜色ありません。明治がどんなにFWで仕掛けてきても、最後は関東バックス陣が縦横無尽に国立を駆け回りそうです。
関東学院連覇は揺るがないのではないでしょうか?

最後に選手の方々に一言。
ガッツポーズはちゃんとボールをグラウンディングしてからにしましょう。
一歩間違うとインゴールノックオンを犯して、人生最大の禍根を残しかねません。

私の知人に甲子園で「サヨナラパスボール」を犯してしまった人間がいますが、それはそれは一生脳裏から離れないもののようで、未だに夢でうなされると聞きます。「サヨナラパスボール」はある意味仕方ない(別に手を抜いたわけでも何でもないですから)としても、ガッツポーズのせいでインゴールノックオンを犯して試合に負けた、なんてことになったら一生付いて回ります。気をつけましょうね、立川君、吉岡君、第二試合の明治の斉藤君も。(特に吉岡君のはとっさにボールを持ち替えなかったら結構危なかったのじゃないでしょうか。)

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