1999/1/15
全国大学選手権 決勝
関東学院大学 VS 明治大学

関東学院VS明 治
476前半1128
0TRY1
0GOAL0
2PG2
0DG0
41後半17
6TRY3
4GOAL1
1PG0
0DG0

狩野(2年)FW黒崎(4年)
下田(4年)山岡(4年)
上田(4年)石田(4年)
堀田(2年)辻(4年)
宮村(4年)石井(4年)
古島(3年)池田(4年)
宮下(4年)阮(3年)
山口(1年)斎藤(3年)
池村(4年)HB後藤(2年)
淵上(3年)森嶌(4年)
矢口(3年)TB山口大介(3年)
萩谷(4年)山口大輔(4年)
吉岡(3年)松添(3年)
四宮(2年)岩倉(3年)
立川(4年)FB福田(3年)



感想

確かにおもしろい試合でした。
前半は思った以上の明治の堅い守りで互いに点が入らず、後半は一転してよく言うノーガードの撃ち合いで、トライのオンパレード。片方がトライを取れば、もう一方もすぐに取り返すシーソーゲーム。互いに防御力よりも攻撃力が勝り、後半30分過ぎまでは、どちらが勝つのかわからない手に汗握る試合展開でした。
明治はおそらく今期一番の出来。

関東学院も大学NO1バックスの力を思う存分に発揮。明治FB福田選手、関東学院WTB四宮選手、ともにギャップを見つける目と判断力、スピードに優れ、切れのあるすばらしい走りを見せてくれました。(なかでも一番印象的だったのが四宮選手のプレー。ハイパントを後ろ向きでキャッチした彼が、背後から迫る明治の選手3人のギャップを振り向きざまに((というよりもおそらく振り向く前に))判断し、反転するやいなや、瞬時に3人の間をすり抜け、逆襲に転じたプレー。後ろに目がついてるのか?と思ったすごいプレーでした。)

試合の方は残り10分でトライを連取し、PGも確実に決めた関東学院が明治を振り切り、順当に勝利を治め、大学選手権二連覇を成し遂げました。
観客としては、確かに面白い試合だったことに異論はありません。

でも、本当に決勝戦にふさわしいレベルの高い試合だったのか?と言われると一抹の不安が残ります。
何度も書いて自分でもいやになりますが、日本が世界に対して劣っているのは、あくまでもディフェンス面。それを考えれば、今日の試合には、かなりのもの足りなさが残ったのが本音です。

「あんなに簡単にディフェンスが抜かれるほどのプレーなのだろうか?」
「レベルの高い外国の学生チームが相手の場合でも、あれでトライが取れるのだろうか?」
改めて問い返すと、首を傾げざるを得ません。

確かにお互いのバックスの攻撃はかなりレベルの高いものでしたが、トライの形は、一次攻撃で大きくゲインすると二次攻撃の個人プレーで簡単にディフェンスを突破、というあまりにもあっけないもの。一、二度ならまだしも、そんなトライが後半開始から20分過ぎまで、3分に一個くらいの割合で延々と応酬されるのですから。

優れた攻撃力と淡泊なディフェンス。お互いにそれが持ち味となれば、点の取り合いにしかなりません。
私の右後方には明治の応援団。左前方には関東学院を応援する若者たち。互いに大声を競い合い、トライを奪うたびに旗が振られます。
結局、最近の学生気質に帰結してしまうのかもしれません。選手たちも地味なディフェンスよりも、格好の良いトライに見せられるのでしょうか?

このままでは、日本選手権への大学の参加はまるで意味のないものになるでしょう。
あんなディフェンスでは優に50点以上。社会人チームが手を抜かなければ、一つ間違うと100点ゲームの恐れさえあります。(両校の大学選手権4試合での一試合平均失点は、明治が25点、関東学院が26点。東芝、神戸、サントリー、トヨタの社会人ベスト4の得点力は、軽く見積もっても大学選手権出場チームの倍以上はありそうですから)

大学チームのレベルアップには、しっかりとした組織ディフェンスの確立と、個々のタックル能力の向上。これしかありません。来年はもう少し締まったゲームが見たいと思いました。
そんなわけで、今年も日本選手権にはあまり期待できません。敢えて言えば、モチベーションが落ちずに、なおかつ栗原君が復活するという条件付きで、思いのほか慶応が健闘するような気がします。

最後に一言。
関東学院の立川主将。いくらなんでも右隅にぎりぎり飛び込んでのトライの時まで無理矢理ガッツポーズをしなくても良いのではないでしょうか? ジャイアンツの西山投手じゃあるまいし、ガッツポーズのことばかり考えていると、いつかとんでもない目にあいますよ・・・。
日本協会のHPの写真までガッツポーズだもんなあ・・・。

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